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初対面でも心理的安全性の高いチームを作る

5/5にオンラインではじめまして!と対面してから5/8までの4日間、プロジェクトを組んだチームが、まさに心理的安全性の中でも「学習ゾーン」のチームでした。
このチームのどんなところが心理的安全性の醸成につながっていたのか整理してみます。
このnoteの最後に、応用インプロをベースにした心理的安全性の体験ワークショップもご案内を予定しています。心理的安全性の高い場の具体的なつくりかたに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
もちろんワークショップに興味がない方にとっても、心理的安全性についての理解が深まったり、再確認できるような内容にできたらと思います。

そもそも心理的安全性とは?

Googleの研究であるプロジェクトアリストテレスで引用され、日本でも急激に話題になり、関連する書籍も年々増えて来るほど、注目を集めているキーワードですね。
(「プロジェクトアリストテレス」は検索すると、いろんなWebページで紹介されていますが、Google re:Workにも詳細が載っています。)

実際にこの検索数を調べてみたところ、短期で見ると増減はあるものの、長期的に見ると全体的に上昇傾向にあることがわかります。

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出典:Googleトレンド

皆さんの中には、すでにこの分野を熟知している方、なんとなくイメージが湧いている方、聞いたことがあるという方・・・など色々いらっしゃるかと思いますが、「心理的安全性」という言葉からどんなイメージを持ちますか?

「心理的安全性とは●●だ」と定義を説明できる人は、普段からこのキーワードに触れ、意識されている方かもしれません。
定義の説明には自信がない方でも、これまでの実体験から心理的安全性が感じられる場合とそうでない場合のイメージは浮かぶのではないでしょうか。

例えば、嫌だなと思ったら普段はNOが言える人なのに、特定の人にたいしてだけ本当は断りたい場合でもNOが言えない間柄には、心理的安全性が十分にないのではないか・・・とかですね。

代表的な心理的安全性の定義

定義としては色々な表現方法がありますが、リーダーシップ、チーム化、および組織学習のアメリカの学者であり、ハーバードビジネススクールの教授であるエイミー.C.エドモンドソン氏の一文が多くの文献で引用されています。

心理的安全性体験WS

「チームの心理的安全性とは、チームの中でリスクをとっても大丈夫だ、ということがチームメンバーに共有される信念」
(1999, エイミー.C .エドモンドソン)

この一文の前提として、心理的安全性というキーワードは「効果的なチームとは何か」を定義する必要性のもとで語られているところがあります。

また、私も理事として活動している一般社団法人日本即興コメディ協会がオンラインで提供している認定資格のワークショップ、「心理的安全性アンバサダー」でも、業務上で関わる人とのコミュニケーションへの活用を期待して受講される方がやはり多いです。
(とはいえ、受講理由としてコミュニティづくりに活用したい方も増えてきています。)

では、受講を決める方はどんな変化を期待して受講されるのでしょう。

心理的安全性があるときと、ないときの違い

まずは見ていただきたいものがあります。次のAとBです。

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AとBでは、まるで逆のようなことが書いていますよね。
ここで2つ質問です。

<質問>
1. どちらの方が心理的安全性が高いと感じますか?
2.あなたの職場など、多くの時間を過ごしている環境は、AまたはBのうち、どちらの傾向がありますか?

もしBの方が心理的安全性が高いと感じていて、かつ、こういったチームの作り方を具体的に知りたい方は、このまま読み進めていただけたらと思います。

というわけで。ここまでは心理的安全性とは何かについて主に書いてきましたが、ここからは、私が実際に受講したプログラム内のコミュニケーションを「心理的安全性」の視点で書いていきます。

”パーソナリティも、背景も、使える時間も知らない”人同士の共創的コミュニケーション

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ゴールデンウィークに「BizWorld Japan」が提供する、小学5-6年生向けの会社経営シュミレーション体験ができるプログラムを受講しました。

プログラムの詳細を知りたい方はこちらからご覧いただけます。
さらに、ここに書いていない内容を補足するとこのように実施されました。

●3日通しで受講することが前提
●チームを組んで進めていく
今回は、子どもチーム(厳密には"未来の大人チーム")4名×2チーム、大人チーム 人数フリー×1チーム が参加されていました。

なんですが!

なんと、私を含め大人チームからの、”すでに予定があって3日通しで出席できないけれど少しでも参加したい!”という強い希望を受けて、「大人チームだけはDay2からでも出席OK」という特別ルールが適用されました。
それにより、Day1-2に出席しDay3は欠席という方も、Day2-3に出席するという方でも参加できるようになっていました。

えー。そういった流れもあってですね。

てっきり大人チームは見学だろうな、と思っていたら・・・なんと大人チームも全員参加!まずここで想定外!

心理的安全性体験WS (1)


さらに、Day1参加していた方はDay3に出られないことや、Day1(5/2)〜Day3(5/8)通しで参加できるメンバーは一人もいないことがわかり、Day2でお互い「はじめまして」とマイペースに挨拶していた状況から一転。
一気に引き継ぎ〜チーム作り、元帳作成や特許出願、プレゼン準備を進めることになりました。わからない中でてんやわんや。

チームを組むのは、リアルにあったことない方ばかりで、もちろんどんなライフスタイルを送っているのかどうかも知りません。
朝早くの連絡が取りやすいのか、夜はOKなのか・・・なども未知。
でも、誰からも「めんどくさい」「やめたい」という言葉は一度も出てこなかったし、スルーする人や発言しないまま傍観している人もいなかったんですよね。みんなで前進していく空気をつくり、準備を進めて行きました。
この前進していく空気が、まさに「学習ゾーン」のチームでした。

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先ほど、上にあげたBの画像を使って、どんな場だったか解説していきます。

