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大衆と芸事の距離感についての浅はかな考察、及びへっぽこ推察

どうもこんばんは。
音楽の先生と教頭です。

詳しいプロフィールや活動内容については
こちらの記事へ。


未熟ながら今回は、
大衆と芸事の距離感についての考察、及び推察を
つらつらと。
自分への戒めの意味を含めて。


基本的に衣食住から離れた所にあるのが芸事だと思っています。
ですから、芸で人を振り向かせようと銀鱗躍動しても
中々骨が折れるのは自明の理であるのかなと。
ありふれた文言になってしまいますが、
基本的にはよくわからない人の芸を
誰も好き好んで見ようとは思わないと考えます。

それが当然であり、普通であると。


まず人には生活があって、
働き、大事な人の為に行動し、好きな事に時間を使う。
24時間はそうやって過ぎていきます。
それでじゅうぶん素晴らしいし、事足りているのです。

そんな中、時間を奪わなければならない。
時間を割いて見てもらわなければ始まらない。
考えれば考えるほど罪なジャンルだなと思います。

芸を持つ者がファンを獲得するまでの流れを
A〜Cに分けて考えていきます。


A


芸を持つ者が他人に入り込める余地があるとすれば、
隙間。
一瞬の隙間です。
それは、次の行動までのインターバル
生まれ得るのではないかと思っています。


そこで運良くチラッと目が合えばそれだけで
最高に上出来なのでしょう。
視界に入っただけでも価値があると考えます。
所謂、ヴィジュアルの視認です。
脳の片隅に椅子が置かれます。
しかし、椅子の設置期間は人によって差異があることでしょう。


その時、こちらから近づき売り込むのか
はたまた、待つのか。
ここの押し引きは人によって意見が分かれる所であると思います。


どちらにせよ、その後の
最終的な判断は相手に決定権があります。

離れてしまったら、またAの初めの作業へ戻ります。


B

運良く近づいてもらえたなら、
そこで初めて芸をお見せする事が可能になると考えます。
芸を商品だと仮定して、お店で例えていきます。
1個です。
いくら自慢の商品が沢山あってもこの段階では
1個だけ
見てもらえると考えます。
まだブランド自体が信用を得ていないからです。
その商品1個が気に入ってもらえなかったら即終了。
退店待ったなしです。Aの作業へ戻ります。
このフェーズで難しいのが、
お店に並べたどの商品が初めの1個になるのか
店主には予測できないところです。

つまり、どれを見て頂いても大丈夫なように
素敵な商品で棚を埋める必要があると考えます。
難しい条件ではありますが、
確率論で考えるとそうなります。
こればっかりは頭でわかっていても
そう簡単にクリアできる問題ではないですよね。
時間をかけて良いものを作っていくしか
方法はないのでしょう。


C

一個の商品を気に入ってもらえたなら、
後はA〜Bに比べて気が楽だと考えます。
まず、スムーズに他の商品をおすすめしやすくなるのでしょう。
よしんば、そこで実を結ばなくても
再来店の可能性が残っています。
そこから親交を深めた後に、常連になって頂ける事だって望めるはずです。



このA〜Cを何度も何度も繰り返して
ファンの人数を増やしていくと考えると、
やはりとても難しい事なのだなと心底思います。
常連さんであっても、ある時スパッと来なくなる可能性だってあるのですから。
そして、途中で振り出しに戻るという
ワープゾーン多きこと双六の如し。

それでも好きで、やらずにはいられない。
落ち込んだりもするけれど、更に芸を磨き
またAから始めようと何度でも思える人が
成功の可能性を秘めているのだと考察し、納得します。

運やタイミングが大事だと言われる事が多い世界ですが、
こうやって考えてみると確かにと思う部分が
そこかしこにありますよね。
A〜Cの流れを見ていても、こちら側が干渉出来ない領域が要所要所で確認出来ます。
相手の選択肢を待っている瞬間などは
まさにそれでしょう。

しかし、それ以外の多くは完全に店主側の裁量と根気ですよね。
店の雰囲気であるとか外観の魅力だとかも判断基準になるのでしょうし、
まずはこのお店に入ってみたいなと思わせる事が第一であると考えます。
間違っても運やタイミングのみで成功する事はないのだろうと。


また、芸を持つ者は大衆側でもある訳で。
リバーシブルである事を忘れてはいけませんよね。





いやはや、
行列のできる人気店までの道のりは果てしなく…。


そんな訳で、我々はいつもの様に
今日もせっせと芸事に勤しんでおります。


お店の扉へ近づく微かな足音に
そっと耳をすませ
カランコロンカランと
扉が開かれるその瞬間を待ちわびながら…。


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