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「営業職」にさよならとありがとうを

営業職って、どんなイメージですか。

「営業」でネット検索すると、「営業 きつい」「営業 つらい」「営業 辞めたい」など…ネガティブな言葉がずらずらと並びます。

たぶん、一般的なイメージはきっとそうなんだと思います。就活生のころも、「営業職だけは絶対にイヤ!」とものすごい分厚いガードがある人、たくさんいました。感覚的には、知り合いの半分くらいかな。

「就活では避けて当然」
「営業職に運悪く就いてしまったら辛くて当然」

そんなレッテルを感じつつ(言われつつ)、案外そんなこともないのになぁと思いつつ、気づけば新卒から丸5年間、ずっと営業職で働き続けていました。

が、ただいま新卒入社して6年目の春、今期から私の営業としての仕事量は半分以下にセーブされることとなりました。

もう半分の仕事は新しいことをやります。部署異動ではないものの、プチ社内転職というか、職種変更という感じ。

「30歳までに会社を卒業する!」という人生計画的に、多分これが最後のキャリア。(と、思いたいです。)

そう考えてみると、新卒からはじめてのキャリアとして丸5年続けてきたこの営業という仕事が、急に愛おしくなったり、振り返ってみたくなったりするもんで笑…この記事を書くに至りました。

皆さんが「営業職はきつい!つらい!自分には向いてない!」と決めつけてしまう前に、ふと立ち止まってもらえるきっかけになれば嬉しいです。

「コミュニケーション能力が高い人」
「稼ぎたい意欲が強い人」
「会話する仕事が楽しい人」
「お客さんからの感謝が仕事の一番の励みだと思う人」

いずれも「いわゆる営業マン」なイメージですが、私は正直どれも当てはまりません。

「コミュニケーション能力に乏しい」
「インセンティブがなくとも、稼げなくてもそんなに気にしない」
「会話よりテキストコミュニケーションのほうが安心する」
「お客さんの感謝や結果より、会社という環境でタダで学んで自分の将来に活かせるかが大事」

そんなぼっちで独りよがりな性格の私が、なんで営業だったのか、何がよかったのか、改めて立ち返ってみたいと思います。

※記載はあくまで私の体験に基づくものであり、営業職は販売するものやお客さんにより千差万別ですのでご注意ください



就活生時代:苦手から逆算した営業職志望

「ぼっち」とペンネームにつけるくらいには、私は対人コミュニケーションが苦手で、「人とのおしゃべりが楽しい!」というようないわゆる営業タイプとは真逆でした。ちなみに大学の同じ学部で友達は1人も作ることができませんでした笑

ただ、将来独立すると考えた場合、どうしても「人に提案する、交渉する、相談する」場面は出てくるはず。きっと、将来の仕事で役に立つベースになると思ったから、営業職を受けました。

加えて、私は算数が致命的に苦手です笑。営業だったら、嫌でも数字は見るものですし、分析するものですし、管理するものでもあります。そうでもしないと自分自身が数字から逃げちゃうと思ったので、嫌でも数字に関わる営業という仕事を選びました。

一見ネガティブな理由でしたが、そんな理由だからこそ、苦手な分野の壁が立ち塞がっても自分で選んだ茨の道。「克服しよう」と続けてこれたのかもしれません。

今でもなお、ついつい苦手分野は迂回しようとしてしまいがちなので、「コミュニケーションから逃げない」「数字から逃げない」というのは肝に銘じて生きています。1日1回は心の中で逃亡しようとしているんじゃないかなぁ笑。その度に引き留めています。

どんな仕事にも「我慢する」「耐える」瞬間はあるもの。そんな時、苦手から逆算した仕事選びをしておくと、「耐える大義名分」ができるので、案外心折れず乗り越えていけるもんです。

