藤本一郎

藤本一郎

マガジン

  • 杣道/テキストリレー

    • 73本

    7人の読書好きによる、連想ゲームふう作文企画。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。書き手は自分に渡された文章しか読めず、他の作品はnoteで発表されるまで読めません。 文章ジャンルは無制限。文字数は2500字以内。どんな作品が生まれるのか。お楽しみに!

最近の記事

「Flesh,Blood,& Concrete」、あるいは選択のエチカ

辺り一面激しい雪に覆われたシベリア。ソ連時代に作られた無愛想なコンクリート建築群に迷い込むのは主人公レラ。生きにくい現実から車に乗って逃避する最中だった。車が故障したために、その修理や、物資を得るために不気味なコンクリートの中に入っていく。そこで出会うのは少女ニカである。どうやら少女は、この不気味な建築に一人で暮らしているらしい。 本作「Flesh,Blood,& Concrete」は2021年にリリースされたRPG Maker製ホラー・アドヴェンチャーゲームであり、itc

    • 9-07「広告と人間らしさについて」

      連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。 9周目の執筆ルールは以下のものです。 [1] 前の人の原稿からうけたインスピレーションで、[2]Loneliness,Solitude,Alone,Isolatedなどをキーワード・ヒントワードとして書く また、レギュラーメンバーではない方にも、ゲストとして積極的にご参加いただくようになりました!(その場合のルールは「前の人からのインスピレーション」のみとなります) 【杣道に関して

      • 8-06「漫画『かぐや様は告らせたい 天才達の恋愛頭脳戦』について、あるいは、ラブコメにおける取引主義の帰結するところ

        【杣道に関して】https://note.com/somamichi_center 【前回までの杣道】 「恋愛は駆け引きだ」という最も俗っぽい心理学的学説は、どんな世代でも経験的な説得力をもった主張だと思われる。駆け引き、まるで商人同士の取引のようにおこなわれる「押して(推して)引いて」のやりとりは、しかし「相手の気持ちがわからない」という点で、商取引のような、「平均的な価格」「相場」があらかじめ同意されている場合とは異なる。相手に対して無知であること、という一見ネガテイ

        • 7-07 漫画「水は海にむかって流れる」について、あるいは、呪いとハッピーエンドについて

          連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。前回はS.Sugiura「”あれ”について描かれた、”あれ”を落とした時に聞こえた音」でした。 「前の走者の文章をインスピレーション源に作文をする」というルールで書いています。 【杣道に関して】https://note.com/somamichi_center 【前回までの杣道】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高校生になった直達(なおたつ)は

        「Flesh,Blood,& Concrete」、あるいは選択のエチカ

        • 9-07「広告と人間らしさについて」

        • 8-06「漫画『かぐや様は告らせたい 天才達の恋愛頭脳戦』について、あるいは、ラブコメにおける取引主義の帰結するところ

        • 7-07 漫画「水は海にむかって流れる」について、あるいは、呪いとハッピーエンドについて

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          73本

        記事

          6-06「悩:詩コンプレックスと近代的人間の質」

          連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。前回は屋上屋稔「 印刷された音楽と、手紙のような音楽について」でした。 5、6巡目は「前の走者の文章の中から、一文を抜き出して冒頭の一文にする」というルールで描いています。 【杣道に関して】https://note.com/somamichi_center 【前回までの杣道】 --------------------- 私には「詩」を書くことができない というコンプレックスがある。

          6-06「悩:詩コンプレックスと近代的人間の質」

          5-06「ジャスト・チリン! 〜癒しの経済学序説〜」

          9人の読書好きによる、連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。前回はS.sugiura「かつては歩いていた男」でした。 【杣道に関して】https://note.com/somamichi_center 【前回までの杣道】 ---------------- 「チルっていったらそれは、わかるだろう?だから一本巻いて持っていったんだけど、その女子大生は、カフェにいってコーヒーを飲む事だ、って言うんだよね(出会い系アプリで知り合

          5-06「ジャスト・チリン! 〜癒しの経済学序説〜」

          4-01「唸れ!ドラゴンブレスショットガン!」

          7人の読書好きによる、連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。前回は沖田正誤「『作者』を編集する ―J.G.バラードの『自伝三部作』」でした。 【杣道に関して】 https://note.com/somamichi_center/n/nade6c4e8b18e 【前回までの杣道】 3-07「ミナミのマリリン・モンロー」/屋上屋稔 https://note.com/qkomainu/n/n389816f1a666 3-08「

          4-01「唸れ!ドラゴンブレスショットガン!」

          3-01「ギャルになりたい男PizzaLove、その結末...」

          7人の読書好きによる、連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。 前回は蒜山目賀田「美しさ」です。今回は、藤本一郎【ギャルになりたい男PizzaLove、その結末...】です。それではお楽しみください! 【杣道に関して】 https://note.com/somamichi_center/n/nade6c4e8b18e 【前回までの杣道】 2−06「カントの背後にまわって、美を穿つ」 https://note.com/kant

          3-01「ギャルになりたい男PizzaLove、その結末...」

          2-01「座敷童の印」についての、覚書

          7人の読書好きによる、連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。 前回は蒜山目賀田「親子のつながり」です。今回は、藤本一郎【「座敷童の印」についての、覚書】です。それではお楽しみください! 【杣道に関して】 https://note.com/somamichi_center/n/nade6c4e8b18e 【前回までの杣道】 1−06「オドラデクの世界」 https://note.com/kantkantkant/n/n008d

          2-01「座敷童の印」についての、覚書

          No.01 「ポッポについての野暮な話」

          「ポケットモンスター」は、1996年に任天堂から発売されたゲームソフトである。ポケットモンスター(通称ポケモン)と呼ばれる架空の生物を飼い慣らし、野生の、あるいは別のプレイヤーのポケモンとの対戦のなかで成長させ、物語を進めてゆく。ドラクエやFFのように「ボス」という存在はあまり強調されておらず(「伝説のポケモン」という形で、ダンジョンの奥で出会う場合もあるが)物語進行を決定付ける戦闘は、「ジム・リーダー」と呼ばれる人間と、彼らが育てた強力なポケモン達を相手に行われる。 野生

          No.01 「ポッポについての野暮な話」