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あざえ大全

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ちょっとだけ真面目な記事のまとめです。
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記事一覧

高野に参った話 その柒

その壱はこちらから↓ 前回はこちらから↓ 拝むこと祠のあるポイントだけが安心して立っていられる場所でした。 それ以外は気を張っていないと足を踏み外してしまいます。 祠が見える度にものすごく救われた気持ちになりました。 ほんとうに、拝まずにいられない。 都会にいるときは、拝まねばという義務感にかられて行う部分がありますが、ここでは違いました。 ごく自然とそうなる。心身一体が求めるんです。 信仰あるいは宗教というものの片鱗を体感した気がしました。 落ちたら死ぬど急斜面シリー

高野に参った話 その陸

その壱はこちらから↓ 前回はこちらから↓ 看板が指す道は見たことのない急斜面。傾斜が90度くらいに見えました(笑)そんなわけないけど。 しかしこれを登りに来たんだから、このまま帰るわけにはいかない。 恐る恐る摩尼山に入っていく。 それにしても人が居なさすぎないか?前にも後ろにも人間の存在がない。 熊とか登場しなすったらどうしよう。 今地震起きたら埋もれちまう。 至る所にある「山火事注意」の看板が私の恐怖を煽る。 引き返せないという恐怖お邪魔します……失礼します…… と言

高野に参った話 その伍

その壱はこちらから↓ 前回はこちらから↓ カバンの中に眠っていたもの時間は前後しますが、朝食を待っている間のこと。 極楽橋駅で取ってきた地図をベッドの上に広げて眺めていたのです。 この地図の方が印刷して持ってきた地図より分かりやすいな、と。 よくよく見てみると、↓ こんなんあり!?チェーン越えてええんか? もう帰る気満々だったのに…… 今見つけたということは今から行くべきということですよね。 こうして急遽リベンジ登山が決定したわけです。 山へ向かう一筆箋を書いて宿を後

高野に参った話 その肆

その壱はこちらから↓ 前回はこちらから↓ 目が覚めちゃうホテルは最高だったのですが、なにせ一人泊が初めてなので緊張して目が覚めちゃう。 午前3時に起きた後は午前5時まで眠れずYouTubeを観るという奇行。 4時半頃から他の宿泊客さん方が動きだした音を聴きながら、再び眠りにつきました。 テレビが点いて起床たしか6時54分のことでした。 急に部屋のテレビが点いて目が覚めます。 リモコンは机の上だし、なんで勝手についたんだろう……視聴予約? そのあとはたしか7時3分に部屋の

高野に参った話 その参

その壱はこちらから↓ その弐はこちらから↓ 女人堂へ辿り着くヘロヘロになりながら歩いていた私は当初予定していたコースにある女人堂に辿り着きます。 なるほど、だいぶ高野の街が把握できてきたぞ。 山には登れなかったけれど端から端まで歩いて制覇したし、まぁこれはこれで良かったかなぁ。 なんて思いながら、人のいないバス停で休憩したり、デイリーで買い出ししたり、お土産を買ったりしながら時間を過ごしました。 宿でいつものごとくボケるやっと宿に向かえる時間。 扉を開けて受付に誰もいら

高野に参った話 その弐

前回の続きです。ここから読んでも大丈夫ですがよければその壱もお読みくださいませ。↓ 出発の前々日に一泊二日の高野山ひとり旅が決定したあざえ。 今回は1日目の前半について書きます。 南海高野線で極楽橋へ 自宅から色々と乗り継いで橋本へ着いたら、各駅停車極楽橋行きに乗車。 ここからは主に緑の中を走ってゆきます。 駅名板がかわいい。 各駅で降りたくなってしまいますが、そんな事してるといつまでも着かないので我慢。 極楽橋を眺めてケーブルカーへ 極楽橋駅に着いたら高野山駅まで

高野に参った話 その壱

いつの話やねん!て感じですが 私、今年のゴールデンウィークに高野三山のうち二山(摩尼山・楊柳山)に登ってきました。 その珍道中をこれから少しずつ書いていきます。 今回はその壱、行こうと思い立った経緯を書きますね。 入る予定の仕事がなくなった決まってはいなかったもののGW中ずっと入るかもしれなかったお仕事にあぶれてしまい(?)、急に予定が空いたのです。 どうしようかなぁ、あんまり出歩くのも良くないし。 そう思いながら、日本書紀の解説雑誌をペラペラめくっていました。 あぁ、熊野

