あずさ@訪問記

山梨県在住。歴史好き、縄文好き、山梨・信州の特色ある博物館、美術館を紹介しています。公…

あずさ@訪問記

山梨県在住。歴史好き、縄文好き、山梨・信州の特色ある博物館、美術館を紹介しています。公開中のnote記事191本。私大文学部卒(歴史分野)。山梨郷土研究会会員。ヘッダ画像は教科書で有名な京戸川扇状地

最近の記事

【山梨県立文学館】特設展「文学はおいしい」を見に行く

はじめに  山梨県立文学館では、特設展「文学はおいしい」(2024.7.13~8.25)を開催しています。  例年夏のは幅広い年代で楽しめる展示が行われています。今年はゆかりの作家や著名な作家の文学作品の中で扱われた山梨の食や食の場面について紹介する内容です。 文学はおいしい  「文学のなかのおいしいシーン」ということで、原稿(複製含む)や直筆の色紙などからとくに食に関する内容を紹介しています。  およそ20人の作家・文化人を取り上げ、90点の資料から「食」に対する作家

    • 【笛吹市春日居郷土館】「わが町の八月十五日展~甲府空襲と笛吹市~」を見に行く

      はじめに  笛吹市春日居郷土館・小川正子記念館にて、夏に行われる恒例の展示として「わが町の八月十五日展」があります。町村合併前の春日居町の時代から続くもので、市内の戦没者の遺影や寄贈された遺品を展示するものです。  トップ画像は、戦意高揚の教育のため市内の国民学校に贈られた八八式偵察機のプロペラです。 わが町の八月十五日展  27回目となる本年は「わが町の八月十五日展~甲府空襲と笛吹市~」(2024.7.13~9.16)として開催されています。遺影と寄贈された遺品の展示

      • 【アトリエアッシュカ】Chise Tanaka展「Sunrise -夜が明ける-」を見に行く

        はじめに  昭和時代の香りを残す横丁の飲食店街「柳小路」その奥にあるアトリエアッシュカから新たな個展情報を頂きました。Chise Tanaka展「Sunrise -夜が明ける-」(2024.7.27~8.11の土日)は甲府出身の田中知世氏による山梨で初の個展となります。  「アトリエアッシュカ」としては、本年5月の「NOTO AGAIN 能登半島地震被災地復旧・復興チャリティー展」に次ぐ個展開催です。 旧甲州街道から  今回は「柳小路」に旧甲州街道側から歩いてきました。

        • 【井戸尻史跡公園】混沌の首アートパフォーマンス「縄文・火と大地の記憶」を見に行く(2024.8.3)

          はじめに  井戸尻考古館で夏の縄文体験が行われた8月3日夕刻より井戸尻史跡公園において密教系芸術集団「混沌の首(こんどんのくび)」によるアートパフォーマンスが行われました。  「混沌の首 / 縄文・火と大地の記憶~芸術的に狂え! まつろわぬ辺境に立て!!~」は、本年4月30日に建館50年を迎えた井戸尻考古館の建館の日記念トークイベントに続くもので、8月から11月まで行われる記念事業の冒頭を飾るものです。  昼行われた縄文体験の様子はこちらをご覧ください。 建館50年

        【山梨県立文学館】特設展「文学はおいしい」を見に行く

          【井戸尻考古館】夏の縄文体験レポ(2024.8.3)

          はじめに  富士見町の井戸尻考古館では恒例イベントである夏の縄文体験が8月3日(土)、4日(日)の両日にわたり行われました。  標高が高く風が吹き夏は過ごしやすい富士見町ではありますが、それでも例年より気温が高く列島全体の猛暑の影響がここにも感じられました。  初日の夕刻からは遺跡公園で建館50周年イベントのひとつ密教系芸術集団「混沌の首」によるアートパフォーマンスが行われました。こちらについては次回紹介します。  トップ画像は丸木弓と矢です。ただし撮影用のため実際に射る持

          【井戸尻考古館】夏の縄文体験レポ(2024.8.3)

