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スーパー蕪

蕪が来た。
どう料理?
漬物に!
ということで、甘酢漬けにします。


材料

蕪 1
昆布 10センチ
唐辛子 1本
塩  小匙1
酢  大匙2
味醂 大匙1
蜂蜜 大匙1

皮を剥いた蕪を半月切りにしてから、薄切り。

こういうことです。

薄切りしている間にふと思う。
蕪、カブ、スーパーカブ。ということから妄想開始。
世界的に有名なホンダが生み出した小型バイク。出前持ちとか配達等の商業ユースに活用されるばかりではなく、楽しみのために乗る人も多いロングセラー商品。リッター100キロ以上という低燃費、クラッチ要らずの変速機構等の扱いやすさ。カブというのは英語で子熊の意味。小さいけれどもパワフルという意を込めた命名。
カブを開発したホンダ、元々は自転車用の補助動力を製作。それが元々のカブ。今の自転車の電動アシストみたいな物。その後、それをオートバイにして販売。


切った蕪をポリ袋に入れて、塩を入れる。

袋の口を閉じて、もみもみ。
揉みながらも妄想。

私が初めて所有したオートバイも自動車もホンダ製。
その頃はアイルトン・セナが駆るマクラーレンホンダがF1を席巻。二輪レースの最高峰、WGP500ccクラスでは、ワイン・ガードナーやマイケル・ドゥーハンがロスマンズホンダのNSRでチャンピオン争いに加わるという、正にホンダの黄金時代。
フィクションの世界でも、ホンダCB750Fに乗った主人公が活躍する漫画、バリバリ伝説を夢中で読んでいました。

そんなことを考えていると、アクシデント。
塩が浸透していくにつれて、蕪から水分が出てくるのですが、手が濡れている?どうやら揉み過ぎて袋が破れた。
急遽、ホーロー容器に移して、他の調味料はそちらに投入して混ぜることに。

昆布はキッチン挟みで小さく切って投入。

先に揉み込んだ塩以外の調味料を入れて、匙で混ぜ合わせて、蓋をして冷蔵庫に。2,3時間程置いておけば、蕪から出た水分や他の調味料で昆布が柔らかくなります。それを待っている間に妄想は続く。

ホンダの創業者、本田宗一郎。静岡県浜松出身。
その地方では、やらまいかという言葉というか精神があると聞きます。
いっちょ、やってやろうという意味合いらしいのですが、正に本田宗一郎の人生はその精神を体現。
「やりもせんで、何がわかる」
そんな言葉を残したそうです。
スーパーカブが大ヒットしても、それに満足することなく、更に大きな夢や目標を掲げ、会社を牽引。
マン島TTレースという二輪レースに挑戦を宣言。それから7年後に優勝。
次は四輪ということで、F1へ挑戦。
間違いなく戦後の日本人に夢と希望を与え、技術力の高さを世界に知らしめて、経済発展にも大きな貢献。
本田宗一郎という人、社員からは恐れられてもいました。
ミスをすると工具や灰皿で殴られることもあったとか。今ならパワハラと言われそうですが、これは自分達が作っている製品は人命に関わる物だから、いい加減な仕事は許せないという考えから。
確かにバイクや自動車は、ちょっとした設計ミスや不具合で乗っている人ばかりか周囲の人まで殺す可能性があります。
立場が下の者に厳しかったということではなく、差別や特別扱いを嫌った人だったという逸話が残っています。
会議に出席した時、役員にだけ特別な昼食が用意されていると聞いたら、俺は他の皆と同じ弁当でいいと言ったとか。
縁故採用とかいう特別扱いも許さず、身内は決してホンダに入社させず。実は社名に個人名を入れてしまったことも悔いていたらしいです。会社は個人の所有物ではないという哲学を持っていました。
引き際も見事なもの。
若い技術者達が水冷エンジンの優位性を説き始めても、
「砂漠の真ん中でエンコしたら、水なんかないだろう」と言って、それまで作り続けていた空冷エンジンに固執。
しかし、各種データから水冷の方が優れていると証明されると、自らの限界を悟り、引退。後進に道を譲りました。
生きている限りは勝手なことはさせないと、いつまでも立場に固執する老害とは無縁な人。
そろそろ?


スーパー蕪完成。

大根は筋ばっていますが、蕪は滑らかな食感。勿論、大根の筋は食物繊維であり、それはそれでいいのですが。この甘酢漬けには蕪の方が合っています。
というのも、昆布のネバネバが蕪の滑らかさを際立たせる。
昆布のネバネバ成分はフコイダン。免疫力強化やウイルスの増殖を抑える働きもあり。
蕪はビタミンC豊富、カルシウムやカリウムも多く含んでいます。
甘酢を作る時、砂糖を加えることが多いかと思いますが、私はよく蜂蜜を使います。
蜂蜜にはビタミンやミネラル、ポリフェノールも。砂糖よりも重みある甘さが感じられます。

現在の日本には、本田宗一郎のようなバイタリティーある情熱的な人が少ない気がします。それは個性を殺し、画一的な人を作ろうとする教育のせいなのか、少し目立ったことをすると寄ってたかって叩いてしまう風潮のせいなのか。もう一度、世界に日本の凄さや素晴らしさを示してくれる日本人が出て来て欲しいと、凡人の私は願うばかりです。

最後に都市伝説的な逸話。
ホンダとも関わりが深い鈴鹿サーキット。
観光地や劇場などでは、設置されている自動販売機の飲料の価格が通常よりも割高に設定されていることがあります。所謂、観光地値段というものです。
鈴鹿サーキットの自動販売機も観光地値段だったのですが、これを見た本田宗一郎、
「レースを見せて金を取れ」と雷を落としたそうです。
セコイことしてないで、本業でお客さんを喜ばせてお金を貰いなさいということ。
今日も妄想と料理を、美味しくご馳走さま。

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