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【酒蔵見学レポ】新潟市にある今代司酒造にいってきました。

新潟生まれ新潟育ち
綺麗道です。

新潟といえば?

米、雪・・・。

そして

お酒。


実は
新潟県は日本一蔵元が多い県。

道を歩けば蔵元にぶつかる(のは言い過ぎ)
くらい、多くの蔵元があるんです。


とはいえ、県内に住んでいたところで
行ったことがない、知らないところも多い。

今回は、そんな私が訪れた
新潟駅からすぐに行けちゃう
蔵元さんをご紹介。


『今代司酒造株式会社』

「いまよつかさ」と読みます。


新潟中央区にあり
栗の木バイパスと呼ばれる幹線道路沿い

道を通るたびに気になっていました。

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「醸す」という大きな文字がそそられます。



位置していますのは
「沼垂地区」といい、
湊町にいがたを支えた栗ノ木川により栄えた町。


酒蔵、味噌蔵、醤油蔵、納豆蔵などが
立ち並ぶ「発酵食の町」でした。

今は蔵の数も減ってしまいましたが
それでも頑張っている蔵元さんがいます。


数年前から沼垂地区は古びた町の印象から
レトロモダンなおしゃれな町へと変わりました。

たくさんのおしゃれなお店があり、
非常に「そそられる」地域です。

県内外からも多くの観光客が訪れる
新潟市を代表する大切な場所。


今回は
以前から気になっていた
今代司」さんに初潜入。

今代司酒造の歴史

創業は1767年。明和4年のこと。


新潟は江戸から明治にかけて、
祇園の京都、赤坂、新橋の江戸と合わせて
日本三大花街と呼ばれ
人口は江戸よりも多かったといいます。

賑わいを見せていた江戸の明和年間、
初代が酒の卸業の商いを行ったのがはじまり。

明治中期にこの地に移り、
本格的に造り酒屋をはじめたそうです。


時代の変遷とともに
町の姿は変わっていきます。

目の前の川も埋め立てられ、
町も人も変わった。


しかし、
この古き新潟の面影を残している
今代司酒造。

古いものをただ引き継いでいくことにこだわらず
時代の変遷とともに柔軟に変化できる「軸」を
持っていました。


昔は酒精を混ぜる製法で
多くのお酒を販売していたそうですが、

2006年、本来の酒造りへの転換を図ります。


県内戦後初の「全量純米蔵」として、
醸造アルコール添加・副原料の使用を一切行わない
方針へ転換します。


混じりけなしのお酒造り。


「高いので売れない」と
当主はおっしゃっていましたが、
それでも少しずつ販売数は伸びているそうです。

今では海外にもお客様がいて、
この間はフランスにて大口の注文が入ったとか。


わかる人にはわかる。

それが本物であれば。


これまでの方式を変え、新たな道を歩む。

どうしても犠牲は伴います。


しかし、
この変化の時代に生き残れる「本物」
というのはやはり変化は避けられない。

柔軟に変化に対応できるところしか
生き残れない
そんな時代になりました。


「今代司」さんは「イマドキ」な
クールでスタイリッシュなお酒が多い。

しかし、ただ外観を変えただけでなく、
中身は本物。


「余計なものを入れない」


この姿勢には非常に共感を覚えます。

まさに本物のお酒。

これこそ
今の時代にマッチした姿なのだと思います。


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熱く語ってしまいましたが、
お酒はお米と麹から作られます。