          【AIRY】Thomas Lord展「垣間見る」を見に行く

          はじめに  甲府市の中心部にある「AIRY(エアリー)」(アーティスト・イン・レジデンス山梨)は山梨で最初のアーティスト・イン・レジデンスです。  「AIRY(エアリー)」ではこの7月に滞在アーティストの受け入れを行いました。Thomas Lord展「Caught A Glimpse/垣間見る」(2024.7.27~28)は1ヶ月の滞在期間を終えて帰国する写真家トーマス・ロード氏の滞在中の成果を披露する展覧会です。  コロナ渦以降で初となる滞在アーティスト展と聞いて足を運ん

          【AIRY】Thomas Lord展「垣間見る」を見に行く

          【笛吹川石和鵜飼】7月の満月-Buck Moon-と徒歩鵜(2024.7.21)

          はじめに  山梨の夏の風物詩のひとつである笛吹川の鵜飼が始まりました。この鵜飼は、笛吹川石和鵜飼(2024.7.20~8.18)として期間中の週4日、地元の保存会により実演が行われます。鵜匠が川へ直接入るのが最大の特徴であり全国唯一です。  7月から甲府盆地は連日猛暑が続いていますが、夜の川面に一時の涼を求め出掛けまてまいりました。この日は満月(Buck Moon)と重なり幻想的な演出となりました。  昨年の模様はこちらをご覧ください。 徒歩鵜(再掲)  鵜飼と言えば

          【笛吹川石和鵜飼】7月の満月-Buck Moon-と徒歩鵜(2024.7.21)

          【井戸尻考古館】3館企画展示「縄文ど真ん中!」を見に行く

          はじめに  北杜市考古資料館、井戸尻考古館(富士見町)、八ヶ岳美術館(原村)にて恒例の3館共同の企画展示が始まりました。  山梨長野両県をまたぎ八ケ岳定住自立圏共生ビジョンを締結した3市町村にある博物館が共通のテーマで企画展示を行っているものです。  トップ画像は、岡本太郎が撮影した水煙土器です。 縄文ど真ん中!  この3館共同企画を始めて10年の節目となる今年のテーマは「縄文ど真ん中!」(2024.7.13~11.24)です。「ど真ん中」から、それぞれの館が着想するテ

          【井戸尻考古館】3館企画展示「縄文ど真ん中!」を見に行く

          【北杜市考古資料館】3館企画展示「縄文ど真ん中!」を見に行く

          はじめに  北杜市考古資料館、井戸尻考古館(富士見町)、八ヶ岳美術館(原村)にて恒例の3館共同の企画展示が始まりました。  山梨長野両県をまたぎ八ケ岳定住自立圏共生ビジョンを締結した3市町村にある博物館が共通のテーマで企画展示を行っているものです。  今年の展示テーマは「縄文ど真ん中」(2023.7.13~11.23)です。それぞれの館が得意とする切り口で中部高地の縄文を紹介するものです。  トップ画像は、整然と並ぶ把手付土器と動物装飾土器たちです。 縄文ど真ん中!  

          【北杜市考古資料館】3館企画展示「縄文ど真ん中!」を見に行く

          【井戸尻史跡公園】咲き始めた大賀ハスを見に行く(2024.7.13)

          はじめに  富士見町の井戸尻考古館に隣接する井戸尻史跡公園では、今年も大賀ハスが咲き始めました。  開花第1号は昨年よりやや遅い7月2日だったそうで、見頃は7月中旬から8月にややずれ込みそうです。  井戸尻考古館の企画展示の始まりに合わせ大賀ハスを見物したものの、筆者が訪れたときは開花している花は少なめでした。それでも沢山の膨らんだつぼみが出ており、この先に見ごろを迎えることを強く印象づけるものでした。  昨年も同時期に訪れています。その時の模様はこちらをご覧ください。

          【井戸尻史跡公園】咲き始めた大賀ハスを見に行く(2024.7.13)

          【山蘆】俳人飯田蛇笏、龍太の居宅と俳諧堂

          はじめに  笛吹市境川町小黒坂にある山蘆(さんろ)は著名な俳人飯田蛇笏、龍太親子が住んだ家です。現在は龍太の長男で飯田家の十一代当主の住居となっていますが、書斎など生活の跡をそのままに、「俳句の聖地」として大切に守られています。  山蘆では、年のうち数回一般公開日を設けています。郷土で著名な蛇笏、龍太の文化交流の場であった山蘆と近年移築復元された俳諧堂を見るために足を運びました。 飯田蛇笏  飯田蛇笏(1885年~1962年、明治18年~昭和37年)は、近代日本を代表す

