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【うつ病は筋トレしろ VS それができりゃ苦労しねーよ】論争の解決策

Xで闘病垢などやっていると、目に入る話題は自然とメンタルヘルスに寄っていく。症状や自身の境遇を嘆く声が大半だが、中にはライフハック的な内容を発信する人もいる。

そのうちの1つが、タイトルにも書いた
【うつ病は筋トレしろ】論である。
有名なテストステロン氏や、メンタルに寄り添う感じのアカウントたちは、よくこの話をする。
筋トレをすることで鬱は改善される(治る)!!という話だ。

筋トレは極端な表現で、その間には
【うつ病の人は散歩しましょう】
【スクワットしましょう】

なんてアドバイスがゴロゴロある。
前者は日の光を浴びることでセロトニンが云々、後者は体の中で最も大きいハムストリングスを云々という根拠があるそうだ。
食事・睡眠をちゃんととりましょう、というアドバイスもセットになっていることが多い。
確かに、筋トレは体にいいし、日の光を浴びるのも効果的だし、食事や睡眠を整えれば調子もよくなる。

しかし、うつ病の人たちはこのアドバイス群に違和感を覚えるだろう。
かくいう僕も気分障害系の精神疾患なので、言いたいことはよくわかる。


それができりゃ苦労しねーよ

というのが、うつ病や気分障害当事者の本音だ。

こちとら病気のせいで、時には起き上がるのもしんどいのだ。
起き上がれても、少し歩いた後、冷たい床に死体のように横になってしまうこともある。ふとした拍子に座ったら立てなくなり、小一時間魂が抜けることも珍しくない。

そんな人間に筋トレ散歩食事睡眠とか抜かすのは、そもそも論外なのだ。
缶詰の中の缶切り状態である。

それができりゃ、うつ病なんぞになってない。
バナナが良いと聞いて買ってはくるが、食べるのがおっくうになって腐らせるのがうつ病なのだ。

そんな人間に継続的に筋トレなど、無茶ぶりも良いところである。

僕の場合もそうだ。
勢いがある時は食事をとることもできるし、睡眠もちゃんととることもできる。しかし、あくまでそれは一時的なものだ。

トレーニングに関しても、やれている時期にドヤって記事を書いたりしたが、現在は頓挫している。

ランダムなエネルギーの突出で出来る時期はあっても、だいたいの期間はしぼんだ風船のように生きているのが、うつ病を含めた我々気分障害人間だ。

筋トレに散歩に食事に睡眠?
ふざけるなこのスカタン!!

というのが、包み隠さない本音である。

ちなみに気分障害の人たちには、各行動に見えないステップがある。
例えば散歩では
  ①起き上がる
 ②外に出られる服を探す
 ③着替える
 ④ドアを開ける
 ⑤人目に耐えて歩く

これだけの膨大で困難なタスクをすべてこなさないと完遂できないのだ。
見えない家事ならぬ見えない散歩である。
屁理屈だなぁ、と思ったので、この話はここまでにするが。。。

しかし一理ある

一方で、食事や睡眠を整えて体を動かすのはメンタルにもいい、というのも間違いなく事実である。
効果があるから、一定の人たちが絶えず提唱するという点は見逃しがたい。僕も食事や睡眠、運動を出来た日は気分よく過ごせていたし、体を動かすことでメンタルまで上向いてくる感覚は知っている。

しかし、一日か二日は出来たとしても、それを継続できないのが問題なのだ。

思うに日常的に体を動かせる人は、うつ病患者の運動がどれだけビッグイベントなのかを知らないのだ。カビのように生きている人間にとって運動というのは、それこそ一大決心が必要な行動なのだが。

一方でメンタルを病んでいる人たちは、体を動かす程度のことで消耗しすぎとも言える。筋トレを始めるのに、いちいち決心をしているようでは、三日坊主以下で終わるのが関の山なのだ。我ながら頭が痛い話だが。

