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#与謝野晶子

与謝野晶子訳『源氏物語』 三 空蝉 ~私流 源氏物語の読み方~

与謝野晶子訳『源氏物語』 三 空蝉 ~私流 源氏物語の読み方~

さて、空蝉である。
「私流」などと格好のいいことを言ってはいるが、ようするにただ勝手に読んで勝手に書いた感想にすぎない。

空蝉とは、前回『二 帚木』で源氏が夜這いに失敗した相手の女性のことを指す。彼女の名前であるのかどうかは知らない。多分、名前ではないような気がする。そもそも、源氏物語では人名が出てくることはほとんどなくて、場所や館や階級や職種だけで人物を特定することが多い。「空蝉」という表現は

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与謝野晶子訳『源氏物語』 一 桐壺

与謝野晶子訳『源氏物語』 一 桐壺

なんとなく待ち時間が出来て、安売り電子書籍を漁っていたら出てきたわけで。『源氏物語』が。

谷崎潤一郎訳と与謝野晶子訳があったわけなんだけど、谷崎潤一郎訳はなんとなくねちっこそうで(個人的感想です)、与謝野晶子訳にしてみた。母がかつて「途中で面倒臭くなった」とか言ってたっけ。そういうような経緯で読みはじめたんだけども、なんだかそれなりに面白くて、スキマ時間で読んだりしている。だがしかし、与謝野晶子

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与謝野晶子訳『源氏物語』 二 帚木 ツッコミだらけの読書日記

与謝野晶子訳『源氏物語』 二 帚木 ツッコミだらけの読書日記

「帚木」は「ははきぎ」と読むのだそうだ。
信濃国園原伏屋にある木で、遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の木であるらしい。そこから、近づいても逢ってくれない人、逢えそうで逢えない人の喩えに用いられる。源氏物語の「帚木」はまさにその意味であって、「逢えそうで逢えない人」というのは「空蝉(うつせみ)」。そういうようなことは、教えてもらわないとさっぱりわからない。

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