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東京路地紀行 51 港区麻布

高級住宅が建ち並ぶ港区麻布に残る谷間の路地。旧町名では麻布宮村と呼ばれる地区に昭和の頃から建っていそうな家々が密集した集落として今もある。ここが谷間の集落となったのは、近くにあるがま池からの水が流れてきたから。そのがま池は今もあるが、高級マンションに囲まれ、俗人の目に触れることはない。

ガマ池の名のついた電信柱

池から流れ出た水は小川となって崖下の低地を潤し、

「東京路地紀行50」で紹介した水路へとつながっていく。

崖の下にある児童遊園とこの路地の境に水が流れていた跡の暗渠が残る。

家のあいだ越しに暗渠を
擁壁と苔の暗渠

さて、その低地の路地に入っていく。平屋の家屋、木造の家屋などが数軒連なっている。どれもそれなりの年数を経ていることがわかる。

奥へと進むと、路地からさらに枝分かれした路地が何本も。これらはいずれ周囲の崖に阻まれ、行き止まり。ドンツキになっている。

わかってはいるけど、一応確かめる。人間の行動はわかっているけど同じことを繰り返す。そしてそこにあるものがあるのを見て安心する。自分の記憶が正しかった、自分の存在がそこで証明された、と。

そう、自分はたしかにこの路地に来たのだと、それを証拠として残すかのように今日もこのアングルから一枚。


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