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<続>2年半働いた、Baridi Baridiを卒業します。そして、これから。
前回のnoteの続きです!
海外スタートアップあるあるで苦労したこと
この2年半は、目の前にあることを淡々とやって来たという感覚ですが、振り返ってみると、大きな苦労としては主に3つあった気がします。(本当は3000個くらいあるんですが、麻痺して分からなくなってます)
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苦労その1.他国籍メンバーの資料が全然わからない…
YouTubeのPIVOT公式チャンネルの動画でも、IQの高いインド人に共通する特徴として話されていたのですが、インド人は「プレゼンスライドでも、文章で読んで理解するのが、圧倒的に得意」なようです。スライド作る側も、聞き手に合わせて、ほぼ文章で説明する。
たしかに私のインド人元上司のプレゼン資料も、スライドを埋め尽くす文字の羅列。
UIデザイン的に、「読まなくても直感で分かる」を意識するのが当たり前だった私にとってはすごい衝撃。
びっしり文章に加え、しかもソフトウェア開発に関する、技術的な用語が英語で書かれているのを、PMとして全て正確に理解して、さらに外部ベンダーや経営層に伝えるのはなかなか大変なプロセスでした。
自分の理解度を確認し説明しやすくするために、図を追加したり余白を入れたりして、『こういうことで、理解合ってる?』と毎回確認していました。
さらに、いろんなステークホルダー達に説明したりする中で観察して気付いたことなのですが、
・文章を”読む”ことで、理解できる人
・図としてのイメージを”見る”ことで、理解できる人
・説明を”聞く”ことで、理解できる人
がいるようです。
口頭の説明だけでは理解してもらえなかったり、図のイメージを作っても、文章でまとめないとすんなり説明が進まなかったり。
気付いた後からは、重要な案件の資料を作り誰かに説明する時、「イメージ図で図解して、文章でその説明を入れて、その資料を元に、口頭で説明する」ということを心がけていました。
PMとは”伝える”仕事なので、文化や教育背景の違うインド人やタンザニア人相手であればあるほど、この伝え方は特に重要視していました。
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苦労その2.重要なメンバーが突然居なくなる
スタートアップあるあるだとは思いますが、それぞれの思い描くキャリアと、会社が提供できる業務が異なるという状況がよくうまれます。
当時いたEM(Engineering Manager)も、『マネジメント業務よりも、やっぱり今はもっと手を動かして開発スキルを高めたい』とのことで、自社チーム発足から1年くらい経った頃、卒業していきました。
大きなプロジェクトが始まって行くフェーズで、EMの突然の不在。
自分はどんな風にチームのグロースをサポートをしていけるのか…と、開発の経験の浅さゆえに、見えない未来の方が大きく、不安でした。
そんな時、代表に言われた言葉が、かなり自分の指針になったと思います。
『正解を選ぶのではなく、選んだ方を正解にしていこう』
今いるチームメンバーでできる方法はなんだろう。経験豊富なメンバーは少なく、1人では解決できないことの方が多い。
そこで「今の自分に出来ない事は、出来るメンバーを信じて頼る」。そんな気持ちで、チームとの新しい関係性づくりをしてきました。今のチーム内でも、遠慮せず頼り合う雰囲気が出来てきているように思い嬉しいです。
スタートアップは常に、業務もメンバーも流動性が激しい場所だと思います。その変化に抗うのではなく、サーフィンの波乗りのように、一瞬一瞬変わる波に自分を合わせて、ポジティブに捉えることがコツかなと思います。
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苦労その3.PMとUIデザイナーの兼業むずかしい…
『BaridiBaridiでどんな仕事してるの?』
と聞かれた時に、「PM兼デザイナーやってます」と答えるんですが、知らない人に対して噛み砕くと、
『PMとして新たな開発案件をつくってエンジニアに渡しながら、UIデザイナーとして手を動かしてデザインもする』
もっと具体的に、毎度発生するタスクの中で、エンジニアが開発環境で作ったシステムにレビューを入れて修正してもらうタスクが発生するんですが、PMとしての自分と、UIデザイナーとしての自分が、衝突することがよくありました。
デザイナーとしては、
ボタン等のコンポーネントの形状や位置、アクションの挙動、全体を通した一貫性など、よりユーザビリティの高いものであることを目指していたので、徹底的にレビューをして改善リクエストを出すことを心がけていました。
一方で、PMとして、
納品などのビジネス側面を意識してすると、「そこまでこだわって改善を続けるのか?エンジニアの時間をそれだけ使う本質的な価値が、このデザインの追加リクエストにあるのか?」という問いと常に隣合わせでした。
「期待するデザインクオリティには満たないが、今のチームリソースの段階ではある程度で諦める」という、胃がぐにゃっと掴まれそうなほど、苦渋の選択を取ることもしばしばありました。
賛否両論あると思いますが、スタートアップとして前に進むために、状況に合わせて、最善の道を歩んできたと思っています。
デザインの質を追求することがあるべき姿の私(UIデザイナー)と、依頼側クライアントの期待値・納期・チームリソースなどを総合的に考慮して、最適解に落とし込むことがあるべき姿の私(PM)。
よくエンジニアの隣で一緒に成果物をレビューしながら、「うーーーーん、考える、ちょっと待ってね🤔」と、腕を組み、心の中の2人を静かに議論させていたりしました。
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抽象度を上げると、このような葛藤は、PMとUIデザイナーに限ったことではなく、社内のいろんな場面で生まれると思います。
経営層と現場、開発と営業、マネジメントメンバーとジュニアメンバー。これらの中間にいるポジションは常にこの問いの狭間でよりよい選択肢を求められます。
沢山悩んだ時間と経験が、これからどのポジションでもやっていける自信にはなっていると思います。
スタートアップで頑張りつづけるコツ
波乱万丈の経験はやっぱりどの仕事でもあるもの。
特にスタートアップみたいなカオスが多い場所で頑張り続けるために、『自分はどのように消費したエネルギーを貯めて回復することができるか』、というのを知っておくのが、とてもとても大事だと実感しています。
『この人、ずっと全力で走っているのに、ずっとバーンアウトせず走り続けていてすごいな。』
と感じる身の回りの大人たちは、どこかこっそり【自分の秘密基地のような時間】を持っているように見えます。
私はというと、改めて振り返ると、
大好きな人や自然たちが、疲れて立ち止まりかけても走り続けるパワーをくれたように思います。
心身共に消費した身体への充電を助けてくれた、沢山の楽しかった記憶達。
・ダルエスサラームのビーチでの週末早朝サーフィン
・灼熱の太陽の下で、コーチや友人と汗を流すテニス時間
・都市部から数時間で行ける、ほぼ手付かずの海や森林の中でのピクニック
・手に入らない日本の食材を、現地にある食材で1から作ってみるプチ自宅実験
・いかにもタンザニアな、大胆で、適当で、効率化の反対にある、優しくて力強いローカルの食事たち
・憎たらしくなるほどポジティブで、人生が楽しそうなタンザニア人との全力ダンスパーティ
・なにより、同じ場所で仕事を頑張っている日本人の友人達と美味しいクラフトビールを飲むワイガヤの夜
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一緒に時間を過ごしてくれた皆さん、本当にありがとうございました。
いろんな人の、秘密基地の時間、聞いてみたいな〜。
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なんで卒業するのか?
