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読書録#1 《四畳半王国見聞録》

私は週に一冊、本を読んでおります。

今週は《四畳半王国見聞録》を読了いたしました❗️

森見登美彦さんの作品、面白いですよね。
SFっぽい世界観、だいぶ拗らせている主人公の語り口が癖になって、定期的に読みたくなるんですよね。

思い返してみると、私は現実逃避をしたい時に、森見登美彦ワールドに浸かりたくなり、つい手にとっている気がします。

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感想


まずは、感想について。

相当馬鹿馬鹿しい話でした。(もちろん良い意味で)

「夜は短し歩けよ乙女」「太陽の塔」「【新訳】走れメロス」等も読んできましたが、登場人物の異端さがいつにも増していたと感じます。森見登美彦ワールドが炸裂していました。


登場人物は全員人間関係を上手く構築できずに、社会と自意識と戦い、相当拗らせてしまった人ばかり。
本作はそんな妙な人物同士が、分かり合っていく友情物語❓でもあります。

私が特に好きな人物は、四畳半王国を建国した人物。
四畳半の中で壁・床・天井と戦い開拓し、ジャングルや砂漠も意識の中に作り、四畳半の世界を統治しています。
世界を内側に拡大して冒険する猛者の曲がり具合を哀れに思っていました。

好きな場面

好きな場面について。
いくつかあるのですが、1つだけ記録。

余は子どもの頃にもこのような愉しみを味わっていたことを思いおこした。
家の居間にシーツやソファを使って無人島を作っては弟たちと遊んだ日々。
小さな居間が我々の想像の一つで太平洋の孤島にも、月面にも、ジャングルの奥地にもなった。
「四畳半王国見聞録」
あの頃、世界はたいへん小さく、それは内側に無限に広がっていた。
世界の果ては家の中にもあり、庭にもあり、公園の片隅にもあった。
今となっては淡く霞んで見えるあの時代と、この四畳半王国はなんとなく似通っていることであろう。
「四畳半王国見聞録」

四畳半王国を作るとはどんな世界観なの❓と、馬鹿馬鹿しさに思わずフッと吹き出しながら、面白おかしく読んでいました。

が、もしかしたら、このような感覚は皆んな持ち合わせているのに、大人になってしまった私たちは忘れてしまって淡い記憶として埋もれてしまっているのかもしれない、とふと思った場面です。

少しばかり登場人物に親近感を覚えました。

私も幼い頃はよく空想するのが好きで、
奇想天外なストーリーの漫画書いて、歌も作ったりして、内側の世界は自由で広かったなあ、なんて思い出してました。


やはり童心に返れる好きな作品です😊

最後に

他の方のブログを読んでいて、
「森見登美彦の本を読み始める方にとっては、少し難しい本」と書かれてました。

私も同意ですね。🫥

初めて読まれる方は、ポップで勢いのある「夜は短し歩けよ少女」「太陽の塔」が良いのではないかなと思います。

森見登美彦好きな方には、オススメの一冊です!

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