22歳の夏、父親が死んだ。
声を上げて泣くこともなく、気がついたら通夜と告別式が終わっていた。母は病気で動けないし、兄弟はいない。親族も皆遠くに住んでいるから、私が喪主を務めた。5日程の慶弔休暇も消費して、仕事にも今まで通り出ている。「私は平気だ。周囲が言うように意外と強い子だ。」そう思っているし、ちゃんと笑えているし、大きなミスもなく仕事もこなせていていつも通りの毎日を過ごしている。
一人暮らしの部屋には生ゴミの袋が3袋溜まっており、洗濯物も2週間分ぐらい溜まっている。脱ぎ散らかした靴下が床に落ち、