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感情を表す言葉について ~ビジネスで使えるワンポイント英会話~

こんにちは。ニューヨーク在住女優、筒井あづみです。今回は英語で感情を表す言葉についてお伝えしていきたいと思います。

まず、私が11年ほど前にニューヨークに住み始めたとき、自分には形容詞、副詞などの状態・感情を表す英単語の語彙力が圧倒的に低いことに気が付きました。いや、というより日本語よりも英語の方が、日常的に使う形容詞、副詞のバリエーションが多いのではないかと思います。特に私は始め、演劇学校に通っていたので、そこでは感情についてよく話したりしました。先生が登場人物の感情や、役者の心の状態について説明することもあれば、「今どういう気分?」と聞かれることが非常によくあるのです。

実はこれ、演劇学校に限ったことではなく、アメリカではどのような状況、職種でもよく "How are you feeling?" と聞かれます。これは「元気?」とかその日の体調を聞いているのではなく、例えば誰かが何かを長々と説明した後、それを理解しているか、自分にできそうか、などを聞かれているのです。

「オッケー、理解した。できそう」なら "I'm feeling good!" とかそういうふうに返せばいいんですが、「うーん、いや、どうだろう」って時に感情を表す形容詞が必要になってくるわけです。

アメリカでは自分の感情を表す機会も多ければ、英語にはそれを表す言葉もたくさんあります。日本語にはなかなか訳しにくいなぁ(なぜならそういった感情を日本語で、日本で、認識したり表現したりする機会がないため)という言葉をここでいくつかご紹介します。


"comfortable"

そのままに日本語に訳すと「快適な」といった意味になりますが、仕事上で "I don't feel comfortable." と言われると、何か腑に落ちないとか、抵抗感があることを表しています。自信がないからできない、など、自分の能力内で無理なくこなせる仕事ではないということです。逆に、「期限には余裕で間に合うぜ」なら "I feel comfortable!" ですね。


"overwhelming"

同様に仕事において、overwhelmingかどうか、というところも気にしてあげたいポイントです。これは「圧倒的な」といった意味ですが、情報量が多い、仕事量が多い、キャパオーバー、無理っすーといったニュアンスですね。


"judgmental"

これは「批判しがちな」とかそういう意味なんですが、要するに、人に対して良いや悪いなどの批判的な目で見ている状態を表します。自分に対しても "I'm judging myself." のような使い方をします。「あー、あれはよくなかったなー」みたいな感情ですね。

例えば、「家に帰ったらソファでアイスを箱のまま食べながらNetflixでドラマを binge watching ("binge" は暴飲暴食の意味なので、そこから「一気見」の意)するのが好きなんですよ~。あ、Don't judge me! 」てな使い方ですね。


"vulnerable"

これは一般的なビジネスの環境では使わないかもしれませんが、私が演劇学校でよく耳にした言葉で、かつ、日本ではまったく見たことも聞いたことも使ったこともなかった言葉なので、ご紹介したいと思います。

そのまま訳すと「脆い、傷つきやすい」です。芝居をやっているときはvulnerableの状態になることがよいとされます。つまりは自分をさらけ出す、完全無防備の状態になる、といった感じでしょうか。

芝居においてはいろいろな言動を人の見ている前でやるわけです。自分だったら普段やらないような恥ずかしいことや、言いたくないことも台詞として言ったりします。そういったときに飾りもせず、ごまかしもせず、ありのままのむき出しの感情をさらけ出す。舞台では大の大人が泣くことだってわめくことだってあります。自分に対して批判的な目を向けず、周りがどう思うかを気にせず、感情のままに行動する、これが芝居で求められていることです。vulnerableになることは難しい。自分をさらけ出すというのは怖いものです。その練習をこちらの演劇学校ではしっかりさせてくれました。


このようにアメリカでは、自分の今の気分や感情を聞かれることがよくあります。(ちなみにこんな感じで「調子はどう?」と聞くことを "check in" と言います)

日本ではあまり自分の感情について話す機会は多くないと思うので、慣れないとなかなか言語化するのが難しいです。ですが、こういったことをきちんと自分の口で伝えることは非常に重要で、人との関係性や信頼性を構築していく上では不可欠です。いつも "I'm feeling good!" しか言わないやつはなかなか心から信頼しづらいですよね。

自分の感情を、感情的になって伝えるのではなく、きちんと明確に、相手に伝わるように説明する。いつもpositiveな感情しかないわけはないので、negativeな感情も相手とシェアしてもいいのです。ただ、それをnegativeな言い方や態度で伝えないこと。多少はうまく言えなかったとしても、"Am I making sense?" というふうに聞けば、「なんとくわかる気がする!」とか相手も頑張って理解しようとしてくれます。

そこがアメリカのいいところだと私は思います。


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