【fiction】午後に見た夢
お母さんはまだお化粧をしていないのに髪をきれいにセットしてもらっている
どこかに出かけるのだろう、クリーニングから戻ってきていた洋服を何着も旅行鞄に詰めている
厚みのあるハンガーと、丁寧に梱包されていたであろう段ボールが散乱している
出かけるんだな
高校の制服を着替えながら、「旅行、いつからいつまで?」とかまをかける
「木曜日からかな?たぶん日曜には帰るかな。」と不倫旅行を見とがめられるどこかの夫のように歯切れ悪く答える。
「そうなんだ」
「でもね、ほら、橋本さん。施設に入