『そんな風にここまで、0からやってきて、なんで今辞めるの?』
毎回、聞かれる質問です。
いろんな点でのきっかけはありつつも、シンプルに、次の大きな一歩を踏み出す時だと感じたから。
背中を押してくれたのは、
・1年半前から、0から企画に携わっていたプロジェクトが無事にリリースを迎えられたこと。
・初めはカオスだった環境が、次第にコンフォートゾーンになってきたこと。
・現地で出会った友人が、急に空の向こうに行ってしまったこと。命は短いんだと実感したこと。
と同時に、学生時代からずっと悶々と抱えていた「自分はどのように命の火を燃やしたいのか。」の問いへのぼんやりした答えが見つかったのも大きいです。
いつ死ぬかわからない明日を、納得感を持って生きるためには、もっと自分自身の直感に正直に、ど真ん中で、遠くを目指して進んでみたいと思っています。
ここに書ききれないので、会えたら聞いてください。
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そういえば、、、
「なんで、1番目の社員が、小野さんなんですか?採用方針、ちゃんと考えてますか?」
私が最初の社員として採用された際、あるスタートアップの社長に言われたと、うちの社長からこっそり聞きました。
その時は「そりゃ、実力とか経験的にそうですよねー、へへへ」と笑いながらも、心の中では悔しかったのを覚えています。
実績としてどこまで残せたかは分かりませんが、ちょっとは採用してよかった、仲間として一緒に働けてよかった、と、思ってくれるメンバーがいたらいいなぁと思います。
これから、どうするの?
そして、最近よく聞かれるもう一つの質問、
『で、これからはどうするの?』
具体的には、まだ決めてません。
新しい会社に入るのもよし、独立してみるのも全く新しい挑戦として面白そう。
これまでの社会人経験の中で出会った、プロダクトマネジメントやUX/サービスデザインの分野を、国内外のプロ集団の中や大学院で深めてみたいという思いもあります。
朧げながら、軸としてあるのは、
”自然(Sustainability)x 人(Empowerment)”
私自身も何度となく力をもらっている<自然・地球>と、<そこで生きる私たち人間>が、これからもいい関係を続けていくために、
そして私たち自身がより生きてる幸せを実感できるために、できることをしたい。
その中で、先日の<WBC準決勝、日本vsメキシコ戦9回裏大逆転>のような、感動や熱狂が人々の心に生まれるようなナニカを生み出してみたい。
この、徳島県の神山まるごと高専の認可報告ムービー。
外部から見ていただけなのに伝わる、大人たちの本気の「熱狂」がカッコいいので、ぜひ見てください。目標です。
そんなビジョンを描きつつ、これから数ヶ月は、一度強制的に立ち止まって、進む方向をいろんな視点から探してみたいと思っています。
次にやることが決まっていない今の状況は、足元が見えない沼に足を踏み入れるような感覚で、とても不安だし、早く良さげな道を決めてしまいたい衝動にも駆られます。
でも、その不安定な感覚を丸ごと味わい楽しみながら、キャリアブレイクの期間として、しばらくは進んでみたいなと思います。
サーフトリップしたり、大好きなクラフトビールブルワリーを巡ったり、日本や世界の面白そうな人たちに会いに行く旅をしたりしようかな。
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ということで、
直感に任せて、面白そうな人や場所やプロジェクトにゆるく出会いたい。
クレイジーで非合理そうなことに、フットワーク軽く、参加していきたい。
面白い事業やプロジェクトのお話があれば、ぜひ聞かせてください〜!
Twitterでも、私の頭の中や、遊びか仕事かわからないような日常を日々発信しています!DMやコメントで、絡んでもらえると嬉しいです。
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〈追記〉
これからのミッションの方向性が決まってきました。まだまだファジーな状態ですが、一人でつくるんじゃなく、共感してくれる仲間と一緒に、新しい未来を作りたいです。
ぜひ、気軽に話しましょう!!連絡ください!
ここまで長文読んでいただいて、ありがとうございました!読んでくださったあなたと、また会えますように!
Siku njema! (Have a good day! /良い一日を!)
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