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【デザインの観察】 ディズニーシーで配色と街のデザインの観察をしてみた

こんにちは!デザイナーの北島です。
先日ディズニーシーに行ってきたんですがデザインオタク的に最高の場所でした。

今回はディズニーシーの地区ごとに配色と意匠、場所づくりをまとめ考察してみたものをnoteにまとめてみようと思います。700枚写真撮ったのでパソコンがシューシューいってます。
スペシャルサンクス!いっぱい紹介してくれたDオタの友達!


追記:ランド編も出しました!


アメリカンウォーターフロント

昔のアメリカをモチーフにしたエリア。20世紀初頭の雰囲気を再現しているらしいです。

タワー・オブ・テラーやでかい船、タートルトークがあります

工業発達してる感ある街並み

煉瓦造りやスチールの質感が多く使われていて、工業発展したな〜〜!!感があります。色彩は他の地域に比べて黒に近い重い色が多めに使われていたり、金属を色づけているあたりで工業力を感じます。

ニューヨークエリア。フォントは装飾的なものが多くて、ショーやミュージカルを楽しむ富裕層が好きそうな華やかなイメージ。フォントも装飾的なものが多い。端っこ巻きがち

大通り以外の街の風景は少し港町っぽくなっていて、都市感が残りつつも実際に人が働いていそうな無骨さがあります。かっけえ〜

船から下ろしたであろう樽や荷物などが所々に置かれていて、綺麗すぎないことで実際に使われている感が出ている。リアルさってこう作るのか…

下町の風景は少し色褪せた色や質感が使われています。潮風で風化した感じがリアル。

この辺りはダッフィーのグリーティングスペースがあるのですが、色味が絶妙に合ってます。
褪せた中でも赤がしっかり発色しているのでちゃんと目も引く。

フォントは意外にバラバラ

フォントは骨太なものが多い印象で、銅板印刷由来の書体もあります。工業的雰囲気をフォントから醸し出しててすき…

統一したフォントでないのも本当の街っぽいぞ!!
メニューや看板など。雰囲気を出しながらちゃんと情報伝達してる。左二つのメニューの英字は同じもの。メニューは分かりやすさのためにフォーマット統一してるのかな

街灯コレクション

金属の装飾に余裕がでとる!!電灯だけでなくてガス灯もあるあたり、発展途上の変革期を感じます。これはロマンです

配色

レンガ含めて赤の印象が強く、それを濃く鮮やかな青と白で締めてて工業的でアメリカ的だけどめっちゃ可愛い街になっててすごい〜なにかしら加工していて素材自体の色を使っていないので全体的に鮮やかです

この配色好き




メディテレーニアンハーバー

パークの玄関口に位置する、南ヨーロッパをモチーフに作られた港町です。ヴェネツィアみたいですごく綺麗。

淡い色合いの街並み

欧州的な淡い色の壁が綺麗。下町は土っぽいベージュ色が多くなるので壁を染めるのは割と裕福な地区なのかもしれない。所々ダミーの窓や扉があったのは掃除の手間を省くためなのかなとか思っていたら、友達が「プロジェクションマッピングしやすいようにかもしれないね」とナイス考察をしていて尊敬しました

この地区ではディズニーシーの中でも古きよき都市的な意匠が多いように感じます。蔦のような装飾が多い印象。

イタリア語で書いてありますね。錆びた銅の緑青色のフレームは雰囲気があって素敵。
ソアリンの地区はまた雰囲気が違って、金や白が多く豪華。

街灯コレクション

機能的ながら蔦のような装飾が綺麗です。左下二つはソアリン内の街灯ですが、より装飾的でありつつランプ部分はすっきりした球体で、周りの白い壁に映えてます。
街の中の装飾は波打つような形の柵や、柱に魚の装飾をしていたり、水や川にまつわるような形が多い印象

