大切なもの

年度末の発表会は毎年約300人ぐらい収容できるホールで行う。そこで最後に年長の子供達ひとり一人が自分の大切なものという題材で作文を発表する。

もちろん作文は子供たちが全部書くのではなく、担任の先生が子供たちの気持ちを引き出しながら書くのである。長男の場合は気持ちが上手く表現できずに時間がかかってしまったが最後まで先生が子供と向き合ってくれて納得いくものにしていただいた。

本番は発表会が一通り終わり最後に作文の発表。

会場が暗くなり、自然と観客も静かになる。

子供の名前が一人ひとりよばれ返事をしてステージ中央に立ちスポットライトを浴びる。

そして生まれたときの写真が映し出され発表が始まるのだ。

緊張やこれで卒園してしまうのだという気持ちが渦巻く中で泣き出す子もいる。

泣きながらそれでも一生懸命自分の大切なものを発表する。

家族や自分の夢など、さまざまで親が知らなかった子供の思いが発表される。

会場が涙で埋め尽くされるのだ。初めて体験したときは全然馴染みのない子ばっかりだったけど涙が滲んだ。

長男の時は離婚を決めた時で人生の舵の方向性もわからなく不安ばっかりだったのでそれでも成長してくれていたのだと涙が止まらなかった。

大人でもステージで一人スポットライトを浴びながらの発表は緊張するのに子供たちはやり遂げるのである。

やっぱり一生懸命は人を感動させるし、一生懸命は人が応援したくなってしまうのだと思う。

こんな貴重な体験をさせてくれるのが私のこだわってしまう理由。



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