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少女時代をこえて

先日、30歳を迎えた。
少女時代、自他ともに認めるピーターパン症候群だった私にとって
「30」という数字は、一種の覚悟をして迎えた感覚だった。


今、私は東京で、夫と2人暮らしをしている。
2人で気ままに幸せに暮らしているけれど、将来のことを考えて、先日初めてファイナンシャルアドバイザーの初回相談に申しこんだ。

自由が丘のカフェで待ち合わせをしたその人は、スーツを着た50代の男性だった。今の2人の状況を30分ほど伝えた後、彼は一枚の紙を見せてくれた。
今日から先の私と夫の人生の流れが、ずらりと並べた数字で記されている。
重要な話の途中なのに、なんだか彼が、『モモ』の灰色の男に見えてきてしまう。
「私の人生は有限なのだ」と、頭がぼうっとするような感覚になった。

永遠に続くような気がしていた10代も、20代も、終わった。
人生に終わりがあることは当たり前のように知っていたけれど、私は確かに、終わりに向かって歩んでいるんだ。
「男性の平均寿命は女性より短いので……」と、その人は続ける。
たしかに私のおばあちゃんは2人とも、おじいちゃんに先立たれているけれど。
夫との日々も有限であることを想像するだけで、胸がぐーっと苦しくなった。


夢みたいなことばかりに憧れて、ずっと頭の中の物語だけで楽しめるような幼少期だった。頭の中の物語を実現させたいと、夢中になって学ぶ日々を過ごした10代だった。そして、夢と現実との間で、自分なりの答えを必死に模索した20代だった。

30歳は、幼少期からの想像も及ばなかった数字だ。
想像力が豊かすぎた私は、「こうなりたい」という夢を山ほど描きすぎて、その自分への壮大な期待に勝手に心が折れたり、誰かと比較して勝手に落ち込んでいたことがたくさんあった気がする。
だけど、なんだか今は少し違う感覚なんだ。

少女時代の私が描きまくった夢の数々から解放されて、30歳の私として、真っさらなキャンバスにのびのびと描けばいいんだ。
過去の私が描いてきた夢もキラキラ輝いているけれど、今の私だからこそ描ける世界がきっとある。

「人生は有限だ」と改めて気がついて、「人生を記そう」と思った。
少女時代から、描いて書くのが大好きなのに、人に見せる勇気がなかったんだ。でもなんだか、声を上げてみたいと思った。
生きてる記録として、残してみたい。


私は描くことと書くことが大好きです。幼い頃から、今もずっと。
そして、見ることや読むことで心を救われてきました。これも、30年間ずっと。
だから、こうしてささやかなブログを初めてみようと思います。
幼少期から夢見ていた「自分のものづくりで、誰かの心にそっと明かりを灯したい」という想いが、ずっと消えないから。
想いは抱えていても届かないって30年経ってやっと気がついたから、ここに記していこうと思います。
いつか出会った誰かの心に、そっと微笑みを届けられたら嬉しいです。


過去、少女時代に書いていたブログはこちら(2013〜2019)

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