河原梓水

福岡女子大学国際教養学科准教授。 日本のサドマゾヒズムとSMの研究をしています。『奇譚…

河原梓水

福岡女子大学国際教養学科准教授。 日本のサドマゾヒズムとSMの研究をしています。『奇譚クラブ』など雑誌の分析がメインです。 論文はこちらで読めます→ https://researchmap.jp/7000013338 Twitterでは研究余滴を→ @kawahara_azumi

マガジン

  • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します

    京都大学で2020年10月24日に行われたシンポジウム「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」に対する学術的問題点について書きました。全部で6本あります。①をまず読んでいただければ、どこから読んで戴いても大丈夫かなと思います。長文で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

最近の記事

京大・緊縛シンポ 主催者からの応答

はじめに2021年1月に、2020年10月に京都大学で開催された「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」というシンポジウムの問題点を指摘する記事を、noteで6本公開いたしました。 緊縛シンポは、主催者がYoutubeで配信したシンポ動画が、1件の「苦情」に基づき削除された、と広まったことによって、「学問の自由」への侵害、「緊縛は女性蔑視か否か」という論点で「炎上」することとなりました。 私がnote記事で述べたことは、以下のような内容でした。記事内容から転載させていただきま

    • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します⑥研究者の上から目線

      1.緊縛シンポの「炎上」対応について 緊縛シンポは、「これが学問か」、「女性蔑視」といった市民からの声に対して、「不愉快な思いをさせて申し訳ない」と謝罪し、その批判が来たとされる日(2週間が経過する1日前の11月5日)のうちに動画を公開停止しました。 ウェブ上で多く指摘されたように、この謝罪の仕方は、緊縛はやはり隠しておかなければならないもので、研究の対象にふさわしくない、といった偏見を強め、スティグマ化を強化するものです。非常によくない対応であったと思います。 出口氏に

      • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します⑤出口康夫氏報告&座談トーク

        さて、これまで縷々述べてきましたが、本記事では最後の報告、主催者である出口氏の報告内容と、「座談トーク」として設けられた議論の場を検討したいと思います。 出口氏の報告は、シンポの3報告の中で唯一、学術的な内容をもっていました。そのために、以下述べることは、私から出口報告への学術的批判であって、私の考えが一方的に正しいと主張したいわけではありません。先行研究を批判するようなものと理解していただきたいと思います。加えて、出口氏の報告は哲学の報告です。私の専門は歴史学ですので、こ

        • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します④吉岡洋氏報告について

          本記事では、緊縛シンポ第2報告、吉岡洋氏「縄と蛇」について短く取り上げます。本記事で言いたいことは、シンポ登壇者の1人・吉岡洋氏は緊縛研究会のメンバーではなく、緊縛を研究したことはない、ということです。 1.吉岡洋氏報告「縄と蛇」について 第1報告のY氏・F氏報告は、先行文献を剽窃していたうえ、その文献が、アメリカの縄師によって書かれた正確ではない内容であり、学術的どころか、偽史を作り上げ流布させる、有害な報告であったと言えます。 第2報告の吉岡洋「縄と蛇」(広報されて

        京大・緊縛シンポ 主催者からの応答

        • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します⑥研究者の上から目線

        • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します⑤出口康夫氏報告&座談トーク

        • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します④吉岡洋氏報告について

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        • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します
          7本

        記事

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します③F氏報告パート:緊縛の戦後展開について

          本記事では、引き続き緊縛シンポの第一報告「緊縛入門ミニ講義」のうち、F氏が担当した後半部分をとりあげます。本記事で言いたいことは以下の2点です。 ①シンポでは、緊縛は本来歌舞伎や新派演劇などの舞台芸術に属するものであったが、戦後のSM雑誌ブームを通じてSMの一部として見られるようになった、という史観が提示されたが、これは誤りである。さらに、芸術としての緊縛を上位に、そうではない、SM的要素を含む緊縛を劣位に置くもので、後者への偏見を助長する危険がある。 ②緊縛の歴史を非専

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します③F氏報告パート:緊縛の戦後展開について

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します②剽窃について

          本記事では、私が出口氏に送った批判内容のうち、わかりやすい問題である剽窃について説明します。本記事でいいたいことは以下の3点です。 ①Y氏・F氏報告は、マスターK著『緊縛の文化史』(すいれん舎、2013年)からの全面的参照(剽窃)で成り立っている。 ②『緊縛の文化史』は学術書ではないため、内容に誤りを多く含む。そのためシンポで説明された歴史パートも同様に多くの誤りを含み、結果的に緊縛の歴史に関する偽史が世界に流布されてしまった。 ③緊縛シンポでは、緊縛の起源を武士文化と

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します②剽窃について

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します①ことの始まり

          はじめに はじめまして。日本のサドマゾヒズムとSMを研究している、福岡女子大学国際文理学部国際教養学科講師の河原梓水(かわはらあずみ)と申します。専門は、日本史、歴史学です。 昨年11月、シンポ動画の取り下げをめぐって「炎上」した、京都大学主催シンポジウム「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」(2020年10月24日・京都大学吉田キャンパスで開催。以下、緊縛シンポ)に関して、私はシンポへ批判文を送った者であること、そして、この件について適切な発言ができるのは日本で私のみであろ

          京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します①ことの始まり