中キー本

"笑いのカツアゲ"、ダメ、ゼッタイ。正しい笑いは人に優しい。「ウケるは最強のビジネススキルである。」のレビュー

元お笑い芸人で現在は"株式会社俺"の社長として、元お笑い芸人の人材紹介事業やコメディケーション(コメディ+コミュニケーション)研修事業を行う、中北朋宏さんの処女作「ウケるは最強のビジネススキルである。」。今回は、友人である中北さんからサイン本を頂戴して、早速読んでみたので感想を書いてみた。

笑いのメカニズムについて学ぶと、ビジネスのみならず人間関係、色々うまくいくであろうことがよく分かる

この本は笑いのメカニズムの解説を交えつつ、職場を舞台にした若手と上司が笑顔のある職場を目指す、笑いあり涙ありの成長ストーリーになっている。笑いがある職場は笑顔が多い。そんなシンプルな話かと思いきや、とても奥が深いなーと思わされた。シンプルがゆえに奥が深いのか。目の前の人に笑顔になって欲しい、と思う気持ちから良い人間関係って始まるのかな。

この本が目指すのは、誰かを落とす笑いではない。体温が一度上がるようなみんなに優しい笑い。

私はもっと人を気遣える人になりたい、と日々思っているのだが、この本は人に優しくなるためのヒントが隠れている。まずそれぞれの登場人物の気持ちを想像するための仕掛けが沢山ある。そして、この本が目指すのは誰かを蔑んだりする笑いではなく、相手やその場を温かい空気にさせるための笑いだ。テレビで誰かを叩いて皆で笑っているシーンを見てなんだかモヤモヤしたり、場を盛り上げようと軽くいじったつもりがただの"からかい"になってしまったり・・・。そんな誰かを落とす笑いではなく、相手を励まそう、楽しませよう、敬意を伝えよう、そんなちょっと体温が一度上がるような優しい笑いを大切にしている。そして、それをすぐに実行できるように丁寧な解説や文例が満載だ。

何度も読み返したい、コミュニケーションの教科書。

そんなこんなで、この本は笑いのメカニズムという切り口で、人とのコミュニケーションの量と質を上げられる内容になっている。読めばきっと「よし明日誰かを笑顔にしてみよう!」という気になるはず。それでも時に「あれ?あの時なんて返してあげればよかったのかな?」と迷う、その度に読み返せるような教科書的な本だと思う。

<<最後、どうでも良い話。>>
実は私、大学進学を機に岡山から大阪に引っ越した際、大阪のお笑い文化についていこうと「鉄板」「天丼」の基礎用語や「いつボケるかわからないから、聞き逃さない!」などなど、笑いについて学んだことを逐一メモにとっていた。NSCに通う友人コンビがM1グランプリに出場する時には、一緒にネタを考えて稽古に口出すようになるなど、ド素人ながらに笑いのメカニズムを考えたことがある。
そこから10数年の時を経て、今この本が出版されたわけだが・・・一言。
「もっと早く読みたかったー!」

 本が読みたくなった方はコチラ。

終わり。





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