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「健康管理を本気で考え直す会」の活動記録②健康管理システム

こんにちは、渡辺です。ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというコンサルティング会社で人事の仕事をしています。

この記事は、前回からの続きです。
(前回の記事はこちら↓)

健康管理業務見直しの全体像

  • 産業医‥産業医の契約先、コミュニケーションツールの見直し(2023.4~)

  • 健康管理システム‥Carelyの新規導入(2023.10~) ←今回はココ

  • ストレスチェック‥Carlelyへの切替(2023.10~) ←今回はココ

  • EAP(社員支援プログラム)‥Smart相談室の導入(2023.4~)

  • 健康診断‥現状から変更なし

見直し前の課題意識

見直す前は、私たち人事担当者が健康管理業務を遂行するために必要なデータを、必要なときに参照できない状態でした(他社との契約に関わる話であるため、あまり詳しくは書けないのですが)。
社員の健康管理に関するデータを収集するためには、社外の担当者にデータ出力を依頼して受領する必要があったのです。

また、社員の健康管理に関する情報(産業医面談の経緯や内容、産業医の意見書、かかりつけ医の診断書、休復職歴、休復職予定など)は、ファイルストレージのBoxで整理していました。
一応、フォルダ管理のルールを整備しているものの、ちょっと気を抜くと「あれ?あのファイル、どこに保存したっけ?」となってしまう。
結局、過去の経緯を確認するためには、Slackのログを辿る必要のある状態になっていました。

この課題意識をぼんやりと抱えていたところ、前回の記事に書いた産業医の契約見直しがダメ押しになります。
新しい産業医の先生が健康管理データにアクセスできるようにする仕組みが必要になったのです。

産業医契約見直しを契機に「健康管理に関する必要なデータを、必要な人が、必要なときに保存・参照できる業務プロセス・システムを作ろう」と一念発起し、健康管理SaaS導入を検討し始めました。

Carely(ケアリー)を導入

結論を言うと、導入したのはCarelyというSaaSです。

検討スケジュール

2022年12月 候補となるシステムの情報収集を始める
2023年5月 Carely+他1社をトライアル利用
2023年6月 Carely導入を社内決定
2023年7月 導入準備
2023年10月 人事アカウントのみ利用開始
2023年11月 過去の検診データ移行
2023年12月 一般社員アカウントの利用開始

思い立ってから導入まで、およそ1年。
余裕をもったスケジュールであったため、実質的に導入に要した時間は4~5ヶ月程度でした。

情報収集の場面では、SaaSベンダーさん複数社に問い合わせる、SmartHRのユーザー会「PARK」に相談する、という行動をとりました(ちなみにこの時のPARKの情報が集まるスピードは凄まじかった)。

Carelyを含む2社にトライアル・アカウントを発行してもらい、社内でウォークスルーをしたのも良いプロセスでした。

比較検討の観点

①データの閲覧権限設定
上記のとおり、「健康管理に関する必要なデータを、必要な人が、必要なときに保存・参照できること」を重視しています。
ウォークスルーを通じて、閲覧権限をどのように設定できるかを慎重にチェック。
Carelyは「人事のみ」「人事+産業医」「全社員」の3段階で閲覧権限を設定できます。この点が、私たちの業務プロセスに合うと感じました。

②既存システムとの連携
人事データベースとしてSmartHRを使っています。
そのため、SmartHRからの人事情報連携はマストです。
また、社内システムは可能な限りOktaを用いたSSO(シングルサインオン)を実装する方針です。
これらの要件からもCarelyを選びました。

ちなみに、健診予約機能(社員が個々に健康診断を予約する機能)はほとんど重視しませんでした。うちの社員の場合、全員一律に「この日にここで受けてください」と指定する方が向いていると考えたためです。

Carelyを3ヶ月使ってみた感想

今のところ、とても良いです。
最も良いのは、「トップメニューを見て、最初にどこをクリックすればいいか分かる点」です。これ、大事だと思うんですよ!

人事担当者の頭の中にこれからやりたい業務があって、Carelyを開く。
トップページのメニューのどれをクリックするか。
これで戸惑うのって、けっこうストレスになりませんか。

Carelyの場合は、どんな機能があるかが直感的に分かる。
人事担当者の業務プロセスをとてもよく研究されているなーと感じています。(もちろん、根拠法が明確で会社による業務差異が少ないという点も寄与しているでしょう)

産業医の先生とのやりとりもスムーズ

産業医の先生とのやりとりも、めちゃくちゃ楽になりました。
前月までの勤怠データ・直近の健診結果・社内面談ログを、社員番号をキーにして一括で情報共有できるのはありがたい。

これは先生の性格に依るところが大きいですが、産業医の先生もCarelyを前向きに活用いただいているようです。「Carelyを使うのは初めて」と仰っていましたが、先生のIT活用度にも大いに助けられています。

過去の健診データ移行はけっこう苦しんだ

利用開始にあたり、過去数年分の健診データをCSVで移行しました。
(実際にデータ移行を頑張ってくれたのは、私ではなく他の人事メンバーです)

が、データ移行は苦戦しました。ちょっとナメてましたね。
(そういえば、過去のシステム導入時もデータ移行の工数見積が過少だった。これはそろそろ反省せねば‥)

Carelyの問題というより、健診データ中の特に問診情報のデータ構造に問題がありました。CarelyのCSV投入形式に変換するにあたり、マクロも活用したデータ加工が必要な状態。

今後、定期健診や雇用時健診を進めるにあたっては、Carelyへのデータ投入を前提に考える必要がありそうです。

次回は、「Smart相談室」の話

次回は、健康管理を本気で考え直す会の最終回。カウンセリング・コーチングサービスの「Smart相談室」の導入プロセス、使用感を書きます。

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