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自由人の自由詩✧♡2024.3.27

 前回は2月の投稿だったので、月1回ペースを守れている。
 今月の自由詩、行きます。

2月の風物詩、八戸えんぶり

杯に酒湛えたる太夫たち降りたる神と酌み交したき宵

 重地組の長えんぶりを舞台で観た時に長い烏帽子をかぶった太夫たちが三人横並びに座り、杯にお酒をつがれる姿を見た。
 なるほど、そうなんだ。太夫に神が降り、神に酒をふるまう。
 これを見ては今夜は日本酒を飲まずにはいられない。
 神と飲むなら米の酒。
 知人を送りがてら酒蔵により、日本酒を買って帰った。

いい声で唄う調べに地を舞えば春も起こされ神も降り立つ

 重地組に、いい唄い手がいた。自分がえんぶりの唄を上手く唄えるっていつ気が付くんだろう?子供の頃から子役から何から過ごして今があるのだろう。八戸に春を告げる祭りを、人々は待っている。

2月末と3月初めに大雪

歩かねば膨らむつぼみ見逃すとあせる心ととけぬ大雪

 昨年の桜の開花の早さと、今年の冬の暖かさ。これは、去年より桜が早く咲くのでは?3月から歩き始めたほうがいいなと、いつもは4月スタートのウォーキングを始めようと思った時に大雪が何度かあった。こんな時に歩いて転んでは元も子もないと、雪が解けるのを待っていた。
 解けない( ´艸`)
 雪が解けるのを待つうちに3月スタートの気持ちも解けてしまったw

ふさふさの毛に足いれて温めた震災のあとすぐ君も消ゆ

 2011.3.11。東日本大震災。
 津波は、波のそばにいたものを根こそぎさらっていくが、津波が去った後も海にはあまり近づくなという思いがある。津波の後、海へ愛犬とドライブしていた友人が交通事故で亡くなったこともある。うちの愛犬も、その3日後に旅立った。ローソクの灯りで、2人と一匹で震災の夜を過ごした。君は我々の足元に寝そべって見上げていた。
 毎年、震災の日付で思い出す。13年経ったのだと。

2人との等間隔が心地よく距離詰めてきた方刃にかける

 最近、ショートショートに挑戦していた。お題が「レトルト三角関係」という謎のタイトルだったが、ふと書いたのは、男子2人と女子1人の三角関係。コメントに答えるうちに似たようなことが自分にもあったことを思い出した。この歌のように、等間隔が心地いいから、1人を振ったわけではないが、あの等間隔は意外に楽しいものであったなと思い出した。女はそうやって意味不明に男を傷つけていることもありそう。
 架空のことをもっともらしく寺山修司のように詠めるようになる。

恋人の手紙を母に捨てられた 吾(あ)が乾物を捨てる如くに

 短歌づくりをさぼらぬよう、一日一句を目標にひねっていたら、記事に書いたことを短歌に出来そうだと考え始めた。「お返し断捨離」という実話。

毎日を三十一文字で詠めるなら我がメモリーは200歳越ゆ

 何百字もかけて書いている毎日の記事を三十一文字(みそひともじ)で詠めるなら、データの容量はとても少なくて済む( ´艸`)

絵画しか選べなかったという君と合わせ鏡に人生おくる

 絵画しか選べなかったという友だちと、絵画だけが苦手で悔しい私。
「合わせ鏡」がテーマの記事から。彼女との思い出をもう一つ。

紙コップ珈琲片手に君と僕 永久に語りし学食の午後

 男女みたい?我の方がいいかと思いつつ、そういえば自分を僕、と言っていた若き自分を思い出した。実話だった( ´艸`)
 一緒に学食に行くと、たまに、そのまま夕方まで語り込んでいたことを懐かしく思い出す。何をそんなに話すことがあったのか。
 そうだ、互いの宝箱からキラキラした思い出をひとつづつ披露しあった。

湯の中でうつむく角度菩薩様 うっすら微笑を浮かべて参る

 毎日の温泉で、眼を閉じ、スコシうつむく人々を見て、写仏していた弥勒菩薩の顔の角度を思い出した。
 写仏の写生のこころが短歌にも役立っている。

ルッコラのぴりり香ばし春サラダ 言の葉と混ぜ噛みしめ遊ぶ

 ルッコラが好きだ(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 春の野菜なのか、最近店頭に並んでいる。うまい、このぴりり、短歌にも入ってくれたら( ´艸`)!

異形へと膨らむ腹を持つ人の呑み込む気持ちのありかと見ゆる

 自由人が入っている温泉の時間帯では同じか、または年上の人が多い。彼らをみて、三段腹にならぬように気をつけねばと日夜思っているが、そんな時に、どうすればそんな風になる?という腹を発見。御病気なのか?何かそうなる理由があるようにも思える。
 短歌の会で、先生が、呑み込む気持ちを靴の中の小石に例えたが、その人の腹もそんなふうに思えた。

美のありか探してしまう目の人は今日もどこかでシャッターを切る

菩薩顔やさしく包む言の葉でけふも揺蕩うつきふねの夜

 自分の記事も詠めると思ったが、自分が訪れて記事を読んでいるnoterさんのことも詠める!と改めて気づく。

 短歌の種は自分の半径5メートル以内にいつもある。

 一日一つ、何か見つけて、詠んでいく✧♡




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