今代司では
10月くらいから本格的にお酒造りをスタート
させるそうで、今は作業自体はお休み中。

お米が届くまでしばしの休憩。

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上のはりは昔のまま。

炭を燃やしていた名残で黒くなっています。
これがまた趣深し。

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大きなお釜。

この中にお湯が張られ、そこでお酒を殺菌するそうです。

昔はこの上にセイロをのせてお米も蒸していたとか。


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2010年半世紀ぶりに木桶仕込のお酒も一部復活。

全部ではありませんが、
あえて昔の製法に戻ることを選択。

これもとても魅力的です。


この木桶を始めるときは、
日本で一軒しかない桶屋さんに依頼をされたそうです。

日本でたった1軒。


桶は釘や接着剤を一切使用しておらず、
「たが」でとめるだけ。

なのに漏れない。

木が渇いてくると隙間が空いて漏れますが、
中に水を入れると木が膨張してしっかりくっつく。

だから漏れない。


昔の人の知恵というか、
技術は本当に素晴らしいなと感じます。

しかし
そろそろ桶屋さんがお店を閉める話があるそうで
今後のメンテナンスなどが心配だと話していました。


この木桶ですが、
クラウドファンディングにより
一部のお客様の熱い想いで実現したもの。

だから、
木桶に協力者の名札が下げられているんですって。


木桶仕込みのお酒は
「非常に芳醇で、綺麗な味。
木の香りと独特な風味が味わえる」

と説明に書いてありました。


これは飲んでみたい。


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ここが圧搾室。


どぶろくみたいなドロドロのお酒をここで
濾過して透明なお酒にするそうです。

白い板みたいなものが何十にも重なっていて、
ここにお酒のかすがたまっていく。

この時に出るのが酒粕。

この酒粕も売店に売っていたのでしかと買ってきました。
(まんまと戦略にハマる)

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純米大吟醸・純米吟醸・純米酒
お米の割合が違うんですね。

麹のもとは
日本で数十件しかない麹屋さんから仕入れているとか。


大切な日本の国菌。麹菌。

味噌・酒・醤油などの蔵元さんは
必ずどこかご贔屓の麹屋さんがあってそこから仕入れる。

このつながり、ずっと大切にして欲しいです。

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左の看板。
文字が立体的なので何かと思ったら木彫り。

今なら3Dプリンターで簡単に作れますが、
これを木で作るのはよほどの技術です。

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今では酒粕も多くのものに使われていて
化粧水・パック・スイーツ・お菓子
ニワトリに食べさせておいしい卵へ

様々なところにこの発酵の文化が広がっています。

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錦鯉のイメージのお酒

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アマビエ甘酒と佐渡の海洋深層水で作った甘酒

写真はあまり撮りませんでしたが
売店でもとにかく目を引く商品がずらり。


とても魅力的な今代司酒造でした。

今代司さんですが

お酒や甘酒の試飲もついて
なんと見学無料。


事前予約制ですが、
見学時間も1日に何回も受け付けているので、
とっても利用しやすい。

当日予約も可能です。

(私は30分前に
ネット申し込みで簡単に予約できました)


見学後は酒粕が入った
ソフトクリームと酒蔵プリン。

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酒粕入りなのに子どもがおいしいとパクパク。

確かにふんわり酒粕の香りはします。

しかし、この程よい香りと
コクのある味わいが絶妙。

ソフトクリームもプリンも
口の中でとろける幸せ。

格別な美味しさです。

予想以上でしたね。

これは食べて正解でした。



主人は1000円で
様々なお酒のテイスティングをしていました。

15種類くらい飲んだそうで。

私はドライバーだったので
甘酒とスイーツでガマン。


甘酒は家で作れるから…とは思ったのですが、
美味しくて買っちゃいました。


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おみやげにお酒と甘酒。


しかし、新潟に住んでいながら
こんな素敵なところに来たことがなかったなんて
もったいなかったな。

また来たいと思います。


そして新潟に来られることがあったら
ぜひ立ち寄ってみてください。

いまよつかさ へ。

今代司酒造株式会社

新潟市中央区鏡が岡1-1
025-245-0325

年中無休
9:00~17:00
無料駐車場あり

オススメの日本酒

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主人が飲んでみて美味しかったと
いわれたので買ってきたこの子。

一口飲んでみたら
とてもフルーティーで甘い。

お酒じゃないみたいに飲みやすくて
ぐいぐいいけます。

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原材料は米と米麹のみ。

日本酒はそんなに得意じゃないけど
これは別格。

どんどん飲めます。

(大きい瓶にすればよかったかな・・・)

これを機に
日本酒好きに転向するかもしれません。


日本酒キテルな。


以上、綺麗道でした。


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