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ショートコメディ『サークル勧誘』

「あの、すいません。うちのサークルに入りませんか?」
大学内をうろうろしていると、声をかけられる。
「楽なサークルなんですか?」
どのサークルに入ろうか悩んでいたところではあるので、勧誘してもらえればありがたいと言えばありがたい。ただ、週7日毎日活動をしていたり、上下関係や規律の厳しい、意識の高いサークルに勧誘されても困る。せっかくの大学生活なのだから、ゆるっと活動しているサークルに入りたかった。
「うちのサークルは多分楽だと思いますよ。意識低い系の活動内容ですから」
返答を聞いて、それなら良かったと、とりあえず見学させてもらうことにした。

「お前スマホいじるときはちゃんと寝転がるか猫背でいじれっつってんだろぉ!」
「なんで野菜がたくさん入ってる弁当買ってんだよ!もっと脂っこいのにしろ!」
「明日は毎月恒例の二郎系ラーメンの日だから、ちゃんと汁まで飲むようにしろよお!」
なにやら先輩らしき人の厳しめの注意が聞こえているが、その内容がかなり特徴的だった。

「あの、これ何をしてるサークルなんですか?……」
サークルに案内してくれた人に確認してみる。
「意識低そうなことを徹底した管理の下で極めていくんです。まあ、意識の低いことを意識高くやっていくんで、意識まあまあ系サークルといったところですかね」
ゆるっとしている状態とは程遠そうなので、僕は速やかに部室を後にした。

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