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『お酢博士と超ディープなお酢トーク!!!』イベントレポート


皆さんはお酢が好きですか?

私は子供の頃、お酢のカッとする酸っぱさが苦手だったのですが、大人になり自分で料理をするようになってからというもの、お酢と様々な料理との相性の良さに驚き、お酢が大好きになりました。

そんなお酢好きの私は、先日オンラインイベント『お酢博士と超ディープなお酢トーク!!!』に参加してきました。
お酢が好きな人はもちろん、ちょっと苦手という人も聞けばお酢が気になり始めること間違いなし!?
本日はそんなお酢トークのイベントレポートをお送りしたいと思います!

主催の発酵デパートメントは、各地のユニークな発酵食品・食材やお酒など、発酵のことならなんでもそろうデパートメントです。そんな発酵デパートメントで、ミツカンの三ツ判「山吹」という江戸時代からの伝統製法を生かして造り上げているユニークなお酢の取り扱いが始まりました。
販売を開始するとあまりの反響に、空前の山吹フィーバーが起こり、今回のイベントの開催が決定したそうです!

それではイベントスタート!

今回お話ししてくださったのは、ミツカンのお酢博士こと赤野裕文さん(以下赤野さん)です。そして、ホストは発酵デパートメントオーナーの小倉ヒラクさん(以下ヒラクさん)です。

本題に入る前に…
「調味料を扱っている国際的な大きな企業が沢山あるけれど、元は江戸時代や明治の初期から始まっている、地方の歴史あるメーカーが多いです。そんな長い醸造の歴史の中に、今私たちがスーパーでみかける醸造の文化があるんだということを念頭に入れながら聞いていきましょう!」
ヒラクさんからのメッセージがありました。
この言葉を聞き、なんとなく姿勢を正したのは私だけではなかったはずです!

ではここから、赤野さんが、「江戸のすし文化を支えた尾州半田の山吹」というタイトルと共に、おすしの歴史と今回紹介するミツカンの三ツ判「山吹」というお酢についてお話ししていきます。

「山吹」ってどんなお酢?

酢飯にすると山吹色になることから江戸時代の後期に「山吹」というお酢のブランドが立ち上がりました。赤色に見えるので最近では赤酢と呼ばれています。
首都圏の老舗の寿司屋さんに行くと酢飯に色が付いているところが多いのですが、それはこの「山吹」のように熟成した酒粕を原料に発酵させて使ったお酢を使用しているからだそうです。

そもそもお酢ってどうやってできるの?

お酢がどうやって作られているのか、実は知らない人も多いのではないでしょうか。
お酢はお酒から作られている発酵食品です。
例えば「山吹」の場合、原料の米を蒸し、デンプン化(糖化)させます。そこに酵母を加えて濁酒みたいなお酒の状態にします。それを酢酸菌に食べさせてお酢にするという流れです。
つまりどんなお酢も、お酒にしてからお酢を作るんです。お酢はお酒よりも作るのが大変なんですね。これには驚きました!

寿司の歴史と共に

寿司無しではお酢を語れません!ということで、寿司の歴史と一緒に話は進んでいきます。

寿司の発祥地は東南アジアです。(日本じゃない!!)魚を長期保存するための方法として編み出した、「なれずし」と呼ばれる米を使った発酵食品が寿司の起源であると言われています。

「なれずし」は平安時代、日本に入ってきました。ちなみに、発酵に使っていたお米は漬物につけたブルーチーズのような強烈な匂いで、食べられたものではなかったそうです!

その後、発酵期間を短くすることで、お米も食べられるようになります。発酵を短くした魚はなまなましい感じがするので、「なまなれ」と呼びます。

江戸時代中期にはお酢を使い始め、発酵させる必要がなく、すぐ食べられる「早ずし」が誕生します。そして、江戸時代後期になると「握りずし」が考案されました。大きさは現在の2倍から3倍ほど大きかったそうです。

酒粕によってお酢が一般的に!

江戸時代の加勢文化の頃、付加価値の高かった発酵食品の醤油、酒、酢は、関西の方から太平洋を渡って運んでいました。

酒造が盛んだった尾州半田(現:愛知県半田市)は三河湾に面しており、江戸からも比較的短い距離で運ぶことができたため、お酒の生産をどんどん拡大していきます。
初代中野又左衛門(後のミツカン創業者)は、酒造工程で生まれる廃棄されていた酒粕を用いて「粕酢」(赤酢)を生みだします。
酒粕の中の残り酒を利用して熟成させることで酒粕の澱粉質が糖にかわり、旨味甘味が出てきたのです!この「粕酢」によってお酢が安価となりすしがもっと美味しくて手軽になっていったんですって!!

この江戸時代からの伝統製法を活かし、熟成させた酒粕を使って造っているのが「山吹」なんです!!旨味たっぷりのお酢と言われる理由がよく分かりました。

ノンアルコール飲料の代表作にもなり得る?!

そんな「山吹」ですが、ここからは、おすすめの使い方の紹介です。

まずはクラフトコーラ!
カラメル色素を使わなくとも、自然にコーラのような色をしてる「山吹」をベースに、砂糖とスパイスを一緒に煮詰めてシロップを作り、炭酸で割ってレモンを入れるとクラフトコーラが完成します。
普通の米酢だと酸が立ってしまうけれど、「山吹」はうまみ成分が多く、酸があまり目立たないのでコーラとしてすごく合うそうです。

お次はノンアル風ドリンクです。
ブドウジュースに「山吹」を入れるとワインのようなノンアルのグレープカクテルができるそうです!

ノンアルカクテルにお酢はよく合うとヒラクさん。辛みや喉にカッとくる感じは、お酒とお酢でよく似ていて、お酢なのに不思議とお酒を飲んでる感じになるとのこと。
ちょっと酸っぱいとか甘いだとお酒っぽい飲み応えが出てこないので、コクのあるお酢をそれなりの量使うとアルコールを飲んでいるときのような良い意味での飲みにくさが出てきて、ノンアルカクテルの風格がでてくるそうなんです!!

「山吹」を使ったノンアルドリンクは、お酒の代用品として今後多くの人から支持されていきそうですね!これは私も絶対試してみようと思います。

その他、肉料理等にももちろん合いますが、アイスクリームにかけても美味しいというから驚きです!万能なお酢ですね!

【グレープジュース×山吹】
山吹を多めに入れると、ノンアルなのに不思議とお酒感が出ました!

最後に

ヒラクさんは農大時代に先生から、「良い調味料というのは料理を美味しくするものだ。みりんは甘くするだけのものじゃない。醤油はしょっぱくするだけのものじゃない。お酢は酸っぱくするだけのものじゃない。これらは全て、料理を美味しくするものだ。」と言われたそうです。 
この言葉に納得です。

普段から当たり前のようになんとなく使っている調味料ですが、歴史や背景を知ることで、調味料の持つ魅力や特徴、選ぶ楽しみや味わう楽しみ、また、調味料のことを考える面白さがとても増してきました。

今回ご紹介いただいた「山吹」を始め、これからも色々な調味料を試しながら、料理することや食べることを存分に楽しんでいきたいと思いました!

今回は貴重なお話しが聞けて勉強になりました。
発酵デパートメントにもまたお買い物に行きたいと思います!

以上で今回のイベントレポートは終了となります。

最後はヒラクさんの考えたナイスなダジャレでお別れしたいと思います。
それでは皆様、「アディオ〜酢!」(アディオス!)

※今回のイベントは、YouTubeで配信中です。
お二人の濃ゆいお酢トークを聞いてみてください!!【こちらからどうぞ!!!】

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