『涙航』
溢れ
溺れ
息もできないとき
空は激しく泣いてくれる
露草の船を浮かべ
漕ぎ出せるように
辿り着けるように
降って
降って
降り注いでくれる
白い窓を伝う
空の涙の向う側
風よりもなお早く
海よりもなお深く
優しくなれるように
愛しくなれるように
胸奥の帆を密かにあげ
今宵、私は
“私”をつかまえる船を出す
※読み
//涙航:るいこう(造語)
//露草:つゆくさ
//胸奥:きょうおう
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。