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老いる探偵、オイタンとでも呼ばれてろ

昭和の時代に始まり、令和の現在まで新作が作られる映画に登場?した料理を自作しながら、映画自体から昨今の風潮にまで妄想が広がった記録。


材料

シーフードミックス 半分
大蒜        2欠け
玉葱        半分
ブロッコリー    半分
唐辛子       1本
オリーブ油     たっぷり
塩         大匙1

昭和六十一年(1986)に放送開始された刑事ドラマ『あぶない刑事』
舘ひろし演じるタカこと鷹山敏樹、柴田恭兵演じるユージこと大下勇次の刑事コンビが横浜を舞台に活躍。
アクション、ユーモア、ファッションのセンス等が大受け。映画化、続編のドラマと続いた。
『もっともあぶない刑事』で完結した筈だったが七年後に『あぶない刑事リターンズ』で復活。
『あぶない刑事フォーエバー』の衝撃的なラストで終わったと思っていたら、『まだまだあぶない刑事』で復活。
前作は『さらばあぶない刑事』
さらばというタイトル、それに定年退職がテーマだったので、いよいよ終焉と思っていたのに、またしても『帰ってきたあぶない刑事』?
やめるやめる詐欺か!?と思ってしまいますが、こんな詐欺なら何度騙されてもいいかも。


大蒜微塵切り、唐辛子輪切り、玉葱細切り。

退官後、ニュージーランドで探偵を開業したタカとユージ、現地警察とトラブルを起こしたことから探偵免許剥奪。8年ぶりに横浜に帰って来る。
横浜でT&Y探偵事務所を開業。
依頼人第一号は永峰彩夏(土屋太鳳)。
母親を探して欲しいとの依頼でしたが、その母はどうやらタカとユージの旧知の女。もしかしたら彩夏はタカ若しくはユージの娘?
彩夏の母親探しの最中、横浜で爆破テロを起こそうという陰謀が絡んで来る。黒幕であるラスボスは海堂巧(早乙女太一)ですが、二人の旧敵だった暴力団「銀星会」会長、前尾源次郎の息子。
無事に彩夏の母親は見付かるのか?海堂との対決の行方は?果たして彩夏の父親は誰?
というのが大まかな物語。
この映画には教訓めいたこともなければ、別に感動する程の話でもない。笑って少しホロっとしてスカッとするエンターテインメント。
観終わった後に何も残らない下らない映画と言う人もいると思いますが、それでいいんです。


ブロッコリー下茹で。

今回の新作を撮影したスタッフは37歳の原廣利監督を初め、リアルタイムで『あぶ刑事』を観ていない世代。
あぶ刑事を知らない世代へのアピールとしてヒロインは土屋太鳳、準ヒロインという位置づけで登場する港署の女性刑事を西野七瀬が演じる。
再放送で観ていた世代へは事件の鍵を握る女を吉瀬美智子、タカとユージの旧知の中国人を岸谷五朗。
テレビシリーズからの出演者は仲村トオルが相変わらずの後輩ポジション。
町田課長(仲村)の秘書の瞳を長谷部香苗、かっての落としのナカさんこと田中文男にベンガル。
そして元祖ヒロイン、浅野温子演じる真山薫も健在。正直な所、この話で薫は必要か?とも思いましたが、往年のファンは彼女の登場を期待しているので外せない。


大蒜、唐辛子、玉葱をオリーブオイルで炒める。

平日の昼間、地方のシネコンで観賞。一番大きなスクリーンで上映。客席も半分以上埋まる。関連グッズは完売と人気に衰えなし。
舘ひろしも柴田恭兵も70歳過ぎているのにアクションをこれだけこなせるのは大したもの。
それでも全盛期よりも衰えを感じているようで、
「これが本当の老いるショック」というセリフ。
彩夏が作った料理を親子三人?で食べる場面。
何を作ったのかはっきり示されていませんが、ムール貝が見えたので海鮮料理。
パエリア?ブイヤベース?
しかし彼等は赤ワインとパンで食べていたことから、ご飯もののパエリアではなく、フライパンに乗っていることからアヒージョではないかと推測。これならばオリーブオイルをパンに付けて食べることも出来る。
アヒージョは以前も作っています。今回は映画の話なので、歴史の話がお好みの方は以下も併せて御覧下さい。↓

私のようなマニアが喜ぶ、言わばあぶ刑事の型もきちんと押さえています。
伝説のユージ走り、ハーレーダビッドソンに跨ったタカがショットガンを撃つ、金色のレパード等。


魚介とブロッコリー、塩を投入。

同時期にタカとユージ共々、関係していた?とは彩夏の母ってどんだけビッチなんだ?と観る前は思っていましたが、
「女は少し位嘘つきな方がいい」というタカのセリフからも何となく納得出来る事情あり。
タカもユージも刑事ではないのにタイトルに刑事?それにクライマックスでは撃ちまくると正に荒唐無稽。一応の理由付けはありますが、あまり深く考えない方が楽しめる。


貝も開いてきた。

70代男性主演の映画が大ヒット。そればかりか本編が始まる前の近日公開映画の予告編では、草笛光子主演の『90歳、なにがめでたい』とか高畑淳子主演の『お終活』とか。
老人映画ばっかりかい?
客が呼べる若手のスターがいないということか?
或いは若い世代は映画とは配信で観るものなので劇場で映画を観るのは年配者ばかりなので、それに合わせた映画が製作されているということ?


老いる探偵、オイタンとでも呼ばれてろ

たっぷりのオリーブオイルで煮た魚介や野菜に大蒜風味と塩味がよく沁みている。
ムール貝、浅蜊、海老、烏賊と海の幸たっぷり。
海老のキトサン、貝類からはミネラルが頂ける。玉葱のアリシンで食欲増進。
ブロッコリーには食物繊維やビタミンC、鉄分が含まれる。
具を食べ終えたら、魚介の出汁が出たオリーブオイルはパンに付けたり、スパゲティに絡めたりと色んな使い方が出来る。
これで野菜炒めもいい。

最近の若者には2時間も座って映画を観ることが出来ない人がいるとか。
テレビドラマは1時間とか45分。CMが15分毎に入るので余計に集中力が続かない。
youtubeの動画は15分から30分と更に短い。それどころかTicktockはもっと短い。
そう考えていくと映画産業自体が斜陽化していて、若い人材や観客に選ばれなくなっている?

基本的には昭和に始まったドラマの系譜を継いでいますが、LGBT等に配慮?したような会話も。時代の空気も何となく取り込みながら続いてきた『あぶない刑事』
「舞台が老人ホームだとしても、次はもう難しい」と舘ひろしは続編製作には前向きではないコメント。しかしこれも詐欺かも?
もう刑事ではないのに『帰ってきたあぶない刑事』を妄想しながら、老いる探偵、オイタンとでも呼ばれてろをご馳走様でした。

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