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瀬戸内の魚介と日本酒と

栗林公園は東京ドーム約3.5個分の広さ!

1泊で香川を旅してきた。

うどんの名店をハシゴしたり、栗林公園(りつりんこうえん)を散策したり、フェリーで鬼ヶ島伝説の残る島に渡って大洞窟を探検したりと、日常を忘れて思いっきり羽伸し。

旅のお楽しみといえば、遊び疲れてクタクタになった身体をおいしい料理とお酒で癒すこと。今回は、瀬戸内の新鮮な魚介を味わえる「寿司処 福家(ふくや)」さんにお邪魔した。

このお通しだけで黄金の水が消えた…

福家さんはカウンター8席、奥にテーブル一卓の小さなお店。滞在中に何組か飛び込みのお客さんが来たけど、予約で埋まっていて待ちすらできない人気ぶり。料理は毎日、その日に水揚げされた新鮮な魚介が振る舞われる。

目の前で大将が握ってくれるお寿司

お寿司が絶品なのはもう当たり前。唸るを通り越して、笑ってしまうくらいおいしかったのが、季節のおすすめの一品たちだ。

入店して最初に頼んだ「鰆の塩たたき」。たたきを塩でいただくって、なんて大人なんでしょう。香ばしく炙られた外側が、中のうまみをぎゅっと閉じ込めていて、かつ塩が刺身のあぶら=うまみを引き立てる!

料理が出てきて、その手があったか…! と驚いたのが「酢の物の盛り合わせ」。てっきりタコとわかめの一品をイメージしていたら、上品な酸味の液に浸けられたハモにエビに貝に。贅沢の極み!

白子ってこんなにキレイに焼けるんだ! と目からウロコの「ふぐ白子焼き」。白子と言えばチュルチュルのやつをポン酢でいただくイメージしかなかったから、また大人の階段を上ってしまった気がする。外はサクサク、中はとろ~り、塩と絞ったレモンの味だけでべらぼうにうまい!

合わせた日本酒は、香川の由緒ある蔵元、丸尾本店の「悦凱陣(よろこびがいじん)」。歴史のある蔵元で、幕末には志士の高杉晋作や桂小五郎が潜伏していたというエピソードが残っている。せっかく香川に来たなら、ぜひとも現地で味わっておきたい一杯。

ドキドキしながら呑んでみると、辛すぎず甘すぎず、さらっとするする入ってくる。バランスがいいってこういうことを言うのかな。目の前の一品どれもによく合う、というか、魚介のおいしさを引き立ててくれる味。

ふとお酒にも、県民性が出るのだろうかと思った。今回の旅では、バスの運転手さんや鬼ヶ島伝説のガイドをしてくれたスタッフさんなど、親切を“尽くしてくれる”といいたくなるくらい、温かい人が多かった。

なのにちょっぴりシャイな印象もあって、決して押し付けがましさのない優しさ。それは、前に出すぎることなく、料理のおいしさを引き立てることさえしてくれる悦凱陣と似ている。


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