学習ゾーンのチーミング

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今回急遽作ったチームであったこともあり、対話や自己紹介の時間も十分になく、お互いが普段どんなことをしているのか、年齢さえ話し合うことはありませんでした。
でも、画面を通しての風貌から自分より年上なのか年下なのか、同じくらいなのかということは感じ取れるし、話す内容からどういうカテゴリーの経歴があるのかを一部うかがい知れるほどには会話をしていました。
そんな中でどういったことが起き、どのように乗り越えたのか、シーンとして追っていきます。

●失敗をオープンにしても大丈夫だと思える。

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チームに貢献しようと頑張っていても、間違うことがあります。指摘された時や情報不足がある際に、「そうですね」「ありがとうございます」と認めつつも、「〜〜がわからないです。わかる方いますか?」と必要以上に落ちることもなく、前に進むための会話になっていました。

●立場や肩がきに関わらず、お互いに言いにくいことも指摘し合える。

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私たちのチームは、履けば履くほど環境に優しい靴の開発を目指していました。この靴の開発には、製品の技術的な部分の調査は、外せない・端折れないもの。だからこそ、疑問を投げかけたり、不完全な箇所を指摘し合う場面がありました。
言いにくいからと言わずにいることで表面的な平和は保てますが、それでも前進できるか?というと、うーん。なぁなぁになって、どんなに最初はモチベーションが高くても、本気で取り組むチームのあり方からは離れていったのではないかと思います。

●ちょっとくらい周囲と違っても、歓迎してもらえる。

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Day2で出会ったメンバー同士、急ピッチで準備を進める必要があったのですが、プログラム受講中の時間内に準備を終えることができなかっため、Facebookグループを作ることになりました。
Day3にも出られるメンバーを中心にグループを作るつもりでいたところ、Day2だけ出席者のMさんが「自分は2日目しか参加できないけれど、ぜひグループに入れてください」と言ってくださったんですね。
もちろん大歓迎で入っていただきました。グループ内に多様性を受け入れる空気が作られたように感じています。5/8までの最終プレゼンの合間にも、ご自身が感じていることをグループ内でシェアしてくださっていました。

●お互いにフォローしあいながら、目標に向かうことができる。

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わからないことがたくさんあり、手探りの中でコミュニケーションを取る必要がありました。最初は誰かが答えを持っているような質問の仕方だったのですが、日や時間が経過するにつれて、相互に提案していくコミュニケーションも増えていきました。一緒に組み立て、作っていくという共通認識が作られていったのではないかなと思います。

例えば、靴の開発経験者もいないグループの私たちは、銀行融資に向けて、必要経費をどう見積もって良いのかも全くわかりませんでした。
それでも、WEBで調べてくれた情報を手がかりにしたり、「〜〜と考えて計算してもいいと思う」などの提案が生まれていきました。

●得意・不得意を共有し、尊重しあいながら仕事を任せ合える。

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「●●さん、〜〜できますか?」とお互いに依頼し合う場面で、無理して「はい」と言ってしまうこともありますよね。
でも、今回のチームでは、わからないこと、知らないこと、不安に思うことを積極的に開示していました。誰かがわからない、と言ったら、自分にできる範囲で調べてみたり、わかる範囲で共有してみる・・・
誰も靴開発のプロフェッショナルはいないチームでしたが、そんな1つ1つの積み重ねで最終プレゼンまで走れたのだと思っています。

今回4日間だけの一時的なプロジェクトでしたが、Day3に出席するしないに関わらず、1つのチームになっていました。私も全員を頼りにしながら、自分のできることを精一杯できた期間でした。

これからますます、企業の中で働く以外に、業務委託契約などを組み合わせながらのプロジェクト型の多様な働き方が進んでいくと言われています。
そんな時にすぐ効果的なチームが作ることができれば、その分だけ成果を出すためのアクションに割ける時間が増えますよね。

もしこれを読んでくださっている方が、ご自身のチームの心理的安全性を客観的にチェックしてみたいなと思った時、このBの画像がお役に立てば嬉しいです。
というわけで再掲!(何回出すねん!笑 うん、3回目。)

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応用インプロを活用した心理的安全性の体験会について

そして、この状態をゼロイチで意識的に作っていきたい方や、そのノウハウを知りたいという方に、私たちの協会が主催しているワークショップのご案内です。
コマーシャルっぽくてちょっと申し訳ない気もするのですが、毎回参加される方の満足度も高く、自信を持っておすすめできるものです。

5月開催の体験会は2回あります。参加費は1000円/お一人様。

インターネット環境とPCがあれば、どこからでも参加いただけます。
講義形式ではなく、コミュニケーションのワークショップが中心のため、画面をONにしていただくようにお願いしています。

いやいや、もっとしっかり学びたいんだ・・・!という方は、6日間の学びと実践のコース「心理的安全性アンバサダー認定ワークショップ」があります。
次の「心理的安全性アンバサダー認定ワークショップ」は6月開講です。詳細はこちら。


昨年2月に1期をスタートして、2021年6月で10期・・・早い。
過去に受講された方のインタビューも、ブログからお読みいただけるので、参考にしてみてくださいね。

所属する組織やチームの研修として検討したい・・・という方は、まずは事前相談からどうぞ!ご予算や人数、どんなお悩みがあるかによってオーダーメイドでご提案しています。採用するかしないかを今すぐ決めなくて大丈夫ですよ。

多くの企業様からの悩みの1つに、テレワークになってコミュニケーションが取りづらくなったという声がとても増えていて、ありがたいことに研修のご依頼も増えています。お役に立てたら嬉しいです!

いや、ほんとCMみたいになってしまった。
というわけで、バランスを取るために被り物した時の写真をあげておきますね・笑

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