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【映画レビュー】余命10年を観て

久しぶりの映画レビュー。

私が映画観る時ってほぼ体調崩してる時かも💦 そう言えばちょうど一年前、流行り病にかかり寝たきりの時もこうして横になって映画観てたなぁ…と今、思い出しました。
まるでこの間のことのように感じるなぁ。

月日の流れ。

この一年も走り続けて来たなぁ、私。

気がつくと一年なんてあっという間。

きっと10年だって、、あっという間だよね。

余命10年ってどんな映画?
(※ネタバレあり)
映画見てない人は感想から読んでね🤓

この映画は2022年に公開された映画で原作を書かれた小坂流加さんの小説を元に描かれています。

主人公、高林茉莉を(小松菜奈)真名和人を(坂口健太郎)が演じています。

20歳の時、数万人に一人と言われる難病にかかった主人公茉莉(まつり)は、自分の余命が10年であることを知ります。

「10年しか生きられない」

茉莉は自分なりに、死を受け止めようとしていました。

ある時、中学の同窓会の知らせが届き、再会した真部和人(坂口健太郎)

親の敷いたレールを歩くのが嫌で家を飛び出し親とも絶縁状態。
和人は何をやってもダメで自暴自棄の日々を送っていましたが、ある日、自宅の窓から飛び降りてしまいます。

和人の父親から友人の富田タケル(山田裕貴)に連絡が行き、タケルは東京にいる茉莉に連絡をし、病院へ向かいます。

一命を取り留めた和人は生きる意味が分からなくなり飛び降りたと二人に話します。すると

「それって、すごいズルい」

茉莉は和人にそう言い残し病室を後にしました。

ある日、和人とタケルから電話で茉莉を呼び出しました。
そこはタケルが東京の親父と慕うの店主のげんさん(リリーフランキー)の焼き鳥屋。

和人は病室で茉莉に「死」を身勝手に軽く考えてことを謝りました。

そしてその日の帰り道。

満開の夜桜の下をゆっくりと歩く二人。

「綺麗…」

桜を見上げる茉莉。

茉莉はいつも手に持ってるビデオカメラを回しながら和人に話しかけます。

「これから どうするんですか?」

「うーん…こらからどうする…」

答えに戸惑う和人に

「じゃ、私も頑張るから…もう死にたいなんて思わないでください」

「うん、わかった」

突然、強い風が二人の間を吹き抜け、桜の花びらが宙に舞いました。

互いに惹かれ合っていく二人。

ある日タケルがに茉莉を呼び出します。和人はで焼き鳥「げんさん」での元で働くことを告げました。

茉莉は友人の紹介でライターとして、和人もげんさんで働き始め、月日はゆっくりと、でも確実に流れてゆきました。

いつも茉莉が手に持ってるビデオカメラには、たくさんの思い出がひとつまたひとつと増えて行きます。

そして、和人と茉莉の距離は時の流れと共に少しずつ縮まり和人は茉莉への気持ちを伝えます。

「自分が前を向けたのは茉莉ちゃんのおかげ」

「茉莉ちゃんにとって俺ってどんな存在?」

茉莉への気持ちを伝える和人に対し、茉莉は気持ちを受け入れません。

それでも諦めない和人。

既にその頃、茉莉の身体は病状が悪化し始めていました。

ある時、和人の前で倒れてしまった茉莉。

「もう会いに来ないで」

「会いたくない」

そう和人に告げます。

そんな茉莉を見ていた姉 高林桔梗(黒木華)は 少しでも妹が治る可能性があるのならと 違う病院を探して進めてみましたが茉莉が言います。

「治る可能があるなら戦うよ!でも私は戦うことすら出来ないんだよ!」と

「私たちってさ、どっちが可哀想なんだろね!!?」

思わず感情を家族にぶつけてしまった茉莉はふと我に返り謝り、出かけていきました。

一方、和人。

仕事中、上の空な和人にげんさんが言います。

「茉莉ちゃんと何かあったのか?」

「あ、はい」

じゃ、次だな」とげんさん。

次なんて無いですよ

「へー、良い事言うな」

「確かに次なんて無いよな」

人生は一回切りだ

愛する人に出逢えるなんて奇跡みたいなもんだ

お前は良いよな、そう言う人に出逢えたんだから

「和人、今日もう上がっていいぞ」

茉莉のことで頭がいっぱいな和人に言いました。

