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夢日記1 マイペース

長く、長く散歩をしていた。
地元をグルグルと歩き回り、辺りの日は落ち、そろそろ帰ろうかと帰路に着いた。

「おい、ちょっと待てよ!ここを通りたきゃ通行料払えよ!」
「は?」
「それが嫌なら俺たちを倒してけよ」

いつも通り何事も無く、ただ普通に帰れると、そんな事も思わない程に平凡な日々。
今日だけはそうもいかないらしい。
見るからにヤンチャそうな青年が私の前に立ちはだかる。続々とヤンチャ仲間が集まってくる。
何の足止めか、カツアゲだ。初めての経験に私はニコリと笑った。

「嫌だなぁ…今手持ちも無いし、帰ってる最中だったから疲れてて倒す気力も無いんだよね」
「じゃあどおすんだよ!」
「こうする!」

私は青年たちに近づき、目と鼻の先まで行くとそのまま座り込んだ。

「え?」
「流石に疲れてるから休憩してから行動に移す!」
「え、え?お、おう…?」

私の行動はあまりにも予想外だったのか、青年たちもしどろもどろに顔を合わせるとちょこんと座り込んだ。
いや、青年たちも座るのかと思いつつ、笑顔を継続する。

「君たちいつもこんな事してるの?普通に迷惑だしやめた方が良いよ〜」

ヘラヘラとしながら軽〜く青年らを促す。あわよくばこのまま何事も無く解放されないかと欲をかきながら話を続ける。

「そんな事より好きなアニメとか漫画とか無いの?オススメはね〜」
「…」

突拍子も無くコロコロと変わる話題。ペラペラと喋り続ける私に一同はポカーンとなり、何も言えなくただ私の話を静かに聞き続けていた。

たくさん一方的に話続け、気づけば1時間くらい経っていた。
大変だ、そろそろ本当に帰らないと。
もうすぐ暗くなってしまう。

「さて!」
「お、やっとか!!」

私が立ち上がると青年らも目を輝かせて立ち上がった。

「金無いって言ってたもんな!喧嘩だよな!俺らの相手してくれんだろ?」
「じゃ、私はここじゃない道から帰るよ!」
「は???」
「ほら、座って喋ってかな〜り体力回復したから別の道から回り道して帰ろうかなって…喧嘩したくないしお金無いし」

「じゃ、楽しかったよ、ありがとう〜」
そう言って私は別の道へ行こうと踵を返す。

「いやいやいやいや、マジで待てって!」

最初に絡んで来た青年が私の後を追いかける。そんな青年を無視して私は別の道へと歩を進めた。
横目で見た青年の仲間らはただただ唖然として立っているだけだった。

「なぁなぁ、こんな事されたの俺、初めてだ!お前面白い奴だな!」
「何処まで着いてくるの」
「いいじゃんかよ!帰るだけだろ?この〜!」

いつまでも着いてくる青年にため息を吐くとプニっと頬をつつかれる。
何故こんな事をされてるのか、ついさっき会ったばかりなのに馴れ馴れし過ぎないか?いや、ベラベラ話し込んでいた私が言えたことでは無いのか?
そんな事を考えながら変わらず歩を進める。



おはようございます。

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