とどのつまり
【うつ病は筋トレしろ VS それができりゃ苦労しねぇ】論争というのは

・筋トレを習慣化できる人のポジショントーク
・メンタルを病んだ人の腰の重さ

この2つの熱いせめぎ合い、というのが個人的な結論だ。

メンタル病んだ人間が精神論だけで毎日筋トレするのは無理
しかし、筋トレや運動はメンタルに良いのも事実

ではどうしたらいいのか。

結論:気負わない程度に運動する


僕を含めた妙に腰の重い人の特徴は、
準備期間を大切にし過ぎて、100点の環境を用意しないと動けない。
エネルギーの噴出が来ないと動けない。
である。
好きな歌を聞いて湧き起こるような感情に、ヒロイックに酔わないと動けないタイプともいえるし、動けば済むことをいちいち頭で考え過ぎとも言える。
かといってやらずにいると白黒思考で自己嫌悪に陥る、困りものな性分も持ち合わせている。

物事を継続して行う人は、もっと淡々と、起きたら水を飲むくらいの気持ちで行動しているのに、僕たちはいちいち熟慮して、決心までしないと行動できない。
この行動のハードルの差、結果的な行動量の差が、僕らと継続できる人間の決定的な違いになっているのだと思う。
(突き詰めると継続することの価値を覚えて成長できたかどうか、継続する土台が生育家庭にあったかどうかなど、それこそ家ガチャの話になってしまうが。。。)

とにかく、腰の重さが僕らの致命的な弱点だ。
僕らのようなランダムなエネルギーの突出が、継続的に体を動かすにはどうしたらいいのか。

僕が出した結論は
【気負わない程度の運動をする】ことだ。

体を動かすというと、
筋トレ:腕立て伏せ、腹筋、スクワット
運動:外を〇㎞走る
上記のような内容をイメージするだろう。

しかし、これを一日やるだけならまだしも、継続的にやるのは厳しい。
いや、メンタルを病んだ人間にはまず不可能だ。
せいぜい、気負いに気負って一日か二日やって、そこで頓挫する。
熟慮に熟慮を重ねて、一念発起して少しだけやり、力尽きるのだ。
トレーニングウェアや筋トレ用品を買ってそのざまでは、ただの無駄遣いである。ちなみに僕の部屋の片隅では腹筋ローラーが埃を被っている。貴方だけじゃない。

そもそも、僕らのようなメンタルヘルスの住人に、継続した筋トレや運動は不可能である。
そういうのは寛解してからゆっくりやることだ。

なので、気負わない程度に運動することが重要になる。
気負わず出来て、なおかつ負担が少ないのはどんな運動か。

ふくらはぎを動かせ

おすすめしたいのはふくらはぎの運動だ。

別に難しい事ではなく、
座っている時に、足首の曲げ伸ばしをする
立っている時に、足首の曲げ伸ばし(背伸びのような動き)をする
これだけである。
筋トレのような負荷のかかる運動ではないし、散歩のように着替えて靴を履いて、周りの目を気にする必要もない。
立っている時の曲げ伸ばしがきつかったら、座っている時にやってもいい。
横になりながらやるのもいい。

素人知識だが、
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれていて、血液を運ぶポンプとして重要な役割を果たしている部位、らしい。足首の曲げ伸ばしをするとふくらはぎの筋肉が動き、血流が改善されるそうだ。

あくまで僕の話になるが、足首の曲げ伸ばしは継続できている。
『足首を動かすぞ!!!うおおおお!!!!!』
という決意のもとにやるのではなく、癖でやっているからだ。
なんとなくやっているからこそ、継続できているんだろう。

かれこれ二か月ほど続けているが、以前と比べて足が軽くなった。
あと、少しだけ前向きになり、ふくらはぎが少しだけ逞しくなった、気もする。

さすがに精神疾患の寛解にはつながっていない。
でもまぁ、続けない理由はないかなと思うので、この運動は続けていくつもりだ。

しかし、どうしてもだるい時もある。
そういう時も、せめて指だけは動かすようにしている。
高みを目指して何もできないくらいなら、死にかけの虫程度でも体を動かしたほうがマシ、という考えで最近はこうしている。

僕らの悪癖、0か100かの白黒思考の改善にも、ある程度はいいかもしれない。

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