「ありがとうございます」

げんさんは優しく和人の背中を押し和人は街へ茉莉を探しに飛び出しました。

一方、茉莉は自暴自棄になり、街をふらつきながら歩いていた所を和人が見つけ出します。

そして和人はもう一度告白しました。

「隣には茉莉ちゃんがいる」

死にたいって思ってた俺に生きたいって思わせてくれた茉莉ちゃんの為に俺は生きる

「これからは俺が茉莉ちゃんのこと守るから」

「だから…一緒にいてください」

「バカ…」

「茉莉ちゃん…好きです」

「同窓会なんて行くんじゃ無かった…泣」

茉莉は和人を受け入れました。


しかし…その日は確実に近づいています。

彼女は私小説を書き始めました。

愛しくて幸せな時間はあっという間に季節は流れて行きました。

その日が刻々と迫る中、茉莉は小説に思いを綴り続けます。


小説は編集者の友人の藤崎沙苗(奈緒)に託すことに。


茉莉と和人は冬のスキー場へ旅行に出ました。

和人は指輪をもってプロポーズ。

「カッコよく渡そうと思ってたのに…」

「俺、茉莉ちゃんが居ればなんだって出来るって思うんだ」

「俺と結婚してください」

「カッコ悪かったからダメー」

と茉莉は笑いながらプロポーズを受け流します。

幸せな一時を過ごした二人でしたが、翌朝目が覚めると和人の横に居るはずの茉莉が居ません。

部屋を出て歩く茉莉を見つけた和人が

「俺、何かした?」

「いや、全部私のせい」

「…治らない病気なの」

「だから…もう一緒に居られない」

「ごめんなさい」

突然、茉莉に告げられ、混乱する和人

「10年生きた人は居ないんだって」

「何で?!何で茉莉が!??」

「ずっと思ってた、何で…私なんだろって」

「余命10年って笑えるよね、長いんだか短いんだか」

「退屈でボケちゃうかと思ってた、さっさと死なせてくれって」

「けどカズくんに出会って…毎日すごく楽しかった」

「だけど、もうここまで」

「これ以上一緒にいたら、死ぬのが怖くなる」

「カズくん、彼女にしてくれてありがとう」

「カズくんは…しっかり生きてください」

「お願い、わかったって言ってよ」

「最後のお願い…」

声を震わせながら絞り出すように和人は

「わかった…」

「ありがとう…」

茉莉はそう告げると泣き崩れる和人を残し彼の元を去って行きました。

家に着いた茉莉は、母の元で泣き崩れます。

「私、死にたくない」

「もっと生きたい」

「旅行行ったり友達と遊んだり仕事だって…」

「結婚だってしてみたいよ…」

母は嘆き悲しむ娘をただひたすら受け取め抱きしめます。


2019年


病室の窓から咲き誇る満開の桜が見えます。

「もう死にたいなんて思わないでください」

と茉莉が和人に言ったあの時と同じ季節。

一方、和人はげんさんから独立を決意。

店の名前は「まつり」と決めていました。

お店のオープンにお祝いを持って駆けつけたタケルと沙苗。

「仕事終わってから開けてね、再来月発売だから」そういって沙苗は和人に手提げ袋を渡します。


夜の病室。

茉莉はビデオカメラに残された愛しい日々の思い出をひとつずつ見返し、慈しみながら見返し、そしてひとつづつ消去していきます。

最後…。

「私も頑張るからもう死にたいなんて言わないでください」

「うん、わかった」
微笑むあの日の和人を見ると記憶が甦りとめどなく涙がこぼれ落ちます。

最後のビデオを消去しようとした時、そっと目を閉じる茉莉のまぶたの裏には、和人と茉莉の迎えることの出来ない幸せな未来が次々と映ります。

茉莉の命の灯火は消えようとしていました。

一方和人は、仕事を終え、沙苗に渡された袋から原稿を取り出します。


「余命10年」              
                          高林茉莉


小説を読み始める和人。

そこには今まで聞けなかった茉莉の心の声が綴られていました。

「私、間違ってなかったよね?」

「ねぇカズくん、、、、
私の人生は、、、幸せだったよ」

「人より短かったけど、あなたに出会ってあなたに愛されて私は確かに生きてたって思う」

「だから、これで良かったんだよね」

「会いたい、、会いたいよ、カズくん」

「カズくん、、」

