雨の日のショパン
あの時辞めてしまったピアノを、もう一度。
そう思ってピアノのレッスンに通い始めたのが、今年の2月のこと。
気がつけば今の教室にはもう半年以上もお世話になっている。
大学受験に専念するために、高校生の時に辞めてしまった大好きなピアノ。
レッスンには通わなくても、時間があればよくピアノの前に座って、その白黒の鍵盤で音楽を奏でていた。
それでもやっぱり、もう一度。
独学ではなく、もう一度。
きちんと、ピアノを習いたいと思った。
自分の解釈だけでなく、ちゃんと音楽と向き合いたい。自分で納得のいく演奏がしたい。音楽におけるわたしの向上心を、自分で止めることができなかった。
「今更わざわざ習わなくてもいいんじゃない?教えてもらわなくても十分弾けるんじゃないの?」
友だちにはそう言われたのだけど、わたしはまだまだだと思ってる。
もっと弾けるようになりたい。
もっと上手くなりたい。
ピアノを弾いている時間は、自分と向き合う時間だと思っている。目の前には楽譜とピアノだけ。苦手な部分に何度も立ち向かって、練習して練習して、ようやく曲が仕上がる。その練習過程が辛くて、しんどくて、めんどくさくて、過去のわたしは何度も練習から足が遠のいたこともあった。それでも辞めないのは、自分が演奏する曲の完成を、自分が一番楽しみにしているから。
音楽は、難しい。
でもその分、楽しい。
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今練習しているのは、ショパンの「雨だれのプレリュード」
雨がしとしと降っているのをピアノで表現したいのだけど、なんだか勢いよく弾いてしまうわたしは、雨だれというよりも、スコールな感じ。土砂降り。
今日はあいにくのお天気。ぽとぽとと雨が降り始めた時、「雨だれ」だなあって思ったのだけど。お昼になると雨が激しくなってきたので、きっと今のわたしが演奏してる雨だれは、これくらいの勢いの雨だなあ、なんて。
音楽に触れていると、日常の色んなことに繊細になる。お天気にも、空気にも、耳を傾けたくなる。そこから自分が受け取れることはないか、自分が表現できるヒントはないか、気がついたら考えている。
お天気が悪いから、ショパンの雨だれ、なんてとっても安直なんだけど。それでも、その日の雨から受けるインスピレーションってあるんだよね。
些細な日常からときめきを探すように、何気ない日常から音楽のカケラを探す。
もう癖になってしまっているから、きっとこれからも辞められないんだろう。
仕事が終わって家に帰ったら、ピアノを弾こう。
今日の雨だれは、どんな演奏になるだろうか。
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