配色

ペールカラーが多いながら、金属や染色した木材で黒や深緑を使っているのでしっかり締まっています。




ポートディスカバリー

ここは20世紀初頭の時代の人々が思い浮かべていた、時空を超えた未来のマリーナという設定らしいです。

ニモのシーライダーやアクアトピア、鉄道の乗り場なんかがあります
波風にさらされた港のリアル感と、未来的なモチーフが混在している

緑青っぽい色が綺麗

この地区では色彩として銅色と、青銅をモチーフにしたと思われる緑青色がよく使われています。(緑青とは青銅という合金が時が経つにつれて酸化し青緑になったものです。元々は新品の10円玉のような綺麗な銅色。)

緑青の知識については、大阪城の屋根の色が中間色でおもろいなと思って勉強した時に得ました。なんでも調べておくものですね

銅色と緑青を使って、金属感と経年劣化感を出しつつ、未来的なモチーフを使って実際にありそうな近未来の雰囲気を押し上げているのかなと思いました!

屋根の上には未来的な造形が多いけど古いものらしく経年劣化が激しい。存在しないものが存在して、経年劣化までしている風景に「時空を超えた未来のマリーナ」をめちゃくちゃ感じる


ニモのシーライダー近辺

このエリアは建設が最近なこともあり、より近未来的に寄っている気がします。色彩も絵の具の色
に近いロイヤルブルー、スカイブルーとアルミっぽい銀色に特色っぽいオレンジがかっこいいですね〜〜この色合わせは私にはまだできない…
画像中央の三本の波をモチーフにしたロゴが様々な形でにもエリア全体に転用されている。「マリンライフ」という企業が運営している設定なので企業感あるかっちり感はディズニーで他に見ない感じがします
この魚群を奥行使ってとかではなく、金属の一枚板にしちゃうあたりすごい。金属表面の揺らぎが鱗か波の反射っぽくて好きです!

街灯コレクション

古典的な形から、デザイナーズライトで見たことがありそうな独創的な形まで様々ですが、枠のような金属の棒の装飾があることで統一感があるように見えます。この枠の装飾は建物にもよく使われていて、ライトだけでなく全体の雰囲気づくりとして機能していそうです。

ロゴ、サインはスチームパンクっぽい

サインやロゴは開園当初から変わっていないからかスチームパンク的なイメージが強い。トイレのマークがダヴィンチのウィトルウィウス的人体図っぽいけど、方角を表したようなコンパス模様の上に図があるので黄金比を測っているわけではなさそう

配色

緑青色を基本として、寒色とオレンジ系(オレンジと真鍮、銅っぽい色)、アルミの銀などでまとめていて、金属のしっかりとした印象が強いです。ニモのシーライダーで多用されるロイヤルブルー、スカイブルーは後から色彩設計に加えたはずですが、スチームパンク的な雰囲気にこの青達を入れようと思った(そしてまとめ上げた)デザイナー凄すぎる



マーメイドラグーン

アリエルとその仲間達が住む海中の世界を中心としたエリアです。全体的に抽象的な形が多い印象です。
滞在時間が短かったので写真が少ない

水がないのにめちゃくちゃ水。波のような流線形と巻貝など海のモチーフの要素を組み合わせて作ってるのかな…パラソルも波打っててこういうサンゴの仲間ありそう。

人工感がないアニメのような装飾

外観を見ても思いましたが人工感が全くありません。作っていないような質感を出すためにフラットな面を逆に作ったりしている。海の仲間は建築とかしないんですね

各エリアでは実際に作られ、使われているようなゴミ箱があったが、マーメイドラグーンでは絶対に作られないイラストが貼られている。柵もアリエルの世界の溶接技術で作らなそうな、波がそのまま形になったような造形と色彩。レストランの看板も同じ。

街灯コレクション

生えた??と言いたくなる有機的なランプが多い。アリエルの世界にぎりぎり生えそうなランプ。光り方も電球を感じないというか、自然と光出したようだったのもとても素敵でした

一箇所右から三番目、右端のような作れそうなランプも見つけたが、巻き巻き要素や貝っぽさなど、やはり絵本の世界に近い

配色

配色としては人工感のない装飾とは逆にとても人工的。自然と作られないような色が、自然と湧き出たような形に乗せてマーメイドラグーンみたいな夢のような世界を作っているんじゃないかと思いました!

