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アーユルヴェーダQ&A(32)

✨本日の質問
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脈診はアーユルヴェーダの診察の中でどのような位置付けにありますか?

👉お返事
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とても良い質問ですね! 伝統医学と言ったら、脈を見て病気を診断する〜というイメージをもたれている方は多いと思います。

 中医学、漢方、チベット医学、ユナニ医学など、それぞれの伝統医学で脈診の位置付けは異なると思います。

 アーユルヴェーダにおいてはどうなのか?

 アーユルヴェーダでは、病人はアシュタヴィダパリクシャーで診察するという考え方があります。

アシュタ=8
ヴィダ=種類
パリクシャー=検査

 8つの方法で病人を診察するということです。この8つの方法の内の一つが、脈診となります。
 言葉を変えれば、脈診は8つの方法の内の一つに過ぎないということでもあります。

1)脈診(ナーディーパリクシャー)👈
2)小便
3)大便
4)舌
5)音
6)触覚
7)目
8)体型

 この8つの診察方法は、実は3大古典書(チャラカサンヒター、スシュルタサンヒター、アシュタンガフリダヤ)には記述がないので、アーユルヴェーダの元祖と言われる聖者チャラカ、聖者スシュルタ、聖者ヴァーグバタは脈診は行っていなかったようです。

 では、いつの時代からアーユルヴェーダの医者は脈診をするようになったのかというと、3小古典書が書かれた時代になると脈診が登場します。13世紀頃に書かれたと言われる古典書シャーランガダラサンヒターや15世紀頃の古典書バーヴァプラカーシャに脈診の記述が初めて出てきます。

 13世紀に脈診が登場するまでは、アーユルヴェーダの聖者はどのように病人の検査をしていたかというと、五感を使って診てました。
 五感を使う検査も、(脈診も含めた)アシュタヴィダパリクシャーも、ドーシャの優勢さを知るために行います。
 より満遍なく病人の状態を検査するためにダシャヴィダパリクシャー(10の検査方法)もあり、 いずれにしてもアーユルヴェーダでは、じっくり病人と対話して問診やを検査して、その人を知れば知るほど適切な処方と治療が可能になるのです。

 そして、最終的には『光と愛で相手の心に入ることができる医者こそが、真に患者を治すことができる』というのが聖者チャラカの言葉になります。

 病人の舌や目だけを見るのでもなく、脈だけを見るのでもない、ただ単に質問をして問診だけするのでもない。
 この世界は断片的には理解できないように、患者も断片的には見てはいけない。

 医者の五感全てを使って相手のことを一生懸命に知る、患者はそういった医者の姿を見て、初めて自分の心をその人に開いて助けてもらいたいという気持ちになるのかもしれないですね。

 治療というのは、アーユルヴェーでは『チキツァーチャトゥシュパーダ(治療の4柱)』と言って2人3脚ではなく4人5脚(医師、患者、看護人、薬)で行いますから、患者が心を開くというのは治療を成功に導くには不可欠と言えます。


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