そんなこと言っておきながらたくさん泣き言も言いましたし泣きましたが笑、それでも自分の将来の役に立つと信じて、続けてこれてよかった。



1年目:自分の書いた原稿がそのまま世に出る喜び

と…ここまではただ営業がきつくて辛そうという記事になってしまうので笑、そうじゃないお話を。

私は新卒1年目、求人広告営業のチームに配属となりました。

これは、企業規模によって様々だと思いますが、求人広告は営業マンが提案し、受注のうえ、原稿作成も取り組むケースが比較的多いです。私の所属する会社もそうでした。

新卒1年目ほやほやの22歳Web素人が、「求人のプロ」として提案し、取材に行き、原稿を書き、求人メディアに掲載される…

私は「自分が作ったものを世に出したい」と思って広告業界に入りましたので、こんなに早々に「広告」が世に出るとは…夢があっけなく叶ったことに驚きつつ、満足感と責任感を感じる日々でした。

「公開」ボタンひとつで世に発信されたはじめての自分の求人原稿は今でも覚えています。

もちろん広告が世に出たうえで、効果(求人だったら応募数最大化)が出るのかが重要。

まだまだここからですが、その第一歩を1年目で体験できたことがよかった。

そこまで規模の大きくない会社や、なにかと回転の早い求人広告会社は、提案から作成まで営業が全部担当するケースも結構あるのではないかと思います。営業だけじゃなく一通りやってみたい人には、求人広告業界もおすすめ。



2年目:提案は高度な思考パズル

私が2年目になるころ会社の方針は、自社メディアの販売だけでなく、他社のメディアや運用型広告も含め、幅広く提案していきましょうという方向性になっていました。

急に広がったたくさんの商材。先輩をうまく頼って同席してもらい、自社メディア以外もどんどん受注していく同期。

遅れをとる自分に焦りを感じましたが、転機となったのは、急遽行くことになった初めてかつ1人の他社メディア提案

初めて使う媒体資料を行きのバスで読み込み、自力で解釈して、マーカー線を引いて…泥臭くて拙い提案だったかもしれませんが、お客さんはある程度納得感をもって検討してくれました。

その後は、同じように需要が発生したら土壇場でその商品の知識を必死に覚えて、伝えて…の繰り返し。

最初は怖くて仕方なかった新しい商材の提案ですが、「このお客さんにはAが合いそう、Bと組み合わせられそう」と、「需要に合わせて組み立てる」ということができるようになるにつれ、やりがいを感じていました。とっても上質なパズルを組んでいる気分です。

ただ、そのパズルはお客さんの納得感あってのもの。「どういう理由があるからこの商材を今やった方がいいのか?」という問いは答えがないですし、企業によって大きく異なると思いますが、それを考え続け、伝え続けることが、私にとっての営業の楽しさでした。

もちろん、その問いの答えがお客さんにとっての間違いだったことも多々あります。でも、それも含めてたくさんのパターンを自由に提案できる環境があってよかった。

たくさんの商材を揃えてくれた会社と、自由に放り出してくれた環境に感謝です。



3年目:希望は口に出してみるもので

丸2年、求人営業を経験させてもらったところで、もともと「いろんな部署のいろんな仕事を経験して会社を卒業したい」と思っていた私は、3年目の春から販売促進分野の広告営業となりました。

実はこれ、1年目から「あっちの仕事もいいなぁ」と言い続けていたこと。しつこく言い続けたら、叶えてくれたりするものです笑。

そして、異動したての最初のミーティングにて、「オンラインもオフラインも、どっちも経験できるような案件をやってみたい」と伝えると、そういった案件も担当させてもらえることとなりました。これは当時のマネージャーとリーダーに感謝。やはり、希望は口に出してみるものです。

そこからはもう、とっても大変でした笑。
新しい商材、新しい分野、新しく関わる人たち、しかも、オフラインもオンラインも〜なんてミックスした複雑な案件もあり………

これまで一匹狼のような営業をしていた私は、日々先輩に同席してもらい、添削してもらい、修正してもらい、フォローしてもらうようになりました。

180度変わった営業スタイルに戸惑うこともありましたが、このグループのなかで1番下っ端ということを自覚し弟子入りするような感覚でとにかく勉強させてもらっていました。