「、、、大好きだよ」

和人は自転車を走らせ茉莉の病院へ駆けつけました。

茉莉の手を握る和人。

「茉莉ちゃん、俺、自分の店をオープンしたんだ」

「名前は“まつり“」

「茉莉ちゃん、頑張ったね…」

茉莉は弱々しく和人の指を握り返し
微かに目を開け微笑みました


「頑張ったね…」「頑張ったね…」


涙が止まらない和人


茉莉は...静かに、余命10年、最期の時を迎えました。


再びあの時と同じ桜の咲く頃。


書店で茉莉の本を手に取ります。
茉莉の心の声を綴った本。

彼女の本は友人の手によって世に羽ばたきました。多くの人に届いて欲しいと願いを込めて。

満開の桜の下を一人歩く和人。

茉莉の持っていたビデオカメラで桜を映したその時…

あの日と同じ強い風が吹き 桜の花びらが宙に舞います。

その瞬間

迎えることの無かった幸せそうな茉莉と和人の姿が見えます。

茉莉はいつものようにビデオカメラを回し、
ながら楽しそうに和人と手を繋いで歩いています。

それは…。

茉莉の想いが 和人に見せた

あの日の

「春の幻」だったのかもしれません。

感想

今回の映画のように「病気」を通して恋愛を描く映画やドラマはよくあります。

そして、そういった話の原作は「実話」に基づいて作られている物がたくさんありますが今回の作品も原作を書かれた方(既に亡くなられています)の実話が脚本のベースとなっています。

人の「死」を扱ったもの、そこに「恋愛」や「結婚」を絡めた話も多く、この類の話って嫌う人、結構いますよね。

「感動ポルノ」なんて言葉があるくらい好き嫌い は分かれると思います。

ただ思うんですよね。

描き方はあるにしろ、人の「死」や「恋愛」ってごく身近に誰にもあるもの。

一人一人生きてる今って それぞれが「ドラマ」みたいなものなんじゃないですかね。

と言うか、それこそドラマじゃないけど「好き」とか「愛してる」すら言葉にして大切な人に言えない人って多いですよね。日本人は特にそう。

「そんなくさいセリフなんて言えませんて」

「好きとか愛してるって言わなくても伝わるでしょ」

でももし、あなたがこれから一万文字しか言葉を発することが出来ないとしたら。

限られた文字をどんな言葉にして あなたは誰に、どんな言葉にして語りかけ、何を伝えますか?

この映画は「余命10年」という限られた月日の中で、何を求め望み、何を諦め、何を選択していくかが こと細かに描かれています。

10年という月日は

長いようで短い

その限られた月日を生きる茉莉
生きる意味を見出し、未来に向かって生きる和人。

この映画は茉莉になったり、和人になったり、はたまた友人になってみたり、親になったり姉になったり。

感情移入しやすいのは、ごく身近な私たちの周りにいる存在だからなのかもしれませんね。

茉莉の立場になって観ていると、本当に苦しくて胸が張り裂けそうになります。
和人のことを愛してるからこそ、最後まで未来を約束しなかった茉莉。

愛してる人に出会えた事は奇跡。
そして愛してる人に愛されることはもっと奇跡です。

げんさんも言ってましたね。次はないと。

それをわかっているからこそ、和人と離れる選択をしたんですよね。
誰より愛する人を悲しませることになってしまうから。

それ、すごくわかります。

でも、和人になってみたらどうでしょう?
それで茉莉と別れるとか、受け入れられないなんてなりませんよね?

なんなら余命わかっていても「結婚」してたと思います、茉莉が望めばですが。

でも、茉莉はそれを望まなかった…
というより望めなかったんですよね。

それが どれほど辛いことか。

「戦えないんじゃない、戦うことすら出来ないんだよ」

「望まないじゃない、望むことも出来ないんだよ、苦しませてしまうから」

そう思ったんでしょうね、残される和人の為に。

余命10年

人の命は永遠じゃない。

生まれたものはいつか必ず「死」を迎えます。

でも、その命の期限は誰も分からない。

だからこそ、今日生きてるのも当たり前のように生きてられてるんでしょうね、私たちって。

もし、生まれて「あなたの命は○○歳まで」と決まっていたら。

それでも大切な今日を無駄に生きることが出来ますか?

