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ハンティング……偏見と現実

11月といえばハンティング!本格的な狩りのシーズン到来です。カナダでは、時期や場所によって狩りの対象となる動物の種類、頭数、狩りの仕方・道具、狩の出来る時間の規制が色々とされています。タグと呼ばれる、狩るために必要な許可証の制限と管理が徹底されています。制限はネイティブ以外の人だけが対象で、ネイティブ以外の人にだけ狩りの報告義務が課されているので、完璧な数の把握からは程遠いのですが・・・。ネイティブの方にも狩りの報告義務くらいはあってもいいのではないかと思うのですが、なかなか自然に関する科学的な研究への参加はしてくれないようです。

ハンティングシーズンは年に何度かあり、秋シーズンも8月末から始まっているのですが、11月以降が一番忙しい時期です。

なぜかというと、主に人気のある狩りの対象である鹿、エルク、ムースなど大型の動物が冬に向けて太り、交尾の時期の為、活発に活動する時期だからです。ハンターとしては、限られた頭数しか狩れませんので、なるべく大きい獲物を狩って、一年を通して食べれるようにしたいものです。我が家の場合は、特に、赤肉は狩りから得られたもので賄っているので大事です。

狩りをしない方からすると、ハンティングはアドレナリンジャンキーの為のスポーツで、ハンターは鹿の角目当てだというように考える方も居るかもしれませんが、我が家の状況は其れとはかなり違うものです。よくネットなどでみる”ハンターがガイドにつれられて、獲物を撃ちに行く”という感じではありません。すべて自力です。夏の間からスカウトという、下調べに出掛け、銃や弓の練習をし、チャンスが来た時に一打で仕留められるよう準備します。スカウトも狩りも、毎回山に出かけるたびに鹿が見れるなんて事はありません。常に失敗、思考錯誤、再挑戦の繰り返しです。どんなに準備しても天候により地形が変わったり、獲物の行動が変わったりして予定通りに行かないことばかりです。うちの場合は全てクラウンランドと呼ばれる公共の山林での狩りになるので、整備もされていない荒地での狩りで、毎年のように地形が変わるので下調べには、どうしても時間がかかってしまいます。それでも、出来るだけの準備をして狩りに挑みます。

写真は先日の狩りの時に撮った物です。11月の頭で既に雪化粧です。ブリザードになってしまい、私が目当てにしている鹿は全く動いていませんでした。いつもなら足跡をみるエリアを幾つも回りましたが、足跡すら見つける事ができませんでした。氷点下10度を下るなか6時間ほど、暗くなるまで粘りましたが、結局、鹿を見ずに帰宅しました。そんな日もあります。1シーズンで狩れても1-2頭なので、こういう日がほとんどです。11月末で秋シーズンは終わってしまいます。それまでに1頭が目標です。次回は、もう少し天候に恵まれますように。

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