露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもち…

露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもちろん、特に路地探索が好きです。そんな路地に積もったつゆ、ちりを踏みしめ散歩しています。

最近の記事

東京路地紀行 51 港区麻布

高級住宅が建ち並ぶ港区麻布に残る谷間の路地。旧町名では麻布宮村と呼ばれる地区に昭和の頃から建っていそうな家々が密集した集落として今もある。ここが谷間の集落となったのは、近くにあるがま池からの水が流れてきたから。そのがま池は今もあるが、高級マンションに囲まれ、俗人の目に触れることはない。 池から流れ出た水は小川となって崖下の低地を潤し、 「東京路地紀行50」で紹介した水路へとつながっていく。 崖の下にある児童遊園とこの路地の境に水が流れていた跡の暗渠が残る。 さて、その

    • 東京路地紀行 50 港区麻布十番

      今回は港区麻布十番へ。 六本木の高台から坂をおりた谷地にひろがる麻布十番商店街。地下鉄の大江戸線、南北線が通るようになるまではバスまたは六本木からの徒歩でしか辿り着くことができなかったため、古い商店が多く残り、六本木の奥座敷という雰囲気の街でもありました。2000年頃に2本の地下鉄が開通し駅もでき、さらに六本木ヒルズも目の前に広がり、まちの雰囲気は「町」から「街」へ。六本木にありそうな飲食店もできてきて、歩く人々の装いも変わり、ミニ六本木のような感じに。 この麻布十番に残

      • 東京夜探偵 1 百人町、大久保

        東京の夜を徘徊するという夜散歩を夜探偵シリーズとして記事にしてみようかと思いつきました。これまでもときどき「東京探索記」シリーズで夜の街歩きを紹介してきました。ここからの分離独立です\(^o^)/ さて、第1回は新宿区の百人町から大久保にかけて歩きました。駅でいうとJR大久保駅、新大久保駅、そして地下鉄(都営大江戸線、メトロ副都心線)の東新宿駅あたりです。 大久保駅そばにある東京媽祖廟。 東京では普通にある外壁のビルの周りを見事に装飾しています。 横浜中華街にもありますね

        • 東京路地紀行 49 赤坂 福吉坂

          ここは階段というべきか、この細さは路地というべきか… 両方いいとこ取りで「階段路地」にしよう。 とわざわざ宣言するほどではないが、東京はその地形にそって通路ができると階段路地が誕生する。 訪れたのは、福吉坂。 かつての溜池跡に広がっていた黒塀に象徴される料亭、韓国料理店、クラブ、呑み屋のある低地と赤坂の台地の境に位置するのがこの坂。(階段ではあるが) 坂=サカとは境=サカイのことでもある。 日本神話にも出てくる地下に存在する黄泉の国と地上世界をつなぐのが黄泉平坂(よ

        東京路地紀行 51 港区麻布

          東京俳句紀行 その4 夏近づく

          さて、初夏から盛夏へ向かう途中の日々、街歩きをしていて詠んだ句です。 「ドンツキに 艶な紫陽花 脚止まり」 (どんつきに あでなあじさい あしとまり」 季語:「紫陽花」(夏) 街歩きをしていて個人宅の路地の奥に咲く紫陽花に目がいきました。2本の木がくっつているのか、1本でこうなっているのか、青色と薄紫色の花が盛り上がるようになっていてあでやかさを感じました。 「スリバチだ ヤッホーヤッホー 玉の汗」 (すりばちだ やっほーやっほー たまのあせ) 季語:「玉の汗」(夏)

          東京俳句紀行 その4 夏近づく

          東京俳句紀行 その3 夏の始まり

          今年は昨年に比べるとソメイヨシノの開花から満開は遅かったのですが、その後の花々は競うように一気に咲き誇り、週末の街歩きで花の移り変わりを楽しみにしている私には、毎週主役が交代、ときには見過ごしてしまう花も出てしまうという忙しさ。そんななかでも街歩きをしながら感じた季節を詠んでみました。 「へそ曲がり? もう咲いている 坂の藤」 (へそまがり? もうさいている さかのふじ) 季語:「藤」(夏) 4月中旬の新宿区下落合の七曲坂での一枚。つい先日、桜が散ったと思ったらもう藤が満

          東京俳句紀行 その3 夏の始まり

          東京路地紀行 48 荒川区

          さて、今回も荒川区の井戸と猫がそろった路地です。ここの路地でもやはり現役の井戸、といっても今は非常時用の井戸としてですが。それもここでは路地ごとに2個の井戸がありました。これは萌えますね(^^♪ そしてその井戸の一つのそばに猫。人には馴れているのか、余裕の歩きっぷり。井戸の写真を撮っているあいだも逃げもせず、被写体の一つになってくれました。 隣の路地にはもう一つ井戸がありました。こちらはT字路の場所にあっていかにも井戸端会議をしていたという感じもあります。こちらは煉瓦をは

          東京路地紀行 48 荒川区

          東京探索記 24 新幹線の見える街 馬込

          さてまたまた馬込シリーズです。 起伏の激しい馬込の街。その間を縫うように東海道新幹線が走っています。それはあるときは下に見え、ある時は見上げるほどの高架の上を走っています。 新幹線、在来線(横須賀線)の走る線路を眼下に見ながら坂、階段を上ったり下りたりしていると音のなく新幹線が近づいてきます。そして気がついた時にはもう通り過ぎようとしていました。速い!! でもタイミングが良いと写真のように上りと下りの新幹線がすれ違うところに出会うこともできます。 階段関係者(業界?)

