35日目 ミーケービーチ・古着屋デート・カプセルホテルのひと時

ダナンの1番の観光地といえばやはりビーチということになるだろう
異国を訪ねているものとして、なんとなくの義務感で特に有名なミーケービーチに行ってみた

まぁそりゃ綺麗ではある
海のすぐそばにビルが建ち並び
リゾート感ある

でも行ったところでなんということはない
第一、僕は海洋恐怖症なので海には入れない
浜辺から海を眺める分には別に問題はないが、そんなのはすぐに飽きる
ビーチパラソルの下寝転んでいる綺麗な女性たちもいるが、別に特段良いというわけではない、水着は好きじゃない
ビーチ沿いを歩いても、すれ違うのはサングラスのよく似合うマッチョで上裸の男性と、なぜなのか不思議になるくらい際どいラインの水着を着た女性
こんなに積極的に肌を出したがる人種と同じ空間でくつろげるわけがない、ただ精神が疲弊していくだけだった

どんだけ元気あればこんなことできるんだ…

唯一心を許せたのはビーチで三点倒立の練習をしている小太りの白人おっちゃんだけだった
成功には程遠い三点倒立を僕にみられて恥ずかしそうにしているのが可愛かった

昨日のクラブもそうだが、異国に来ているからといって観光ベースで旅をするのはもうやめにしよう

疲れた精神を癒すパイナップルジュース
ビーチのそば
鳩のためのおしゃれな家、悪趣味
誰もみてないけどトムジェリ放送してる公園、良趣味

昨日行けなかった古着屋に行く
英語が堪能なベトナムの子がお気に入りの古着屋らしく、店内を案内してくれる
ベルトを持っていないためウエストを必死に折り曲げ、それでも裾を引きずってしまっているジーンズと、ビーチ帰りの汚れた安物サンダルという非常にみすぼらしい格好の僕
それに対して彼女はピシッと決まった格好でジャケットのコーナーなんか見ていた
明らかに不釣り合いで恥ずかしかった
なんとかメンツを保とうと、旅に出るにあたってほとんど服を持ってきていないんだと必死に弁明する
みっともない限りである

その店では1500円くらいのものを35円にするというわけわからんセールをやってた
ジェケットやジャンバーみたいなのも結構な数売ってはいるが、冬になったとしてもベトナムで着る人がいるのか甚だ疑問だった
僕は早急に必要だったベルトだけ買った

僕の拙い英語にも彼女は優しく話してくれた
僕が奇抜なサングラスをかけても笑ってくれた
すっかり気を良くした僕は、自分の情けなさを棚に上げてこのあとカフェに行こうと誘ったが、クールに断られるのだった

初めてカプセルホテルなるものに泊まった

いざ自分が中で過ごすとなると秘密基地感があってワクワクする
そのせいで興奮してしまいしばらく寝れなかった、大好きなサンタナのウッドストックのライブなんかみて1人悦に浸っていた
2時をすぎた頃僕の上の段のやつが帰ってくる、遅くまで飲んでいたらしく非常に上機嫌で鼻歌なんか歌っている
深夜のドミトリーだというのに鼻歌とは思えない爆音
僕の楽しい秘密基地ライフはこのけたたましい鼻歌にかき消されてしまった
イライラと共に毛布にくるまって眠った

今日の自立散歩のお供
グレイトフル・デッドのライブ盤

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