①女性ホルモンの働き
女性特有の、約1カ月周期の心身の変化をつくり出しているのは、
おもに女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。
脳からの指令によって卵巣から分泌されるこれらについて知ることは、
女性として生きていくうえでとても大切です。
2つの女性ホルモンについて正しく理解しましょう。
女性ホルモンと月経の関係
女性ホルモンには、
卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と
「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つがあります。
月経のある女性の心と身体の状態は、これらのホルモンの影響を受け、
約1カ月の周期(=月経周期)で変動するものです。
エストロゲンには、
・代謝アップ
・精神状態の安定化
・肌の潤いやツヤを守る
といった、女性にとってうれしい作用がたくさんあるので、
エストロゲンが増えていく卵胞期は「心身ともに好調」でいられる時期です。
一方、エストロゲンが減ってプロゲステロンが増える黄体期は、心身ともに不調になりがちです。
この時期は、排卵を合図に妊娠を維持しやすい状態に身体を整えようとして、栄養や水分を体にたくわえようとします。そのため、太りやすい、むくみやすい時期でもあります。
エストロゲンとプロゲステロンの両者の分泌が下がりきると、次の月経が始まります。
女性らしさをつくるホルモン「エストロゲン」
エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンで、
成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育、維持させる働きをもっています。
女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンです。
その分泌量は毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、
およそ20年間の性成熟期を経て、ホルモンを分泌する卵巣の機能は少しずつお休みモードになります。
そして、45~55歳の更年期になると、分泌量は急激に減ります。
妊娠の準備のためのホルモン「プロゲステロン」
プロゲステロンは排卵直後から分泌量が増える、妊娠の準備のためのホルモンとも言えます。
基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させる働きもあります。
妊娠が成立しなければ、排卵の1週間後くらいからプロゲステロンは減り始めます。
さらに1週間くらい経つと、妊娠のために厚くなっていた子宮内膜がはがれる「月経」が始まります。
女性ホルモンの働き②では、月経周期と女性ホルモンについてお話しします!
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