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アヒージョン万次郎

通訳案内士として成功するという無茶な夢を見ていた頃、英語だけではなく他の言語も習得すれば、仕事の幅が広がると考えて少しばかりスペイン語を独学したことがありました。結果、スペイン語よりもスペイン料理に興味を持ってしまい、作るようになりました。以前はトルティーヤを作りました。↓

今日は同じくスペイン料理、アヒージョを作ります。

材料

大蒜     2欠け
唐辛子    1本
マッシュルーム 8個
人参     1/4
ブロッコリー 半分
富山産白海老 50グラム
玉葱     1/4
オリーブ油  150ml
塩      少々

アヒージョ、ジョといえばジョン。ということでジョン万次郎を妄想しながら料理開始。
文政十年(1827)土佐の漁師の次男として生まれた万次郎。9歳の時に父と死別、兄が病弱なので働き詰め。
14歳の時、万次郎を含む5人で足摺岬から漁に出て、強風により漂流。5日から10日程、洋上を漂った後、伊豆諸島の無人島、鳥島に漂着。
海鳥や海藻を食べ、水がなくなると尿まで飲んで143日間、生存。
アメリカの捕鯨船、ジョン・ホーランド号に発見され、救助。
ハワイで万次郎以外の4人を下ろし、米国へ。


ブロッコリーを茹でる

万次郎は本人の希望と、船長のホイットフィールドに気に入られたことからアメリカ本土にまで同行。
米国で船長の養子みたいな境遇で過ごし、英語や数学、航海術、造船技術等を学ぶ。
その後、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアで金を掘り、資金を稼いで11年ぶりに帰国。
琉球を経て、薩摩。そこで開明的な殿様、島津斉彬に様々な事情を聞かれた後、故郷の土佐へ、更に江戸へ呼ばれて旗本に。生まれ故郷を苗字として中浜万次郎に。
日米和親条約の締結に陰ながら協力。日米通商友好条約の批准書交換の使節として咸臨丸に乗り込み、渡米。


大蒜を薄切り。

江戸時代の日本は鎖国していました。海外に出た日本人の帰国は禁じられていました。しかし外国船が近海に出没するようになり、米国で生活した事情通、そして英語という特技が彼を救い、貧しい漁師から旗本という身分にまで上昇。


人参とマッシュルームを薄切り。

絵に描いたようなサクセスストーリー。っておい。
出来過ぎてないか?
どうも臭いぞ。
ジョン万次郎って、本当にこの通りの経歴だったのか?何やらおかしな節が感じられる。疑り深い私の妄想が膨らみ始めた。


玉葱を薄切り。

そもそも中浜万次郎は生前、ジョン万次郎と呼ばれたことはありません。
この名前は、井伏鱒二の小説『ジョン万次郎漂流記』から広まったもの。この小説が昭和十三年(1938)の第六回直木賞を受賞したことで有名に。
生前の名前はあくまでも中浜万次郎であり、米国では乗っていた船、ジョン・ホーランド号からジョン・マンと呼ばれていたそうです。


スキレットにオリーブ油、大蒜、種とヘタを取った唐辛子を入れて煮る。

先に書いた通り、国外に出た日本人は帰国出来ない筈が何故、戻って来れた?最初から話が通じてあったのではないか?
たまたまタイミングがよく帰国が許されたのではなく、外国の事情を知りたい斉彬に、こういう人物がいるからと事前に根回し?
斉彬の養女、篤姫は十三代将軍家定の御台所。そこから幕府に話が通り、最終的には幕臣にするという絵が最初から描かれていた?


大蒜の香が立ったら、ブロッコリー以外の具を投入。弱火で煮込む。

ペリーと交渉する際、彼が通訳を務める筈でしたが、直前になって差し止め。それまで同様、オランダ語の通詞が通訳。つまり日本語からオランダ語、オランダ語がわかる米国人がオランダ語から英語にして取り次ぐという非情にめんどくさいことに。
これは幕府が万次郎に任せたら、相手側に都合がいいように通訳する可能性があると気付いたからではないか。
黒船に乗って来たマシュー・ガルブレイス・ペリーはフリーメイソンでした。つまり万次郎もフリーメイソンだった可能性がある。
証拠ですか?
足摺岬には万次郎の銅像。その手には定規とコンパス。それらはフリーメイソンの象徴。彼等はそうしたサインをそれとなく痕跡として示す習性。


具に火が通ったら、ブロッコリー投入。塩も入れて更に煮込んでいく。

つまり、万次郎という人物はフリーメイソンのために働くように育成されたエージェント?万次郎を救助したホイットフィールドですが、捕鯨船の船長というだけではなくマサチューセッツ州議会議員。政治家です。これまたあやしい。白人が黄色い猿を養子扱いにするのも奇妙。今よりも人種差別が激しかった筈ですから。都合いいように働いてもらうためでしょう。
そもそもの話、漂流していたという万次郎達ですが、米国の捕鯨船の乗組員達とどうやって意思疎通を図ったのか?鎖国していた日本の漁師が英語を話せる筈もないし、捕鯨船の乗組員が日本語を理解出来るとも思われない。
深く考えると前提からおかしい話なんです。
鳥島に漂着したという話ですが、無人島なので彼等以外に証人はいない。漂流したという話自体、疑おうとすれば疑える。


アヒージョン万次郎

たっぷりのオリーブ油で煮た料理。アヒージョとは大蒜風味という意味。その名の通り、大蒜の香と辛み、唐辛子のピリピリ感も加わる。海老からいい出汁。特にブロッコリーの房に香と辛みあるオリーブ油がよく絡む。ご飯にもパンにも、ビールにも合いそうな味わい。
白海老は頭も殻もしっかりと食べられて、キチンキトサンを摂取。玉葱から血液サラサラ効果。ブロッコリーはビタミンCやβカロテンの宝庫。勿論、人参も。具沢山で栄養も沢山。

万次郎、貧しい漁師だったことは本当かもしれません。その境遇から抜け出すチャンスを囁かれ、それに乗っかった?ペリーと示し合わせることは出来ませんでしたが、それでも日米和親条約締結には影から協力。但し日本にではなくフリーメイソンに。
批准書交換の際、正使はポーハタン号に乗った木村摂津守や小栗上野介でしたが、万次郎は勝海舟と共に咸臨丸。この船はあくまでも護衛艦。勝も薩摩と繋がっている二股膏薬と思われていたが、万次郎も同類ということで、いくら英語が話せても肝心な所では信用されず?
これはあくまでも私の妄想ということをお断りしておきます。
教科書や正史とはまったく異なるジョン万次郎を妄想しながら、アヒージョン万次郎をご馳走様でした。

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