薄情な娘ですけど、なにか？
夜の始めになり母から電話があった。
夕方、父が救急搬送されたという。
転んで頭を打ったらしい。
今までずっと検査をしていて
やはり開頭手術となったという。
母からどうする？と聞かれて
今日は無理！と答えた。
正直、自分の事でいっぱいいっぱいで
優しさのカケラもないけど
も〜無理っ！と
今日は何回心の中で叫んでいただろう。
でも、それが本心だった。
父はこれまでに
少なくとも３度は死にかけている。
その度に幸いにも生還し
普通の生活に戻っている。
ああ、また…という気持ちと
もう振り回されたくないという気持ち。
本当に薄情な娘だと母は思っただろう。
でも本当に今日は無理なんだ。
「静かに平穏に暮らしたい。」
かつて父に振り回されていた母が
言っていた言葉だ。
今日は私も言いたい。
この２週間人の為に自分の力を使い尽くし
やっと休暇だという日の前の晩なのに。
私、何か悪いことした？
何かバチが当たるようなことしてる？
私が間違ってるの？
何もかも投げ出したくなった。
誰の手にも届かない所へ隠れてしまいたい。
そんな衝動と
いやいや、待て待てという気持ち。
自分の心に無理をさせて
３時間の道のりを行き
夜中に辿り着いたとしても
きっと親を責めてしまう自分がいる。
だからニュートラルな自分
自分の心に素直な自分でいよう。
自分の罪悪感と薄情さに驚きつつも
なぜか心の平穏を感じる夜なのだった。
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