見出し画像

優しい鬼は君たちを「改良」する~NHK「オオカミはいかにして犬になったか」

■犬だけじゃない!?キツネがペットになる時代!?

NHKBSプレミアでは過去に反響の高かったものを再放送していますが、「いのちドラマティック~オオカミはいかにして犬になったか~」をご覧になった事がある方、いるでしょうか。

端的に説明するとオオカミから犬への変化過程を探るため、ロシアである研究がなされているそうです。キツネを使って。キツネもイヌ科ですから。

では何故タヌキを選択しなかったんだ・・・というと、ロシアという背景がありましてですね。
ロシアのような寒い国では、毛皮としてキツネの工場が多々あったそうで。
それでキツネに白羽の矢が立ったというわけなのですね。

番組内容は、非常に興味深いものでした。

■野生のキツネが「人工的に」ペットになる可能性


まず実験は、開始当初ロシアに500はあったキツネの毛皮工場にいるキツネの中から、「人への警戒心の薄い、人慣れするキツネ」を集める所から始まります。
最初の1年間で、130頭が集まったそうです。
それらを交配させ、生まれた子供の中から同じように「人への警戒心が薄い」キツネを選びだして、交配させる。
これを繰り返していくと、なんと50世代目には生まれた子ギツネのうち人への警戒心を持たない人慣れするキツネが85%になったということでした。

と当時に、そのキツネたちには外見にも変化が現れます。
毛皮の色が変わる。子犬のように垂れた耳を持つキツネが出現する。
まさに人が犬に求めた、「大人になっても子犬のような従順さと愛らしさ」の再現です

ここから先は

2,188字

¥ 100

いただいたサポートは執筆活動の大切な必要な費用として、大事に使わせていただきます。 書くことを続けられるよう、応援宜しくお願い致します。