見出し画像

走らないトレーニングで強くなる-クロストレーニングのススメ

バイロンベイからこんにちは。WRNのマロンです。

前回の楠選手との対談で、クロストレーニングの話題に少し触れましたが(楠選手はメンタルトレーニングと練習状況に応じて、ウエイトトレーニングをクロストレーニングとして取り入れている)クロストレーニングとは一言でいうと、自分の専門のスポーツ以外のトレーニングのことです。最近、ランナーの方は水泳だったり、サイクリングを取り入れている方が多いように感じられます。活用の仕方は人それぞれだと思いますが、ランニングから生じる足への強い衝撃を避け、自分のパフォーマンス向上に役立てたい人、自分のスポーツにフォーカスするための気分転換や息抜きとして利用する人、さまざまだと思います。今回は、ランナーのためのクロストレーニングのススメと題して、おすすめのクロストレーニングを有酸素、可動域と柔軟性、筋力トレーニングの3つに分けて紹介していきたいと思います。

足への負担を考慮した有酸素トレーニング、スイミング/サイクリング
スイミングは取り入れる人が多いイメージです。多くの酸素を一瞬で身体に取り込まなければならない水泳は心肺機能向上にはもってこいですよね。僕は現役時代、アクティブレストとして水泳を取り入れていたことがあります。というのも、水中にいると水圧のおかげで血流が良くなり筋肉がほぐれ激しいトレーニング後の血中の疲労物質の改善が促進されます。泳げない人でも浮力のおかげで重力のストレスから一時的に開放され、リラックス効果があるので、アクティブレストとしての水中ウォーキングだけでもおすすめです。

サイクリングも同様、足への負担を避け有酸素、無酸素を鍛えることができるクロストレーニングの一つです。最近は、ほとんどのジムにバイクがあるのでロードバイクを持っていない人でも取り入れやすいと思います。サドルの高さは全身の体重をペダルに乗せることができるポジション(股関節の大きい筋肉を使えるポジション)、サドルに座って踵をペダルにあわせたときに膝が伸び切るポジションで、サドルの前後の位置は同様に座った際、膝の位置が足の重心の真ん中(つま先と踵の真ん中)にくると良いとされてるみたいです。

メンタルのリラックス効果、気分転換にも、ヨガ/ピラティス
ヨガは関節や可動域の広げ筋肉の柔軟性を高められ、ピラティスはインナーマッスルを常に意識して動きの質を重視し、自分の背骨や骨盤を正しいポジションを意識することで、普段取り入れているランニングドリルなんかでもポイントを意識しやすくなるのではないでしょうか。また、両方に共通している部分として呼吸を意識しリラックスするということがあります。普段の練習や仕事から気持ちを一旦リセットする役割として取り入れるのもありかもしれませんね。


量より質、まずは正しいフォームで、ウエイトトレーニング
ウエイトトレーニングは、ランニングエコノミー(走りの経済性)向上、怪我予防を目的として取り入れているランナーの方が多いのではないでしょうか?自己流でやっている方、トレーナーについてもらってる方それぞれだと思いますが、まず、大前提として正しいフォームでトレーニングできているかが大切になってくると思います。スクワット一つにしても正しいフォームで出来ていないと股関節周りの大きな筋肉をつかって重さを持てる感覚が掴めません。まずは量より質にこだわることをおすすめします。そうすることによって普段のランニングでもどこに自分の身体のポジションを持っていったら力が一番地面に伝わるのか、という部分が理解しやすくなってきます。ですので、初めてウエイトトレーニングを始める方は、まずプロの方に数回見てもらい、自分でトレーニング目的を理解することをおすすめします。理解してトレーニングに慣れてきたら、シングルスクワットやシングルのルーマニアンデットリフトなどの片足でのトレーニング、クリーンやスクワットジャンプ、バウンディングなどのパワー系のトレーニングも取り入れていきたいですね。走りは上半身との連動、足だけで走ってるわけではないので、上半身のトレーニングも忘れずに、自重で懸垂出来るくらいの筋力は最低限欲しいところです。もし、自分で理論的にバーベル、ダンベルでのトレーニングを学んで見たい方にはこちらの本(図1)をおすすめします。アメリカで最も有名なストレングスコーチの一人であるMark Rippetleのベストセラー書籍です。力の使い方や解剖学など非常に細かく解説されていて読みやすく理解しやすいです。


図1 スターティングストレングス Mark Rippetoe

ちなみに僕は今、100mで10’84を切りオーストラリア選手権出場を目標にトレーニングしているのですが(現役時代は中距離選手でしたが、やっぱり100mは陸上選手の夢です笑)、自分のクロストレーニングとしてウエイトトレーニング(気分転換にたまにサーフィンも)を取り入れてます。家の車庫スペースにホームジムを作ってしまうほどの気合のいれようです(笑)(図2)

図2 ホームジムでウエイトトレーニング

自分が出来る範囲でバランスを考えて
クロストレーニングの種目や頻度、強度ですが、自分がやりたいことを出来る範囲で行うのが一番良いと思います。怪我が多い人、怪我をしてる人はまた状況が変わってくると思いますが、あくまでメイン練習があってのクロストレーニングですので、メインとのバランスを考えながら取り入れてみてください!

最後、参考までに、アメリカのプロランナーのALLIE OSTRANDERが有酸素系のクロストレーニングを自身のYoutubeにて、実際に使っているボリュームと強度の方式、実際に行っているメニューを上げていたのでシェアしますね。



ALLIE OSTRANDER

Youtube はこちら
HOW TO CROSS TRAIN || cross training tips for runners

◯クロストレーニング ボリューム

走りたい距離 X 10 = クロストレーニングの時間

例 10km x 10=100分

◯クロストレーニング 強度
(実際の走りのトレーニングに出来るだけ近づける)

EASY ランでの脈拍 = クロストレーニングでの脈拍

ハードな日
坂道のインターバルを90秒で行う場合=バイクの負荷を高負荷にし、回転数をおとして、90秒間でインターバルを行う

◯ALLIE OSTRANDER選手が実際行っているメニュー

◯エリプティカルマシン
6分-5分-4分-3分-2分-1分
設定=最大脈拍の85%
リカバリ=最大脈拍の65%で実施した分数

2分x8セット
設定=HARD
リカバリー=2分

◯バイク
60秒x10-15本
設定=高負荷、低回転数になるように設定し、心拍数が高い状態をキープする

5分テンポ-3分スタンディングで高負荷-1分スプリント-1分ゆっくりx4-5

◯スイミング
100m-200m-300m x 5
リカバリー=100m



それでは
Peace out ✌

バイロンベイにて


WORLD RUNNING NEWS™️
マロン・航太•アジィズ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?