露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもち…

露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもちろん、特に路地探索が好きです。そんな路地に積もったつゆ、ちりを踏みしめ散歩しています。

最近の記事

東京探索記 19 落合の牡丹

前の記事では躑躅を紹介。そしてソメイヨシノのあとに急いでみないと花どきを過ぎてしまうのが牡丹。 かつての牡丹は4月下旬、ゴールデンウィーク前が見ごろの感じでしたが、今は早まり、4月中旬には満開を迎えるようです。。。 「満開を迎えるようです」と自信なさげなことを書きましたが、牡丹の咲き時、満開時がどうもわかりません。ソメイヨシノ、躑躅などと異なり、街中にあふれているわけではなく、民家の庭先でもほとんどみかけません。ではどこで咲いているのか? それはお寺に咲いているイメージです

    • 東京探索記 18 駒込の躑躅

      今年(2024年)は3月にはいってから寒い日々が続き、東京ではソメイヨシノも4月になるまで満開にはならず、花見ファンはいつになったらシートを広げられるんだ、とやきもきしたことでしょう。 そのソメイヨシノが目黒川を花筏となって流れていって まもなく、ここからは堰をきったような開花ラッシュ🌸🌸🌸 躑躅、牡丹、藤、石楠花、薔薇、菖蒲、そして紫陽花。。。 しばらく毎週のように季節を代表する花たちの共演競演が続きます。 まず先頭をきるのは躑躅。 ここでは五月(さつき)もあわせて躑躅

      • 東京路地紀行 41 北新宿、中野、神田川

        今年もソメイヨシノが散り始めた4月上旬の夜。 神田川沿いの桜と右岸の北新宿、左岸の中野の路地を歩きました。 川べりのソメイヨシノは満開を過ぎて散り始めていましたが、まだ花筏をつくるほどではありませんでした。 さて、この川べりの遊歩道に並行するように路地が広がっています。 西新宿は昔からの木造住宅密集地域(木密地区、と呼ばれます)が再開発できれいさっぱり消え、代わりに高層マンションが何棟も建っています。 一方こちらの北新宿はそのような再開発から忘れられたように昔の姿を残した

        • 東京探索記 17 武蔵野の桜

          4月7日(日)、暑さを感じるほどの快晴の日曜日、友人たちと小金井から武蔵野市へかけて、用水路や玉川上水を辿りながら数々の満開の桜を見てきました。 玉川上水の両側の桜。 小金井公園そばの玉川上水の両岸にそって桜並木が続いています。 見ると空が広いです。上水の流れのそばに寄ってみると、たくさんの切り株。どうやら伐採されてしまったようです。本来の玉川上水は狭いながらも峡谷のような鬱蒼とした場所です。まあこれはこれで眺めがよくていいのかもしれません。 桜堤の桜。 こちらは武蔵野市

        東京探索記 19 落合の牡丹

          東京探索記 16 新宿常圓寺の夜桜

          新宿区西新宿の青梅街道沿いにある常圓寺では、境内に何本かの桜があり、お花見のこの季節になると夜も21時まで開門し、ライトアップしてくれています。 今年は開花が遅く、今週(4/1週)になってやっとお花見ができる咲きっぷりとなりました。 この寺の桜は枝垂れ桜とソメイヨシノ。 枝垂れ桜のほうが開花が早く、4月1日時点で満開、 ソメイヨシノはまだ寂しい咲き方の状態でした。 下の写真のように満開の枝垂れ桜は山門に覆いかぶさるような咲きっぷり。迫力があります。 こちらは4月8日の

          東京探索記 16 新宿常圓寺の夜桜

          東京路地紀行 40 四谷荒木町

          荒木町といえばかつての花街。 いまでも当時の面影がところどころに残っています。 特に夜の雰囲気は花街を思わせるものがあります。 いま荒木町とよばれている場所は江戸時代は松平摂津守の屋敷だったところ。新宿通り(甲州街道)を尾根として北の靖国通り(紅葉川)へ向かって傾斜していく地形。この地形を生かして、途中に池をしつらえた池泉式庭園を屋敷内に持っていました。 その池、策の池(ムチの池)、地元の人はカッパ池とも、を谷底に360度全方位が坂または階段に覆われたスリバチ地形を形作

          東京路地紀行 40 四谷荒木町

          東京探索記 15 目黒~3月終わりの日の一風景~

          3月末になってやっとソメイヨシノの開花が宣言された東京。昨年の今頃はもう桜は散っていて、地球温暖化でどんどん早くなるぞと今年は3月初めから花見を身構えていた諸兄も多いことと思いますが、3月になってからも真冬の寒さが続き、結局例年通りに近いタイミングの開花に落ち着きましたね。こればかりはお天道さまの気分次第、というところでしょうか。 さて、花見目的ではないのですが、3月30日に目黒区内を散歩しました。 そういえば、江戸時代に何代めかの将軍様が、目黒の茶屋で休憩中に魚を食して、

          東京探索記 15 目黒~3月終わりの日の一風景~

          東京路地紀行 39 目黒区祐天寺

          東急東横線祐天寺駅と中目黒駅の中間あたりに残っている路地。 どちらの駅からも同じくらいの距離、どちらの駅前商店街も利用できるということでしょうか、それは便利かも。 そんな場所にその路地たちはあります。 付け加えるとこのへんの路地は土地の高低差を利用して低いところに位置しています。崖上側の道からだと路地の全容がよく見えます。 少し遠目に構えると、銭湯の煙突が見えたり、 隣の路地では中目黒駅まえのタワーマンションが視界に入ってきます。 崖下側に下りると見えてくる風景はまた

