(偏見と独断に満ちた)ひとりごと
新月。今日はここ最近何となくずっと考えていることを、つらつらと書いてみようと思う。
個人的なことで言えば、先月は別府と東京で「ひらがなえほん」絵本原画展を開催した。オーガニック喫茶pirica でも谷中のギャラリーkuukiでも、多くの友人知人などと再会し、本当に嬉しい。東京で過ごした15年間はどうにも苦しい時期も多々あったけれど、確実な私の基盤を作り、様々な人々との出会いが生まれた私の居場所だった。かつて多くの時間や場を共有してきた人たちとの再会は、懐かしく心から温まるものとなった。
私は自分の安楽を求めて大分にUターンした。焦燥感や何かを成さなければと生き急ぐ人々のるつぼである東京は、「シンプルに日常を生きる」という意識を保ちにくい。私は慣れるのに5年かかった。常に何かと比較し、誰かと競い、人に影響を受けないためには内向的にならざるをえない場所。絶えず新鮮な刺激と感性と情報が秒速で巡る場所。それが私にとっての東京だった。
皮肉なもので、実際は大分にいる今の方が忙しない。田舎生活を味わう余裕がない。東京では心地よい環境が整って、自分のペースで生きる状況が出来上がっていたが、今は抗えない何かに乗せられている感じ。しかしそれも抗わない方がいいという直感だけがあり、苦痛というわけではない。東京では食べなかった冷凍食品やカップ麺をよく食べているが、それすらありがたいと思えるので、まあいい。
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