1人で原稿作成までやろうと思えばできてしまう求人広告と比較して、そうも行かないのが販促広告。

運用には運用の、制作には制作の専門家たちが揃っています。

先輩方がするすると各所調整しているなか、コミュニケーションの壁は社内にも立ちはだかるということを、3年目にしてやっと実感しました。

ほんとうに報連相は難しいし、今もまだ下手くそだけど、「まず誤字脱字をしない」「まず検索したら分かることは自分で調べておく」「自分がどう思うかの意見をもつ」という、結構当たり前なことを強く意識したら、ちょっとはマシになったような気はします。

実は、このグループに異動したいと思った理由は、「営業にいながら運用と制作のスキルも隣で見て盗んでいけそうだから」でした。

だから、たとえコミュニケーションコストがかかるとしても他部署と関わることは大事だし、コミュニケーション前の「まず調べておく」「まず考えておく」蓄積や習慣は、運用や制作の知識をかじりたい身として、本当にためになりました。

本当に販促営業グループに異動できて、面倒見のいい先輩方にお世話になれて、運用や制作のやっていることを多々覗かせてもらえて、よかった。



4〜5年目:営業職が結局1番クリエイティブだったりする

コロナ禍を経て気づけば丸3年、この販促営業のグループに所属しています。

営業の先輩を見て、運用チームや制作チームを覗き見して、最近思うのは「営業が結局1番クリエイティブでは?」ということ。

私の会社の場合、案件を受注したらそこからのページやバナーの制作は制作担当へ、Web広告運用は運用担当へ、ある程度バトンタッチするかたちになります。

逆に言えば、受注する前の「どんな企画がいいか?」「どんなものを作って何を伝えたいのか?」「どんな広告配信がしたいのか?」はほとんどの場合、営業とお客さんで一緒に考えるケースが多いのです。

もちろん、制作や運用も頼ってOKなわけですが、提案段階の全ての案件に工数を割いてもらうわけにもいかず。よっぽど大きな案件以外は、営業側で考えていると思います。(この辺はたぶん所属会社規模によって変わりそうですね)

この「0→1にする」という仕事、たぶん究極のクリエイティブであり、大変難しい。 


私がどんなに時間をかけても思いつかなかったことを、さらっと先輩が思いついてしまうことや、

自分の案はちっとも通らないのに、上司の意見はお客さんも社内も納得していくこと、

お客さんから面と向かって「なんか惜しいんだよね」と言われたこと、

どっちかというと私が「1」にしようと考えてみた結果は、うまくいかないこと、ショックを受けること、嫉妬することばかりです。

これは5年間営業をやってもほんとうにまだまだなんだなぁと日々思うところ。

でも、結局自分の提案は自分が考えるしかないわけですし、なんてったって、「自分が作ったものを世に出したい」と始めた仕事。そんななかで1から作る仕事に携われているわけですから、文句はないですね。

やってもやってもまだまだ深い、営業というクリエイティブな仕事に携われてよかった。


そしていま

ここまで「営業嫌い!早く異動したい!」とアレルギーになることなく、
いま、名残惜しいと思いながら営業職を半分卒業すること、大変嬉しく感じています。

ちょっと寂しいですけど、それだけやりがいのある仕事をいろんな面から知り、いろんな人から学び、いろんなやり方を試せたこと、ほんとうによかったと思っています。

私のファーストキャリアが営業職でよかった。

…とはいえ半分はまだ卒業せず、既存のお客さんを担当しますし、もう半分の新しい仕事は未経験すぎて学ぶことが山積みです。

ここで一区切りつけている場合ではないのですよね笑。


まだまだ長い社会人人生、新卒5年間で学んだことは無駄じゃないと信じて、これからも精進していくのみです。



おわりに

案外世の中、「テレアポ!気合い!お客さんに感謝!」みたいな営業職だけじゃありません。

コミュニケーションが苦手でも、計算が苦手でも、「会社でタダ勉強したい」みたいな目的でも笑…
その会社や業界でやってみたいのであれば、まず営業職で学んでみるのもありなんじゃないでしょうか

きっと関わるあらゆる部署から、お客さんから、学べるものや盗めるものはたくさんあるはず。

就活中の人、転職中の人、新しく営業配属になった人、いろんな人がこのnoteという村にいるのだと思いますが、みなさんそれぞれが自分の仕事をやってよかったと思えますよう


素敵な新年度をお迎えください。

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