例えば私、もう若くないです。

余命10年あるかも分からない。

年齢的に何が起きたって確率で言えば不思議じゃない年齢。

ましてや、自分の命を大切に生きて来なかった私。

だからこそ思うんです。

次は無い」と。

余命10年

あなたは何をしますか?

限らた時間を誰と過ごしたいですか?

どんな言葉を誰に語りかけますか?

長いようで短い10年。

ましてや1年や2年なってあっという間。

この映画を通して考えるべきことは、

人の命には皆それぞれの「期限」があると言うこと。そして「無期限」だけど「永遠」ではないこと。

後悔しない 選択をする大切さ。

あなたの大好きな人は明日死ぬかもしれない

あなたの大好きな私も今日死ぬかもしれない

そう思うだけで、自分にとって誰が、何が大切
なのか

誰にとって自分が必要なのかを見つめ直すきっかけになると思うんです。

人の「死」は普遍的なことで特別なことじゃない。

でも、身近な人の「余命」を知ったらあなたはどう思いますか?

そして自分の「余命」を知らされたら、あなたは何を思い、誰に何をしますか?何を伝えますか?

私は茉莉が亡くなってくことが悲しいではなく限られた月日を生きることの辛さと儚さ、愛する人との愛しい毎日と限りある幸せな日々が切なく印象に残る映画でした。

そして季節の流れが時折、桜で表現されていて映像も美しく、それがまた「感動ポルノ」と受け取る人も居るのかな…などとふと思いました。

RADWIMPSのエンディングもまぁ、その手の人なら「ちょっと狙い過ぎちゃう?」って思うかもですね。私は好きですけど。

しかし、小松菜奈の映画はかなり見てますが、何なんでしょ?

演技力もさることながらあの、彼女特有の透明感や儚げな感じが、、、女の私が見てても惚れてまうやろー(*」´□`)」と叫びたくなるほど。

そりゃ菅田将暉もやられちゃうよね~といつも思ってしまうあゆさんです、笑笑

個人的には山田裕貴、良いですね!ああいう友達一人は欲しい。

ちなみに東リべで大好きなドラケンを山田裕貴が演じているので尚更好きかも(何の話?😂)


と最後にボケなきゃ辛くなるくらい小松菜奈の演じる茉莉がまだあゆさんに憑依してて(イタコか👋笑)苦しくて眠れなくなるので最後にボケ倒してみました。


余命10年


あなたは誰とその年月を過ごしたいですか?

今、あなたの心の中に浮かんだ人がきっと
最後に過ごしたい人。


私はそう思います。

悔いのない人生を、、、ですね。


✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼

うるうびと
(余命10年主題歌)

歌:RADWIMPS
作詞:野田洋次郎
作曲:野田洋次郎

ホントみたいな嘘ばかり 頬張り続ける世界で
嘘みたいなホントばかり 抱えた君は窮屈そうに笑った

元気すぎるこの身体に 飽きた頃に熱が出ると
なぜか妙に嬉しくてさ 大きな声で 母の元へと駆けた

心の色、形 まるで違う
二つの魂が混ざった時 何が起こるかな

あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んで
この胸の中に 攫(さら)えるだろう

今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す
なのに僕は20センチ先の 君の方が遠い

小さすぎるその背中に 大きすぎる運命背負い
「僕も持つよ」と手貸そうにも 
この手すり抜け 主の元へと帰る

目を離したらすぐにまた
いびきをかきはじめる僕の 細胞起こしたのは

あといくつ心臓があれば 君にこの気持ちを
過不足なく僕は 伝えられるのだろう

今や人類を超える知能が 生まれているのに
僕の言葉は足踏みを ただ繰り返す

全人類から10分ずつだけ寿命をもらい
君の中どうにか 埋め込めやしないのかい

それか僕の残りの 命を二等分して
かたっぽをあなたに 渡せやしないのかい

そしたら「せーの」で
来世に 乗れる

あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んで
この胸の中に 攫(さら)えるだろう

今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す
だけど僕は20センチ先の 君だけを目指す

この一つの心臓が声の限りに叫ぶよ


あなたは私がこの世界に 生きた意味でした

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