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伝わる文章とは?その2「共通認識が大切」

その1で書いたように、文章ってのは“人に伝えるため”に書くもの。しかし、読んでくれた人がその言葉から同じものを思い浮かべてくれなければ伝わらない。これが「共通認識」というやつだ。文章というものは、書き手と読み手の「共通認識」があって初めて成立する

トマトを見たこともない人に「トマトのように赤い」と言っても伝わらない。「私のような“おっさん”と女子高生の会話が噛み合わないようなもの」と言えば伝わるだろうか。

文章の下手な人は、この「共通認識」が欠けていることが多い。あるライターさんは、卵型のことを「卵を切ったような形」と書いてきた。言いたいことは分かるのだが、それを読んだ私は一瞬「え、卵を切ったら割れるんじゃね?」と思ってしまった。ゆで卵なら切っても割れないだろうけれど、それでも切り方は縦横斜め、いろいろある。

このライターさんは、「卵を切ったような形」という言葉から卵型を思い浮かべるのかもしれないが、それを読んだ人が何を思い浮かべるのかまで考えが及んでいない。「共通認識」が欠けているのだ。

極端な話、英語の読めない人に英文のメッセージを送っても何も伝わらない。特定の業種・業界の人以外には意味がわからない専門用語、自分では標準語だと思っている方言なんかも同様だ。

伝わる文章を書くためには、それをどんな人が読むのか、読んだ人が同じものを思い浮かべてくれるのかまで考える必要がある。次回、「その3」では、文章の“読みやすさ”について考えてみたい。

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