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漫画・火野文子×原作・泉由良の漫画書籍プロジェクトのアカウントです。

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    最近の記事

    #10 健康的ナルシシズム 後編

    ※後編から文体が戻ります  漫画版Lost girls callingを制作しながら、わたしは無意識の内にガチガチに固められていた「女子高生はこういう風に描かなければいけない」という自分の意識を、毛糸玉を一本の糸に戻すようにほぐらかすことにひたすら取り組んでいた。 その過程で、薄々感じてはいたが、自分の中に確固たる「概念的な可愛い(美しい)少女像」を喪失していること、女の子に理想美を投影することへの戸惑いにとうとう直面してしまったのだった。物語に登場する巳波達、観念的な少

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      • #10 健康的ナルシシズム 前編

        なんとかこの10回の連載で、Lostgirlscallingの製作に至るまでを時系列的に連ねてみようと試みてみましたが、改めて混迷の思春期だったなぁと思うと同時に、自分の種々のイレギュラーさが現実と衝突し生じた捩れからなる人生の長い紆余曲節を思い知った次第です。 10回目の連載で何をどう書いて閉めればいいのか、ポカンと空を仰いだ後、出来るだけ誇張せず、過不足なく、自己憐憫を排して書こうと思い、やはり1度では纏めきれないので最後の連載10だけ前後編に別けることにしました。誰か

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        • #9 更新されました

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          • #9 その手、いっぱいの欠片

            2018年は、上京してから1番多忙を極めた過酷な年だった。 作家として、堂々と制作活動を展開していきたいのに自分が何を表現したくて何が描けるのか、それは純芸術的なものなのか、それとももっと商業的な表現に寄ったものなのか、それが判明したとしてわたしの技量やわたしの気質でそれは描き得るのものなのか? 描きたいという欲求はあっても、ストレスやプレッシャーに弱く強迫神経症的気質や聴覚過敏等で日によっては落ち着いて作業に取り組むことが困難になるわたしには、何が描きたいのかという問題

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            • #8 更新です

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              • #8 missing & lost

                自分自身が引き裂かれてしまったわたしは、再び人間以外のモチーフを探さざるを得なくなっていた。 この世界で既に提出されている男の表象の中にも女の表象の中にも自分の存在を見出だすことが出来ない。 やはり自分には、人間は手に負えないモチーフなのか。 かといって掴み所の無い不定形な自分を直視し、絵に落とし込めるほど、自身を鑑賞出来る精神的な余裕もまだ無い。 人間というものを再び掴みあぐねたわたしは、出展を依頼されていた「わたしのアイドル」というテーマの企画展で提出出来るものが

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                • #7 更新です

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                  • #7 精神と身体

                    肉感的な女性 それは女性のモチーフの中でも、美化された女子高生像と同じくらい描き難いものだった。 丸みのある自分の身体をしげしげと見るたびに、じぶんが否が応でも女であるという敗北感と屈辱を嫌というほど味わって哀しくなった。 自分で選んだ訳でもない性によって、否応なしに自分の体の特徴や外形が経年によって決められていくなんてどうしてこんなグロテスクな現象がまかり通るのだろう。 もともとうっすらと感じていた自分の体の宿命に対する憎悪は、生きている価値の無い人間は痩せていなけ

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                    • #6 更新です

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                      • #6 肉の重さ

                        10代の頃のわたしは、女の子でも男の子でも、棒っ切れのように痩せた手足の長い人に惹かれていた。 肉感的な脂肪を纏わないその体に、風のように走れるような、何処までも飛んでいけるような軽さと自由を感じていた 。 未分化な性別感も重要なポイントで、「脂肪」と「筋肉」が無いことに両性具有的ロマンスと、双方がジェンダー的なあるべき性の投影を負っていないところに性別的役割からの解放を視ていた。 しかし細く尖った体に魅力や憧れを感じつつも、自分もそうならなければならないというような、

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                        • #5 サンプリング

                          女子高生に限らず、「女性(女子含む)」をモチーフとして描く際に、現実に女として存在している自分の有り様を無視することは出来ない。 架空の存在として扱うにしても、そのキャラクターが「女性」であり「女であること」にアイデンティティーの比重が少しでも傾く時、どうしても身近な女のサンプルとして自分と向き合わざるを得ない。 女子高生の頃以上に、今現在のわたしは「女」や「男」といった言葉やイメージが表す表象のどこにも己が存在していないと感じている。 アメーバから輪郭のあるもっと強固な

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                          • #5 更新です

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                            • #4 女子高生はどこだ?

                              原作が小説である登場人物達を今度は漫画として作画するにあたり、あやふやで不定形な存在だったわたしがあらゆるイメージが付加され消費しつくされてきた「女子高生」を描くことは、とても困難な作業だった。 フィクションとして割り切り大衆が希求するイメージの女子高生を描くと、当時女子高生だったわたしから強烈な猛反発と抗議が沸き起こった。 (本当のお前はどうだったっけ?) (また自分の存在を無かったことにするのか?) (今度は自分が身勝手なイメージを投影させて10代の子達を消費する

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                              • #4 更新です

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                                • #3 更新です

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                                  • #3 スカートを穿かされた子

                                    わたしはスカートを穿かない 穿かないという選択を人生のある時期にした。 デザインの良し悪しではない。スカートに付きまとう記号的な女性性の重さに、元々抵抗感を持っていたのがとうとう鬱陶しくてかなわなくなり以来身に纏わなくなった。 スカートは絶叫する  みなさん、ここにいるのはおんなです と わたしは生物学的に女性である そしてわたしにとって女性であるということはただそれだけである 自分が女であることをいちいち強く意識して生きていることもなければ、声高に主張する必要性も

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