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「仕事を任せる」時に必要なこと(チームリーダー編)

はじめに

 学校の先生の仕事=「授業」というイメージがある方が多いのではないでしょうか。学校の先生は授業以外にも実に多くの仕事をしています。分掌業務や学年・学部運営に必要な仕事です。時間割を作成したり、生徒指導の在り方をまとめたり、業者さんに連絡をして教材を発注したりと書けばキリがないほど大小様々な業務があります。それらの仕事を一人の先生がこなすのは無理です。
 学校現場のチームリーダーである学年主任や学部主事は、学年や部の仕事をチームメンバーに振り分けていかなくてはいけません。その際に気をつけたいことを書いていきます。まとめにも書いていますが下記に示すことはチームメンバーとの対話がなければうまくいきません。
(前回ソパパさん(@sopapa618)のツイートを基にチームづくりについて書いてきた部分で、書ききれなかった部分です。)
※前回の内容はこちら↓

先生方の仕事量を可視化する

 学年や学部の仕事を振り分ける際、できる限り公平に(平等ではないです。公平にです。)業務を振り分けます。

この図は様々な場面で活用しています

 その際先生一人ひとりの業務量をエクセルのシートで数値化します。チームの先生方にはシートの一部のみしか公表していません。口外できないプライベートな事情から数値を示しにくい先生もいるからです。
 数値化の例としては分掌業務(学校全体の係業務・学年を跨いだプロジェクト業務のようなイメージです)の主たる役割を担っている方や、運動会のまとめ役を担う先生は+20、初任者の先生は+30、といったように仕事内容や、経験年数などによって数値を上下させます。何か仕事を振る際の基準としては、数値が低い先生に振るようにします。先生によってはオープンにできないプライベートな事情もあります。(自身の病気など)その際は複数の先生でその業務に取り組むことを学年運営資料に明記します
 この取り組みは正直賛否両論あると思います。+にする基準や、全てを公表していないという点など自分でもモヤモヤがありますが、「何となく」や「言いやすいから」といった理由で仕事をふらないという判断材料になるのは良いと考えています。
 チームリーダーの仕事量も可視化しておきましょう。困ったらリーダーが引き受けるのでは、最終的に学年・学部全体が苦しくなります。あくまで公平にです。

締め切り期日の決定

 当然ですが、依頼した仕事の締め切り期日は必ず伝えるようにします。「なるべく早く」や、「時間ある時でいいよ」と言った言葉は使わないようにします。先生方のことを気遣って言っていたとしても、期日が示されていないと最終的にお互いストレスが溜まります。なるべく早くという指示のなるべく早くは人によって捉え方が違いますし、基本的に学校現場に時間の余裕はありません。(どこの職場もそうかもしれませんね)締め切り期日はハッキリ伝えましょう。

途中経過の確認(投げっぱなしにしない) 

 例えば、学年のお楽しみ企画をとある先生に任せたとします。企画案の締め切り日を2月25日と設定したとします。意外かもしれませんがその間の進捗状況を誰も把握していないということが過去にはありました。そしてその先生がお休みしててんやわんや。これはその先生が悪いのではなく、チームリーダーが仕事を丸投げして途中経過を把握していないということに問題があったと思っています。
 仕事を依頼した側は最低でも締め切り日前に2回(締切日の1週間前と3日前)は進捗状況を確認し、1週間前で大体の企画ができていればチャットや掲示板を使って全体に周知します。細かい部分は残りで詰めていくイメージです。学年会や学部会を待つ必要はなく、すぐに共有してしまします。
 一方、1週間前に声をかけた際に、「何も進んでません・・・」「忘れていました・・・」といったこともあります。その際は、チームリーダーが「子どもたちの動きの部分だけ先に考えましょう。例えば司会の子が・・・」と言ったように具体性を持ったやりとりを積極的に行います。また、必ず「先生はどう思いますか?」と言ったように一方的に話をしないようにします。最終的には「今話した子どもの動きと、それぞれの先生の役割を記載したものを2月22日に一緒に確認しましょう!」と言ったように示して終わりにします。
 仕事の進捗状況を確認する際は、先生方によって細かく見て欲しい方もいれば、できるだけ放っておいてほしい先生もいます。タイプに合わせた言葉がけを意識したいです。

多様性を認める+感謝の言葉

 一番大切な点を書きます。チームづくりの際にも書きましたが、チームには目標があります。その目標に向かって様々な方法を用いて活動に取り組みます。先生方一人ひとりのカラーを生かして取り組んでいくのです。やり方や手段は任せた先生の強みを活かしもらえるように、細かい口出しはしません。(以前ソパパ先生も書かれていましたが、最低限揃えるところは共通理解しておく必要があります)また、自分のやり方と違う、そんなやり方は時代に合わないといった価値観の違いを面白がり、「そんな方法もあるんだな〜」「自分にはできないかもしれないけど面白いやり方だな」と相手の良さや多様性を認めることが必要です。そして、取り組んでもらっている際に、「○○さん、いつもありがとう!」「新しいやり方で、私も勉強になります」「さすが〇〇先生、〇〇先生にお願いして良かったです!」といったように積極的に声をかけていきます。よく教育の世界は二項対立のような構図で主義主張がなされます。例えば、アナログかデジタルか、教師中心か児童中心か、規律か自由かといった内容です。
 これらはあくまで何らかの目標を達成するための手段や、考え方です。それぞれの強みや多様性を認めましょう。

属人化→仕組み化

 あの先生じゃなきゃできない、あの先生がいなくなったから仕事が回らないと言ったことをなるべく避けるために、仕事が終わった際は、簡単な引き継ぎ書やマニュアルを作成してもらったり、チームリーダーが記録しておいたりすることも必要です。必要なのですが、この点はまだまだできていないのが現状です。私の今年度の課題の一つになっています。

おわりに

 機械的に上で述べたようなことを実行しても多分うまくいきません。何より普段の対話が大切です。自分のことをオープンに、相手に興味をもって、話すことを繰り返していく必要があります。進捗状況を確認する際も、先生一人ひとりを大切にしているという想いが伝わればそれほど嫌な顔はされないでしょう。普段コミュニケーションをとっていない相手から突然「仕事は進んでいますか?」と問われても「なんだ?」と思いますよね。やはり、根底は人と人とのコミュニケーションが不可欠なのです。
 今のチームは職員室で上記の内容を先生同士が自然と行ってくださっています。良いチームです。自分は恵まれているなと改めて感じています。感謝です。

 何かの参考になれば幸いです!皆様良い1日を⭐️

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