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【頭だけでも富士山(山エッセイ)】

秦野市は神奈川県の岳都とも言うような場所で、大山のお膝元。市内は四方を山に囲まれた地形なのでどこを見回しても山が見える。山好きにはたまらない。ヤビツ峠に続く道もあり登山客がよく訪れる場所でもある。

秦野市の南側にある渋沢丘陵は、丘陵の名の通り山ではなくて丘だが眺めが綺麗で駅からのウォーキングコースもある。丘の上から丹沢の山を眺めたり、山に囲まれた秦野市街を一望できて景観も良い。

途中、関東大震災でできた日本で一番新しい湖の震生湖も見物できる。震生湖は丘の谷間にある静かな湖で、釣り人たちがよく釣り糸を垂らしているのを見掛ける。

渋沢丘陵は場所によって相模湾まで展望が開けているので、歩くのがとても楽しい場所ではある。富士山方面はちょうど高い山が邪魔をしているので残念ながら見えない。

と、思っていたが冬のある時に渋沢丘陵を歩いていると、富士山の頭だけが山の向こうに見えるのに気が付いた。

渋沢丘陵の同じ道は何度か歩いていて、富士山は見えないものだと思い込んでいた。富士の頭が見えた時は嬉しかった。頭だけでもしっかり富士山とわかるあのフォルム。

やっぱり富士山の魅力はすごい。
こうして頭が見えただけでもうれしくなる。

頭だけでも富士山。


また新しい山に登ります。