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書評 エキストラ・イニングス 自分を信じたい人へ

五十路のおじさん、ばっどです。

エキストラ・イニングス 僕の野球論
松井秀喜

言わずと知れたゴジラ松井、2012年に現役引退した、稀代のスラッガーの著書。
2013~14年の新聞連載コラムをもとに、15年に単行本として刊行、16年には早くも文庫化されています。
そこそこ前の本ではありますが、内容は一切色褪せておらず。
初めて読む人はフムフムと読み、一度読んだ人の多くは、手元に置いて、折に触れ読みなおすことになるはずだ。

内容は超大雑把にいうと大きく2種類の話。
松井氏が出会ってきた野球人についての回顧と、野球論的なテーマのコラム。野球論と言ってもテクニカルな話でもなく、ご自身の野球における経験から、概念的、哲学的な考え方が語られており、割とどんな人にも通じる内容だと思います。
勿論、見る野球、する野球、子供の野球など、野球好きな方なら、より内容がビビッドに感じられるはず。

序章である"はじめに"の最後に、「この本を手にした人には、こういうことを信じてほしい」とあるが、成功した人の本のトーンとしてありがちな、これでうまくいった!ではなく、僕はこう思う、という書かれ方がされているのは、松井氏自身のパーソナリティーと、この本を編んだ編集の方の考え方がうまくかみ合ったからだろう。
恐れ多いたとえだが、上皇后さまの過去のお言葉、「皇室は祈りでありたい」みたいな、他者への思いやりが感じられる極上の内容というのが、自分の読後感です。

この本だけ読んでも、松井氏の人間性には感銘を受ける人がほとんどだと思いますが、"甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実" (中村 計 著) を併せ読むと、エキストラ~から伝わる松井氏のパーソナリティーが、たぶんそのままなんやろうな、と感じさせくれるんじゃないかと思います。

何かに真面目に取り組んでる人が、今よりも自分を強く信じたい、と思ったときに是非読んで欲しい一冊として、おススメです。

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