          【山蘆】俳人飯田蛇笏、龍太の居宅と俳諧堂

          【市川三郷町花火資料館】夏のみ開館「神明の花火」の資料館

          「2尺玉を上げなくなった事情」を追記 2024.8.12 はじめに  平成の合併により市川三郷町となっている旧市川大門町は江戸時代からの花火の町です。毎年8月7日には県下最大の花火大会「神明の花火」が行われます。  神明の花火の打ち上げ場所にほど近い公園の隣に市川三郷町花火資料館はあります。ただし開館は夏季限定(2024.6.1~8.20)のうえ、時間も11時~15時とたいへん短いため、訪問難易度は高く、あまり知られていない資料館です。 神明の花火  神明の花火は、毎

          【市川三郷町花火資料館】夏のみ開館「神明の花火」の資料館

          【山梨県立博物館】冨嶽三十六景と新紙幣の同時公開を見に行く

          はじめに  7月3日より新紙幣の流通の始まりました。これまで20年にわたり山梨に所縁のあるデザインとして、樋口一葉や本栖湖の富士山が親しまれてきました。  新紙幣では千円札の裏面の葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に対して山梨県立博物館が原画となる作品を提供しました。  日本銀行からは「9番」の記番号を持つ新紙幣が博物館に進呈され、7月4日より進呈された新紙幣と作品の同時公開が始まりました。  トップ画像は博物館の公式Xからのものです(展示室の撮影はできません)。

          【山梨県立博物館】冨嶽三十六景と新紙幣の同時公開を見に行く

          【山梨県立博物館】シンボル展「郷土史をのこした人々」を見に行く

          はじめに  山梨県立博物館にて、シンボル展「郷土史をのこした人々」(2024.5.25~6.24)がありました。  地域の自然、文化などを記したものを地誌といい、奈良時代に編纂された「風土記」が最古といわれます。山梨の地誌は江戸時代に編纂された「甲斐国志」に始まります。  また、郷土資料としては、南アルプス市出身の功刀亀内の蒐集した「甲州文庫」があります。所蔵している山梨県立博物館も「甲州文庫」を裏付けとする展示が多いほど山梨の郷土、文化を知るうえで重要な資料となっています

          【山梨県立博物館】シンボル展「郷土史をのこした人々」を見に行く

          【釈迦堂遺跡博物館】特別展「変化する縄文土器」を見に行く

          はじめに  釈迦堂遺跡博物館にて土器文様の移り変わりをテーマとした特別展が始まりました。  釈迦堂遺跡といえば圧倒的な量の土偶で有名ですが、土器も多数出土しています。特別展「変化する縄文土器-釈迦堂遺跡の土器装飾-」(2024.6.19~9.1)は釈迦堂遺跡の土器の文様の変化を年代順に紹介する展示です。 変化する縄文土器-釈迦堂遺跡の土器装飾-  釈迦堂遺跡が栄えたのは、縄文時代中期のおよそ1000年間(5500~4500年前)です。この時代の土器は複雑な文様や装飾とも

          【釈迦堂遺跡博物館】特別展「変化する縄文土器」を見に行く

          【笛吹市青楓美術館】ぶどう畑の中の最古の美術館(10) 「青楓の四季~春・夏編~」を見に行く

          はじめに  ぶどう畑の中にある山梨最古の美術館こと笛吹市青楓(せいふう)美術館では、展示替が行われ、2024年度前期の展示が行われています。  2024年度前期は「青楓の四季~春・夏編~」(2024.3.21~7.21)として、津田青楓が描いた作品のうち、春と夏に関する作品を展示しています。  過去の展示替えについてはこちらをご覧ください。  2022年度前期「青楓人物画展」  2022年度後期「小池唯則と津田青楓」  2023年度前期「花のあるくらし~津田青楓が描く花の

          【笛吹市青楓美術館】ぶどう畑の中の最古の美術館(10) 「青楓の四季~春・夏編~」を見に行く