チャーキおじさんと少年① なんで勉強するんだろうね?
少年: ねぇ、チャーキおじさん。
チャーキ: なんだい?
少年: なんで僕らは勉強するんだと思う?将来役に立つから?
チャーキ: そうだね、そういう理由もあるね。大事なことだよ。
少年: でもさ、子どもの頃に勉強した内容は何も役に立ってないっていう大人たち多いよね。じゃあ、自分の生きたい学校に行って就きたい職業に就くためなのかな。でも、そんなのも大事じゃないっていう人たちもいるんだよ?
チャーキ: そうだね、そういう考えもあるね。大事なことだよ。
少年: 僕は勉強好きだよ、今はね。でもさ、今後の勉強は楽しいばっかじゃないだろうし。どういう気持ちでいればいいんだろうね。
チャーキ: うーん。おじさんは優れた人間じゃないし、必死に勉強してきた人間でもない。そのうえでただ一つ言えることは、感動する、ということだ。
少年: 感動する?わかったときの感動のこと?
チャーキ: うん、それもある。けど、今言った感動はちょっと違うやつだ。あるひとつの対象を知覚したとき、どれだけ感動するか。
少年: ふむ。
チャーキ: 一度目に「それ」を見たとき、感動する。そのときの感動を1とする。その後勉強を続け、二度目に「それ」を見る。そうすると、どうなると思う?
少年: わからなかったことがわかる?
チャーキ: そうだね。そのときの感動は2にも3にも、ときには10にまで増えうる。でも、そのことは二度目にしかわからない。感動が増えうることは一度目にはわからない。勉強するということは、増えた感動を知ることだけじゃない。それはほんの一部だ。もっともっと大きいのは、感動すること自体を知ることなんじゃないかな。
少年: うーん、ちょっと難しいけど、おじさんが勉強して良かったと思うのは感動するからっていうことだよね。ところで感動するってそんなに良い事なのかなぁ?
チャーキ: それは正直人次第だね。おじさんは感動するの大好きだからね(笑)。君も好きなんだろう?
少年: もちろん、じゃないとおじさんと喋ってないからね(笑)
チャーキ: そうだね。ただ思うに、人間人生のどこで感動したいスイッチが入るかわからないんだよ。スイッチが入った時にはもう勉強するのが困難な状況に置かれているかもしれない。
少年: というと?
チャーキ: 大人になってから勉強するのって大変なことだと思うんだ。もちろん不可能じゃあない。方法次第で道はある。だが多くの人にとって簡単というわけではないと思うよ。それに、子どもでも勉強する暇がない生活をしている人たちは確かにいる。でも、だからこそ子どもに対しては勉強する環境を整えないといけないことになってるんじゃないかな。つまりは勉強せねばならない、というよりチャンス、ということになるね。
少年: チャンス!
チャーキ: ただね、こんなことは勉強するのが苦痛な時にやる気を引き出せるものじゃないんだよ。
少年: うーん、まぁ確かにそうもいえるかも。
チャーキ: 最中にいる時にはわからない。過ぎてから思うことを語ってもそれはあくまで過ぎてから思うこと。
少年: じゃあさ、はどんな心持ちで勉強していたの?
チャーキ: それじゃあまた今度話すことにしよう。今日はもう遅い。君は早く帰らねば。
少年: そうだね。ありがとうチャーキおじさん。また今度。
チャーキ: また今度。ありがとう、少年。
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