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母の日に1人で銭湯へ!

1000円くらいで手に入る極上の幸せは、銭湯だ。

安いところだと5〜600円で風呂だけなら入れるし、
高く見積もっても1000円〜1200円も出せばタオルやら湯着やらセットになっていたりもする。
ゆっくりと湯船に浸かり、ゆっくりと体を洗い、サウナに入る。トトノウ。
これができるなら1000円も全く惜しくない。むしろ安いくらいでは?と思うのだけど、
子育て中の銭湯で、そうはいかない。

「はい、桶で遊ばないよ!」
「ほら、バスタオルその辺に置かないよ!」
「熱くない熱くない。熱いお風呂に入りに来てるんだから少し頑張ろ!」
「え、もう上がるって!?」
「髪乾かすのおわってない!」

と言った具合に、慌ただしく風呂に入り、
娘2人の髪の毛をドライヤーで乾かした後には、びっしょりと汗だくだ。

つらい。苦行。もっとゆっくり入りたかった。
てか、サウナとか入ってみたい。入ったことあるけど、ブームになってから入ったことない。私も豊澤瞳ちゃんみたいにサウナに入って整いたい。ハットみたいなやつかぶってみたい。
もっと欲を出すなら、風呂から上がった待合室に並んでるマッサージ機使ってみたい。なんかカプセルみたいになっててすごい。やりたい。やってみたい。

である。

その全ての願いが、本日叶ったので、
今私はカプセル型のマッサージ機の上でこの文章を書いている。


今日は母の日。
ママ何がしたい?何食べたい?何が欲しい?
ここ1週間の娘たちの話題はいつもそれ。
初めて手にするお小遣いを、勿体なくて使わないタイプの長女は、お財布の中に1000円札を潜ませていて、母の日に私のために使ってくれようとしているらしい。

いや、悪いからいいよ。というも、
母の日がやりたいんだ!!という強い気持ちが伝わる。
なるほど。そういうものだよね!
じゃあねーと、思いついたのが

「物とかじゃなくて、1人で銭湯に行ってみたい!」
だった。
「そんで願わくば、帰宅後家事とか何もせず、タコス食べてビール飲んでケーキ食べて寝たい」
と、ワガママ三昧をリクエストしたら、パパと協力して全部叶えてくれる。ということになった!
言ってみるもんだね!ヤッタァ!

そそくさと準備して車で銭湯へ向かう。
こういう時本当に運転できるようになってよかった!って思う。
サササっと入場。
サササっと体を洗い、いざ風呂へ!

いつも5分も経てば
「もうあがろう」
と言ってくる子供2人がいない幸せ!!
今日は1人きり!
ブームになってからは初めてのサウナも体験!作法を知らなかったから、あってたかどうかは知らんけど、5分が限界で、即出た。
5分で風呂から上がりたくなる子供達の気持ちを少しだけ知れた気がした。
と、同時に、こんなの何セットもやって、しかもテレビであんなに可愛くサウナ入ってる豊澤瞳の凄さを実感した。

さて、もう一度体を洗う。
ママ〜髪縛って〜という娘は隣にいない。

次は露天風呂へ!強風の中入る露天風呂は、日曜日の午後、人も少なくて最高だ。
見渡せば白髪混じりの年配のおばあさまばかり。
自由な時間を手に入れて、自由に露天風呂に浸かる彼女たちは、銭湯界でもレジェンド感を醸し出していた。

さて、次は何しようかな。と、周りを見渡して、もうこの銭湯でやりたかったことはほとんど叶ったことに気づき、暇だな、と思う。
露天風呂は熱いから嫌いだとイヤイヤする次女がいない。
「ママ!熱いお風呂に手を入れた後、風にあたると、肌がジュワジュワするよ!!」
と、小学生ながらにトトノウ感覚を手に入れた長女も隣にいない。

風呂から上がってゆっくりと髪を乾かす。5分で終わった。
「あちぃ〜髪切んない?」
とか言って、ここで汗噴き出しながら娘の髪を乾かしてる私は、案外幸せなんだな、と気がつく。


“1人でゆっくりと銭湯に行く”
という、夢は、叶ってみると、まぁまぁ普通で、
なんなら、やっぱりみんなでくればよかったなんて思ってる私がいる。
気分転換になったし、リフレッシュもできた。体も芯から温まるのなんて久々だったから、来れてめっちゃよかったけど、

本当に欲しいものなんて、手にしてみるとこんなもんなんだろうなと、改めて思う。
むしろ、本当に欲しかったかさえも、今となっては疑問だ。

熱い熱い、辛い辛い、あれ欲しいー、の中にある、
本当の幸せに、もっと気がつくべきなのだ。


さて、それでも、もう一つ!今回の目的が残ってる!マッサージ機だ!
300円払って、初体験したカプセル型のマッサージ機。
最初に私の体の位置を測定して、私の体にぴったりあったマッサージを提供してくれるらしい。
おじさんたちが吸い込まれるように、このカプセルに入っていくのをみて、
これもいつかやってみたいと願っていたのだけど、

こやつ、私の体の形を理解しないままマッサージを始めた。

首あと2センチ下なんだけど…
や、土踏まずそんなに外側にないんだけど…
そこ、腰じゃなくて尻だわ…

と、20分間、私がマッサージ機側に体を合わせにいって、その動きで軽く汗をかいてフィニッシュした。


こんなもんなのだ。あんなにやりたい!と夢見ていた、マッサージ機だって、体験して初めて、
“子供達とアイスを食べる風呂上がり”の方が楽しい時間だったことに気づかせてくれる。


さて、これを書き終えたら帰ろう。
今日はタコスパーティーとケーキでお祝いだ。
だけど、タコスもケーキもなくても、もう充分だ。
“おかえり!早かったね!”
と、ジャンプしながら迎えてくれる娘たちがいるだけで、
本当もう、充分すぎる母の日なのだ。

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