意外とブルーは少なかったのが意外だった。安直に青を多用せずに海を表現するの強すぎんか




ミステリアスアイランド

南太平洋の火山島で、謎の天才科学者・ネモ船長の秘密研究所が広がっている設定。
私たちご一行は子供連れだったので、このエリアは乗るものがなかった…

海底2万マイル、センターオブジアースなどがあるエリア。ここも緑青由来っぽい色が岩に映えてます。
火山島だけあって岩や洞窟が多く、サインや装飾なども岩に打ち付けられている。

設置方法にリアリティがあるロゴ、サイン

自然のものにくくりつけたり柱に板をくくりつけたり、こういった自然の場所ではそうやって設置するよね〜〜〜というあたりにリアリティがある…人が開拓したんやな

マゼランズの周りは整備されてる

ポツンと存在する高級レストランのマゼランズ。ここの周りは洞窟感がありつつも石レンガでしっかり建物として作ってあってちゃんと高級感が出ている

街灯コレクション

配置もランダムだったり、種類も様々で「手に入ったランタンを暗くて不便だったとこに置いていったらこうなるよな〜〜」という感じがすごいリアル。

配色

もう配色とは?という感じだけど岩の面積がすごく大きく、その周りを緑青色や金、鉄などの金属が色としても素材としてもしっかり締めている。たまにある差し色の赤は鉄のサビの色だし、合わないわけないよな〜素材に沿った配色になってる気がする




ロストリバーデルタ

古代文明遺跡発掘現場をモチーフにした、中央アメリカ、及びカリブ海沿岸の熱帯雨林地域をテーマとしたエリア。草が多いです

インディージョーンズ、レイジングスピリッツなどがある
古代文明と開拓者たちが持ち込んだものが混じり合い村になったような感じ
電線がある!!!!電線はこのエリア以外見なかった気がする。まだ開拓したばかりで電気を電線で引いたところなんだろうか

手書き感あるロゴ、看板たち

その場所にあるものにペイントしたような看板が多い。開拓したばかりでちゃんと看板発注しようとかならないよね…リアル…

街灯

ランタンがそのまま吊り下げられてるのなど、ここはミステリアスアイランド以上にあるもの使った感。
このエリアはもう配色というか素材構成になってます。遺跡と草木に加えて銅のさびや木材など、素材そのまま使いつつペイントや伝来品で色彩がある感じ。




アラビアンコースト

アラジンの世界のような、魔法と神秘に包まれたアラビアンナイトの世界です。宮殿がメインエリアですが下町も港もある。

アラジン系やシンドバッドのアトラクションがある。

場所によって鮮やかさ、素材の違う布の装飾

宮殿エリアでは左のような鮮やかなシルクの装飾、下町では右のような絨毯素材の少しくすんだ使用感ある布で装飾されていて、使える布の違いがあるのがすごくリアル。
流石にアラビア語で書くわけにいかなかったのか、トイレの表記は「プリンス」「プリンセス」になってる。豪華さを作るためか比較的装飾は多め?

エリア全体にパターン模様がある

アラビアンエリアでは至る所にパターン模様が使われています。タイルであったり木の加工で作られてて、工業に優れ金属が多用されている欧州モチーフのエリアとは文化が違う感がありますね〜〜〜

街灯コレクション

意外と街灯の数が多く、またエリア内でほぼない金がほとんどの街灯に使われている。パンチで抜いたような細かい装飾も宮殿っぽくて素敵。

配色

意外にも白っぽい外壁が面積的に多く、それを寒色系の綺麗なタイルが締めたり、金の装飾を足したりして宮殿感ある配色を作ってました。



まとめ

ディズニーシーでは、背景と過程を考慮して素材や色彩に反映されている印象を受けました。私も配色に迷ってましたがただ色合わせを覚えるだけではなく、どう世界が成り立つかから考えないといけないと思いました…ディズニーすごい…ランドも行きたい


スペシャルサンクス

・一緒に行ったやつがパシャパシャ写真700枚撮ってても許してくれた同行者一行の皆さん
・素敵な解説してくれたディズニーマニアの友人


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鮎
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