「お空さんも悲しいことがあったんだね」
娘のリウが降り始めた雪を見上げて呟いた。
「どうしてそう思う? 」
「リウもお母さんが死んで悲しかったときハサミでお手紙たくさんチョキチョキしたもん」
私も空を見上げた。群青色の夜の底に細切れになった真っ白い手紙がただしんしんと降り続いた。

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。