          東京路地紀行 39 目黒区祐天寺

          東京探索記 14 荒木町の夜桜

          今年(令和6年)は3月にはいってから寒い日が続き、桜の開花が昨年よりも遅れているようですね。 というか平年並みに戻ったというべきでしょうか。地球温暖化で年々開花が早まるばかりかというとそうでもないようで。 これはソメイヨシノの開花のことですが、それとは別に毎年満開の桜を楽しみにして観ているのが、新宿区荒木町の弁天池のほとりに咲く早咲きの桜です。 昨年は3月17日に観にいくと満開でした。ところが今年は行くのをついうっかり忘れ、さらに雨なども重なりタイミングを逃していたのですが

          東京探索記 14 荒木町の夜桜

          東京路地紀行 38 目黒区祐天寺

          東急東横線祐天寺駅前にはロータリーと商店街が広がっています。その商店街の通りから一本はずれると住宅街へと街は姿を変えます。 その住宅地の一角にやや広めの路地、普通の道とも言えなくはないですが、があります。その先を見ると階段がのびています。中目黒側がやや低く、祐天寺のほうが高いのでその段差にできた階段のようです。 近づいていきます。すてきな階段です。そして階段の上にもまた階段。 上のほうはアパートの階段のようです。 横を見るとこちらにも階段。ここは奥のお宅へ通じる階段です。

          東京路地紀行 38 目黒区祐天寺

          東京路地紀行 37 港区乃木坂

          今夜は乃木坂へ。 と言っても乃木坂という住所はありません。 六本木xx丁目か、赤坂xx丁目か、のどちらか。 ちょうど六本木と赤坂を分け隔てる谷道が乃木坂とよばれる一帯です。 いまや乃木坂といえば、某有名女性ユニットを思い浮かべますが、乃木坂の「乃木」は乃木希典大将(*1)の自宅が坂の近くにあったことから名づけられました。自宅があった場所は今は乃木神社になっています。 乃木坂の前は何という名前だったの? それは幽霊坂でした。 樹々が生い茂って昼なお暗し、夜は真っ暗な坂道で幽

          東京路地紀行 37 港区乃木坂

          東京路地紀行 36 港区赤坂

          赤坂のもう一つの路地へ。 そこは表通りからみても、 ちょっと違うぞという感じがします。 奥へ行ってみましょう。 奥まで行くと数段の階段があります。 そして右手に路地が。 おっ!これは? )^o^( 階段をおりて右方向を見ます。 おおっ!!これは行けるかも (^^♪ それこそ路地にふさわしい細さ。 玄関口でもあるようです。 大荷物をもっての出入りは大変そうですね。 路地を進むとクランク状になってやや広い小径へと でました。 こちらは通り抜け可能な路地でした。 かつ

          東京路地紀行 36 港区赤坂

          東京路地紀行 35 港区赤坂

          赤坂といえば、黒塀、焼き肉、夜の繁華街、民放テレビ局・・・ 夜の街、派手な印象の町です。 そんな赤坂にも残っている路地を歩いてみました。 六本木との境目にあたる檜坂。坂を下り切るとそこから赤坂地区。 その近くにその路地はありました。 階段を上り、奥へはいってみると夜目にも鮮やかな青い壁の家の手前に井戸ポンプが静かにたたずんでいます。 井戸本体は使えなくなっていましたが、台座の部分は塗り直されたみたいできれいになっています。そして井戸から出た水をうける流し場も残されています

          東京路地紀行 35 港区赤坂

          東京探索記 13 目黒行人坂

          東京探索記12では目黒雅叙園の百段階段で開催されている雛飾り展を紹介しました。 今回はその時に歩いた目黒駅から雅叙園への往復の道筋を紹介します。 駅と雅叙園のあいだの道筋といえば、行人坂(ぎょうにんざか)という急坂を通るのが通常ルートです。目黒の台地から目黒川のある低地まで一気におりている坂です。 なぜ、こんな急坂にしたのか、なったのか? 行人坂は江戸時代に江戸市中から目黒川の向こうの大鳥神社までをつなぐ道筋として開削されました。 高低差のある地図でみるとわかるのですが

          東京探索記 13 目黒行人坂

          東京探索記 12 目黒雅叙園にて

          閏年の2月29日、4年に1回だからというわけではありませんが、目黒にあるホテル雅叙園の「千年雛めぐり ~平安から現代へ受け継ぐ想い~」へ行ってきました。 今回は4年ぶりの開催ということです。コロナ禍のころは見送られてきたのですね。 雛飾りの展示は雅叙園内の東京都指定有形文化財の「百段階段」で行われていました。 といっても階段に朱の毛氈を敷いてその上にお雛様を並べるのではなく、階段途中にある7つの部屋、それぞれにテーマがあり、それに沿った展示が行われています。 屋敷雛、吊る

          東京探索記 12 目黒雅叙園にて

          東京路地紀行 34 港区六本木

          六本木に残る昭和な路地の2つめは、旧町名が龍土町、または麻布龍土町と呼ばれていた六本木7丁目エリアです。 龍土町とはどこか? 南の境を六本木通り、東を外苑東通り、北を星条旗通りとして、 西の境を外苑西通りとする変形菱形のエリアです。 地形は、南の六本木通りと東の外苑東通りを尾根として西北方向へ 向かって緩やかに下っていく傾斜地です。 外苑東通りのある表通り側は雑居ビルが建ち並んでいますが、 一本裏にはいると、少しだけ坂道をくだって突然、住宅街にかわります。 それもけっこう

          東京路地紀行 34 港区六本木