山の大学

山から、川から、平地から あらゆる地域のあらゆる人々がひとつの山にわっと集まる それに伴いあらゆる情報がわっと集まる そこでぐるぐるかき回される ぐるぐるぐるぐるかき回す あるときは跡形なく消えてしまったようで あるときは何かがぽっと生まれ出て またあるときは大爆発となる そしてそれは戻ってゆく もといた場所へ戻っていく すぅっと地面を這うように、山を下ってゆくのである

もつべきトラウマ 幼い自分のこわいもの

心身に支障をきたしたり、その後の人生が悲観的になるような、立ち直れなくなるような、そんなトラウマは経験してほしくない。 でも、「これこれ!トラウマなったやつ!笑」というレベルの体験は持っていると大切な財産になると思っている。 ※これは本来のトラウマの意ではないが、我々は日頃このような使い方をしている。 幼い頃に観ていた教育番組のあるコーナーだけが怖かったとか、 その曲を聴くとなんとなく怖くて泣いていた、などというもの。 ネットを徘徊しているとこのような書き込みが無数にあ

エス・エヌ・エス

交わる予定のなかった人々 届くはずのなかった弱い声 見て見ぬふりをしてきたもの 見ないようにされてきたもの 切り捨てられてきたもの それらが交わる新時代であろう 当然危険もある 痛みを経験する 目を背けてはいけない 確実にそこにあったものから それを乗り越えようとすればきっと、我々は見たことのない社会へ移り行く過程を目にすることができると信じている そういう時代に生きていると。

陶酔 『アデル、ブルーは熱い色』(2013)より

私がこの映画を観たのは半年ほど前のことなのですが、ふと思い出すことがあったので、この気持ちを書き記しておきたいと思います。 この作品は2013年に製作された、アブデラティフ・ケシシュ監督によるフランスの映画です。 ヨーロッパらしい、フランスらしい、哲学に軸を置き展開する、非常に文学的な芸術作品だと感じました。とても美しくもリアルだった。 私的解釈で簡潔に述べると、美大生に哲学の手ほどきを受ける文学少女が描かれています。 主人公のアデルはあと少し何かが違えば、爆発的な何

チャーキおじさんと少年① なんで勉強するんだろうね?

少年: ねぇ、チャーキおじさん。 チャーキ: なんだい? 少年: なんで僕らは勉強するんだと思う?将来役に立つから? チャーキ: そうだね、そういう理由もあるね。大事なことだよ。 少年: でもさ、子どもの頃に勉強した内容は何も役に立ってないっていう大人たち多いよね。じゃあ、自分の生きたい学校に行って就きたい職業に就くためなのかな。でも、そんなのも大事じゃないっていう人たちもいるんだよ? チャーキ: そうだね、そういう考えもあるね。大事なことだよ。 少年: 僕は勉強

冬が苦手な人間は太陽とともに生きる

私は幼い頃から秋から冬にかけてよく調子が悪くなっていました。 季節の変わり目に体調を崩し、そこから精神的に不調になり、あれなんかまたしんどい気がする…みたいな負のスパイラル。 幼稚園・小学校の頃は休みがちになったり、爪噛みがやめられなくなったり、拒食気味になったり…。 中学校に入ると部活動で忙しく休めなくなり、おかげで気が紛れ、休むことはなくなりました。 それでもまだ冬に調子が悪くなること自体は克服できなくて、調子の悪い時は無駄な自己嫌悪をやめられず、日が暮れてから徘

きもくてかわいいホルツマン 『ゴーストバスターズ(2016)』より

注意:この記事の内容は性的表現、同性愛要素を含みます。お好きでない方はこの記事を閉じて他の記事をお読みください。 先日、映画『ゴーストバスターズ(2016)』劇場版が地上波で放送されました。妹はDVDで3回も観たらしいのですが、私はまともに観たことがありませんでした。なんとなく観たくなって録画して鑑賞したのですが、 まぁなんとホルツマンの魅力的なこと。 この感動をなんとかして誰かに伝えたいと思ったんですよ。でもTwitterであんまりこの事ばかり呟くと良くないので、もう