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空を見渡す

今の土地は田舎と都市の間、といったところだろうか。基本移動は自家用車、何をするにも選択肢が少なくさらには徒歩や自転車圏内で済まないことも多い。かようにいろいろなことの距離が遠い分、人と人の距離が近く「善意」に頼っている働きが多い。

私は都会にずっと暮らしてきた。仕事も全て都会だった。よって移動は全て公共交通機関であり、免許をとってまだ数年だ。ほとんど身分証明書としてしか使ってない。。そんな状態で、「18歳になったらすぐ免許とって運転が当たり前の熟練ドライバーたち」に紛れて運転するのは度胸がいるのだ。熟練ドライバー向けの道や駐車場だらけだもの。。

離れてみて気づいたことは、様々なことの選択肢が都市部には猛烈に多かったということだ。建物やお店、学校、習い事、教養、そして人々も。今は、あれがやりたい、これがやりたいと思っても、物理的に遠い(結局都市部に出ないといけない)。

一方で、都市部にいると密集した感じに息苦しくなることもあるものだ。人と人の距離が物理的には近いけど、遠い気がする。人数が多いんだからかたっぱしから近くなってたら疲弊してしまうもの。一方、今は空間に適度な余裕がある。建物もなんとなくゆったり立っている。秋になると虫の声に囲まれながら過ごせる。いろんな鳥がいたり、虫がいたり。空気がどことなく色づいていて四季の変化も感じる。ま、どこに住んでも文句の一つは出るものであるよ、とも思うのだ。

そして一番気に入っていることは、空を見渡せること。建物が低いから、特別な場所に行かなくても空を見渡せる。夕暮れ時の空の繊細な変化もよく見れる。明かりはそれなりにあるから見える星の数はそこまで多くはないとしても、月も、惑星も、星座も、簡単に探せる。ついでに宇宙ステーションきぼうもよく見れる。

空を見渡せることは私にとっては思いの外大切だった。小さい頃からよく見てた。面白い雲の形を見つけたり。上空に筆で書いたみたいな巻雲とかも好きだった。そんなことを思い出した。

いずれまた引っ越すことになるとは思う。振り返ったとき、空間に余裕があるのはいいことだった、って思うだろうな。ゆったり立ってた建物や家屋、虫の声、広い空、緑、いろんなことを思い出すだろうな

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