          東京探索記 24 新幹線の見える街 馬込

          東京路地紀行 47 荒川区

          路地を構成する要素とは?  ・古い家、木造住宅、トタン壁・屋根の家。長屋  ・猫  ・井戸ポンプ  ・鉢植え園芸  ・そして、狭い路 そんな要素がそろっている荒川区の路地を再訪。 今回の場所には大きな井戸ポンプあり、猫は歩いている、トタンの家屋が何軒も。そして迷路のような路地。 路地の入口ともいえる場所に立つ青色トタンの家。 この路地をはいっていくと今度は緑色のトタン壁の家。 こちらの色も鮮やか。トタンって昔の素材に思われますが、発色がよくて美しく感じられるときもあり

          東京路地紀行 47 荒川区

          東京探索記 23 馬込の坂

          再び馬込です。 馬込の名の由来は馬がこめられている場所とも。谷地に馬を放牧している場所。谷の出入り口に柵を設ければ、両側の崖が壁となって馬は逃げ出すことができない。だから馬が込められている場所、馬込。 そのような名前通りの地形をしている馬込。 丘へ上るとその先は谷、坂道を下って谷へ着くと目の前に見えるのが丘への坂道。坂道を上って丘の頂上へ着くとその先に見えてくるのはまた谷。谷からのびる坂を・・・ という感じで丘と谷が坂道でつながっています。 そしてそのような地形の場所では

          東京探索記 23 馬込の坂

          東京探索記 22 四谷の夜

          夜の四谷 須賀神社へ。 昼間は外国人観光客でいっぱい、今もそうなのかな?、の須賀神社の男坂。夜はどうなのだろう。 ほとんど人はいませんね。でも少しはいました。男子2人、どうやら何かの撮影でもしようとしているのかな、一人が階段を上り下り。もう一人が階段の上でスマホを構えて、映りがどうのとか、こうのとか。 階段上からの写真を撮ってから今度は女坂へ。 こちらはほんとうに誰もいません。男坂は映画「君の名は」で有名になり聖地となりましたが、女坂はそのような機会には恵まれず。でも

          東京探索記 22 四谷の夜

          東京路地紀行 46 四谷若葉

          夜の四谷の路地を歩きましょう。 以前、荒木町の路地を紹介しました。今回は新宿通り(甲州街道)をはさんで反対側の若葉の路地です。 荒木町の路地を形成していた池の水は低いほうへ流れ出し、今は靖国通りとなっている紅葉川に流れ込んで、市ヶ谷の先で外濠に合流していました。 こちらの若葉の川は赤坂御所に流れ込んで、その先で外濠に合流していました。 その川筋の上流端(源流)は若葉公園という公園になっています。三方が崖に囲まれた2級スリバチ地形(*1)。そして公園の隅、崖下を覗くとわずか

          東京路地紀行 46 四谷若葉

          東京探索記 21 初夏の馬込

          馬込九十九谷(つくもたに)と言われるくらいにほんとうに馬込には谷が多いです。そして谷があるところには丘があり、両者をつなぐ階段や坂があります。そんな馬込を5月初めに歩いた記録と記憶。 今回、馬込を訪れた理由は池上本門寺の庭園、松濤園の期間限定公開があったから。というわけでまずは東急池上線 池上駅から本門寺へ向かいました。 ゴールデンウィークのこの日は快晴。雲一つなく空が広かった、気持ちいいですね(^^♪ 松濤園をゆっくり回遊してからいよいよ馬込の街中?へ。 松濤園は湧水

          東京探索記 21 初夏の馬込

          東京探索記 20 日暮里崖線を歩く

          ゴールデンウィークのある日、上野から田端まで歩きました。 何目的で4駅分を、と思われるでしょうが歩くのが好きなので、というほかないでしょうか。 まず上野の東京藝術大学美術館で「大吉原展」を。 その後、田端駅前の田端文士村記念館で企画展「芸術村のお住居拝見」へ。 ということで展示会のはしごでの移動となりました。 藝大美術館は上野台にあります。田端の文士村記念館は駅そばの江戸坂の途中にあります。江戸坂の上は田端台の台地。広い視野でいうとどちらも上野台になります。上野台の先端上

          東京探索記 20 日暮里崖線を歩く

          東京路地紀行 45 南麻布

          今回も南麻布の路地を訪れました。 その路地は短くて行き止まり。昭和時代の名残りのような木造家屋が数軒、長屋状に並んで建っています。 この路地の奥は柵に遮られてその先へは行けないようになっています。 数年前まではそこにはアパートが建ち、井戸ポンプもありましたが、その後建物は取り壊され、井戸も消え、更地になりました。 今頃は新しいマンションがたっているのでしょうかね。 2022年7月に撮影した上の写真(↑)では路地の奥は白いビニールシートみたいなものでふさがれています。20

          東京路地紀行 45 南麻布

          東京路地紀行 44 南麻布南部坂

          港区に南部坂は2つあります。 一本は赤坂、もう一本は今回訪れた南麻布。 赤坂のほうは、アメリカ大使館宿舎横。 こちら南麻布のほうは、ドイツ大使館横。 どちらも大使館関連施設に接しています。 さて、南麻布の南部坂の途中に今回訪れた路地があります。 路地と言っても短い路地ですぐに空き地になっています。 坂の上はドイツ大使館、坂道の向かい側は有栖川宮記念公園、つまり旧有栖川宮邸。そして周りは外国人も多く住んでいる広尾の高級マンション地区。 こんな場所にポツンと残っています。 奥

          東京路地紀行 44 南麻布南部坂